自分にとって幸せってなんだろう。それは一生をかけて探すもの。杉本彩 人間の生き方を左右するものが美意識、本当の美しさは何かということを発見することが自分の生き方を変え、本当の幸福の価値観を見つけるために一番大切なこと。
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自分にとって幸せってなんだろう。それは一生をかけて探すもの。杉本彩

タレント、女優、ダンサー、小説家、さらには実業家とさまざまな分野で活躍している杉本彩さん。 Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA)

タレントや女優としてテレビ、映画に出演する傍ら、ダンサーや小説家、さらには実業家とさまざまな分野で活躍している杉本彩さん。男性はもちろん、女性にも多くのファンがいるマルチな才能の持ち主ですが、以前から杉本さんが動物愛護の活動に深く関わっていることもよく知られています。
去る10月4日、5日の2日間、フレッシュハンドメイドコスメの「LUSH(ラッシュ)」が、「2050年のLUSHな(みずみずしく、みどりと潤いにあふれた)未来のために」をコンセプトに、港区の東京ミッドタウン芝生広場で開催した初の野外イベント「LUSH LIFE PARK 2014」に杉本さんがゲスト出演。LUSHが掲げる化粧品のための動物実験反対の理念や、チャリティやキャンペーンを通して動物愛護・権利擁護を訴える企業姿勢に共感したことが同イベント参加の契機となりました。会場ではたくさんの観客を前に動物愛護について語りました。
エシカ編集部はその杉本さんに独占取材しました。

ごく自然に始まった動物愛護の活動

動物愛護の活動は、かれこれもう20年以上も前からになりますね。何かきっかけがあるとかそういうことではなくて、小さな子供の頃から外でかわいそうな猫を見かけたりすると放っておけなくて、家に連れて帰ったりしていたんです。 今、私がやっていることはその延長線上にあって、動物虐待の現実などいろいろなことを知れば知るほど、その問題から目を背けることができなくなって、結果としてこうなってしまったんですね。ただ、強いて言えば、10代の終わり頃だったか、京都から東京に移り住んできて間がない頃、病気で死にかけていた猫を拾ってきて保護して里親を探したのが、活動のスタートということになるのかもしれませんね。

今の日本に必要な「アニマルポリス」

今、私が力を入れているのは「アニマルポリス」の導入を訴える活動です。
動物は虐待を受けても言葉を発することができません。それに、虐待は密室の中で行われることがほとんどなので、そこに入って行ってしっかり捜査するには警察の権限が必要になるのです。アニマルポリスはそのための公的機関で、アメリカやヨーロッパにはきちんとした組織が出来上がっていますが、日本はまだものすごく遅れています。動物愛護法はあっても、それを専門に捜査する機関がないのです。
動物にも人間と同じような感情があって、心があります。それまで虐待を受けていた動物たちも、人の愛情と環境で見違えるほど変わるので、虐待を受けていたり、非道状況に置かれていたりした時、彼らが何を考え、どういう気持ちで生きていたのかと思うといたたまれなくなりますね。だからこそ、1日も早くアニマルポリスを立ち上げないといけないと思うのです。

まずは兵庫県から

活動はまず、私の故郷である京都からスタートしました。7万2000人以上の署名を集めて設置を検討していただいていますが、この署名をしていた時、一番に反応してくれたのが兵庫県でした。職員の方がアニマルポリスの勉強会を開催してくださって、そこで講義をさせていただきました。その後、迅速に事が運んで、まず県のほうで「アニマルポリス・ホットライン」という電話相談窓口が設置されました。これは、まだ本格的なアニマルポリスというわけではありませんが、それでもスタートラインに立ったまず第一歩になりました。今後はそれをさらに進めていくためにシンポジウムなどを開催していこうと思っています。

動物愛護の活動には終わりがない

最近、殺伐とした殺人事件がいくつも起きていますが、人に危害が及ぶ前には必ずといっていいほど動物殺傷事件が起きているのです。そうしたことは周知の事実であるにもかかわらず、しっかり検証されてこなかったのではないかということを強く感じますね。動物虐待とか動物殺傷の段階でしっかり捜査をし、取り締まりがされていれば、人への危害に及ぶ前に食い止めることができたし、奪われずに済んだ命もたくさんあったのではないでしょうか?そう考えると、1日も早くアニマルポリスを立ち上げないといけないと思いますね。
今、仕事の合間に動物愛護活動をやっているというよりも、むしろ活動の合間に仕事をやっているという感じになっています。仕事はどんなものでも一区切りがありますが、動物愛護の活動には、もうこれでいいという終わりがありません。おそらく、私はこうやって、命ある限り動物愛護の活動をやっていくんでしょうね、きっと。

普段の生活でもエコやリサイクルに自然に気を遣う

かつて反毛皮のキャンペーンに協力したり、こうして動物愛護の活動をやっていますが、エコやリサイクルも自然や命を守るという観点から、動物愛護と繋がっています。ですから、毎日の生活を送る中でもリサイクルやエコにも気を遣っているんですよ。まず第一に、私が意識しているのは無駄を出さないこと。東日本大震災以降はそうした風潮が特に強くみられるようになりました。でも、私にしてみれば、子供の頃から親に言われて当たり前にやってきたこと、例えば食材を無駄にしないこと、無駄な電気を使わないこととかを今も続けているだけのことで、そんなに特別なことではないんです。そもそもそういうことは意識してやることではなく、ごく自然に行うものだというのが私の考えです。

アルゼンチンタンゴの魅力は繊細な表現や感覚が必要とされるところ

杉本彩というと、皆さんにはアルゼンチンタンゴのイメージが強いかもしれません。そもそものきっかけは、日本テレビの「芸能人社交ダンス部」でラテンのペアダンスをやったことですね。子供の頃、バレエを習ったことはあったのですが、ラテンダンスは初めてで、すぐにハマって、そこからアルゼンチンタンゴへと興味が移っていきました。
アルゼンチンタンゴの一番の魅力は、社交ダンスとは違って、決まりごとがあるようでないということだと思っています。その人の感性とか、お互いの気のやり取り一つで踊りがさまざまに展開していくので、ひじょうに繊細な表現や感覚が必要とされるところがいいですね。それに歳を重ねて人生の経験を重ねれば重ねるほど、その表現に味わい深さが必要とされ、踊りの中に哀愁のようなものを求められてきます。その奥深さもアルゼンチンタンゴならではのものではないでしょうか?
アルゼンチンタンゴに関していえば、今、忙しすぎてなかなかできません。何か月も踊れないことがあるのが残念ですね。

一人の女性としてよりも一人の人間として美しく

私はいろいろと複雑な人生だったので、挫折しそうになったり、心が折れそうになったことが何度もあります。その中で、どうして自分が今まで頑張ってこられたのかというと、やはり動物たちが心の支えとなり、いろいろな学びや気づきをもたらせてくれたのです。動物たちが癒しとなり、いろいろな絆や学びをもたらせてくれたのです。自分にとって幸せってなんだろうって考える時、それは一生をかけて探すもので、なかには探しても結局答えが見つからない人もいます。答えを探すのは難しいんですよ。でも、私は動物たちのおかげで、そして、動物愛護活動によって、自分にとって本当の幸せは何かということの答えを見つけることができました。それは自分の存在意義を感じさせてくれることでもありますし、社会に貢献できるという喜びでもあります。

最後に、女性の皆さんへのメッセージは、一人の女性として美しさを求めること以上に、一人の人間として美しく生きることが大切だということです。人間の生き方を左右するものが美意識、本当の美しさは何かということを発見することが自分の生き方を変え、本当の幸福の価値観を見つけるために一番大切なことだと思いますね。

インタビュアー 清水 一利(しみずかずとし)
55年千葉県市川市生まれ。明治大学文学部(史学地理学科日本史専攻)を卒業後、79年、株式会社電通PRセンター(現・株式会社電通パブリックリレーションズ)に入社。クライアント各社のパブリシティ業務、PRイベントの企画・運営などに携わる。86年、同社退社後、87年、編集プロダクション・フリークスを主宰。新聞、雑誌(週刊誌・月刊誌)およびPR誌・一般書籍の企画・取材・執筆活動に従事。12年「フラガール3.11~つながる絆」(講談社)、13年「SOS!500人を救え~3.11石巻市立病院の5日間」(三一書房)を刊行。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

清水 一利

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