「独立した大人同士で無理せず生きる」松尾たいこさん&佐々木俊尚さんご夫婦
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「独立した大人同士で無理せず生きる」松尾たいこさん&佐々木俊尚さんご夫婦

(左)佐々木俊尚さん (右)松尾たいこさん

「サスティナブル・カップル」は、働く女性とそのパートナーが、仕事も家庭も持続可能に両方楽しむためのコツを、様々なカップルに聞いて紹介するシリーズです。

第1回目はイラストレーターで、5月にエッセイ集『東京おとな日和』を上梓なさった松尾たいこさんと、ジャーナリストの佐々木俊尚さんにお話を伺ってきました。

家事は無理をせず、好きなことをやっている。

—女性が働いている場合、家事の分担が夫婦間で問題になることが多いそうです。『東京おとな日和』に、佐々木さんが料理をしていると書いてありましたが、ご夫婦で家事はどのように分担していますか?

佐々木俊尚さん:分担をしているというより、それぞれが好きなことをやっている感じ。料理は好きだからやっています。家事を無理してやる必要はないと思うんですよ。洗濯や掃除など、大変だったら外注すればいいんだし。

松尾たいこさん:私は犬のお世話担当です(笑)。二人とも忙しいけれど、きちんと片付いているのが好きなので、今は掃除などはプロにお願いしているんです。

(左)佐々木俊尚さん (右)松尾たいこさん

一番大切なのは、生活レベルでの価値観が合うかどうか

—家事の分担以外だと「結婚後に価値観が違うと気付いた」ということもよく夫婦間で問題になるらしいのですが、価値観が違うと感じたことはありますか?

佐々木さん:そもそも「価値観」が何を指しているかにもよりますが、夫婦で合っていた方がいいのは「どんな暮らしが心地よいと思うのか」レベルの、生活レベルでの価値観だと思うんですよね。その他の価値観なんて、違って当たり前だし。「一方が片付いているのが好きで、もう一方がちらかっているのが落ち着く」みたいな生活レベルの価値観が合わない場合は、ちょっと困るだろうけれど……。

松尾さん:私たちの場合、二人とも家が片付いているのが好き。ごろ寝をしたりジャージで生活するよりは、ソファーにちゃんと座って外にもすぐに出て行けるような洋服でいる方がリラックスできるんです。そういうところが同じで良かったなと思います。

(左)佐々木俊尚さん (右)松尾たいこさん

(左)佐々木俊尚さん (右)松尾たいこさん

押し付けないで「自分はこれが好き」を発信し続けていく

—では、生活レベルでお二人の好みが合わなかった経験はありますか? そのときはどうしましたか?

松尾さん:数年前に私は断食道場という、滞在型の食事療法施設に行ったんです。健康的な食生活と生活習慣を身につける施設なのですが、そこで野菜中心の食事や粗食の良さに目覚めました。私はわりとすぐに新しいものを受け入れられる方なので「これは良い!」と野菜中心の食生活をどんどん進めたかったのですが、彼は慎重派なので、1年くらいかけて説得しました。

佐々木さん:そのときはわりと肉などもたくさん食べていたしね。

松尾さん:そうそう。でも彼は「これが良いからやってよ」って押し付けても絶対に動かないタイプなのです。だから、少し粗食っぽいご飯を作ってくれた時などには、ちょっと大げさに「おいしい、おいしい」と喜んでみせたりしていました。

佐々木さん:そうだったのか(笑)。

松尾さん:そうしているうちに、次第に彼も興味を持ち始めて、一緒に断食道場に行ってくれました。それで結局二人とも野菜中心の食事や粗食の良さを実感して、今はすっかり野菜中心の食生活になっています。今や彼の方が熱心になって、有機野菜や添加物の少ない調味料を選んで作ってくれるんですよ。

自分と相手の好みが合わなかったら、自分の好みを押し付けるのではなくて「私はこれが好き」と、発信し続けるのが大切かなと思います。

(左)佐々木俊尚さん (右)松尾たいこさん

人間は多面体。すべての面が夫婦間でぴったり合わなくても良い

—お二人はとても仲が良さそうに見えますが、ケンカはしますか?

松尾さん:ケンカはするけれど、彼の方が頭が良いし弁が立つから絶対に負けちゃいます。だから、ケンカになりそうなときには黙って違う部屋で過ごすことにして冷却期間を置きます。

佐々木さん:夫婦間では理屈で戦っても意味がないんですよね。議論で勝っても、相手が納得いっていなかったら夫婦間はうまくいかない。二人とも独立した大人なので、考え方が違うのは当たり前だし。

松尾さん:お互い機嫌が悪い時なども、別の部屋で過ごすようにしています。

佐々木さん:無理をしないのが一番だよね。

—『東京おとな日和』のなかで、お二人はたくさんおしゃべりをすると書かれていたのですが、愚痴などを聞いてもらうことはありますか?

松尾さん:彼は私に愚痴をまったく言わないです。私は元々は、パートナーに全部聞いてもらいたいタイプだったんです。でも、彼に愚痴などを言うと、あんまり楽しくなさそうで……。彼に私をずっと好きでいてもらいたいから、愚痴は友達などに聞いてもらうようになりました。それって、見た目をきちんとしておくのと同じこと。少しお化粧をした自分を見せておいた方が、ずっと好きでいてもらえると思っています。

佐々木俊尚さん

佐々木さん:人間は多面体のようなものだと思うんですよ。全部の面で夫婦が繋がろうとするのは無理だし、幻想ではないかと。だから夫婦間で全てまかなおうとすると無理が出るんじゃないかな。密室に閉じ込められている感じで

独立した大人同士なのだからプライベートがあるのは当たり前。もちろん家族は「絶対的なつながり」だけれど、それ以外にも色々なつながりをたくさん持つのが良いと思います。

松尾たいこさん

松尾さん:私たちは二人とも友達が多いので、それぞれが自分たちの人間関係を大切にしています。彼は今、Twitterアイコンがご縁で集まった人たちとよく出かけていますし、私が男友達と二人で出かけても、彼はまったく何も言わないんですよ。そうやっていろんな人と会いながら、でも彼が一番大切だと考えて生活しています。

—自立した大人同士のご夫婦のあり方、非常に勉強になりました。貴重なお話、どうもありがとうございました!

大人としてお互いのプライベートを尊重しながらも、松尾さんは佐々木さんに対して愛情と尊敬のこもった様子で接し、佐々木さんは松尾さんに対して守るべき愛おしい存在として接している様子が印象的なお二人でした。

 

<書籍情報>

松尾たいこさん、佐々木俊尚さんの生活がもっと知りたい方におススメ!

松尾たいこ『東京おとな日和』

幻冬舎 ¥ 1,365 (2013-5-10)

■詳しくはこちらから、紀伊國屋書店 KINOKUNIA WEB STORE
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784344023871

 

東京おとなの日和(幻冬舎)

取材協力=松尾たいこさん佐々木俊尚さん

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FelixSayaka

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