目黒雅叙園にて開催中「百段雛まつり~九州ひな紀行II~」 開催期間:2017年1月20日(金)~3月12日(日)
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目黒雅叙園にて開催中「百段雛まつり~九州ひな紀行II~」

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA)

目黒駅から歩いてわずかに数分、都心とは思えない閑静な場所に目黒雅叙園があります。
催し物会場はその園内。「百段階段」と言われ2009年に東京都の有形文化財に指定された目黒雅叙園に現存する唯一の木造建築の中。土地の起伏に合わせた建物の廊下が99段ありそこから百段階段と呼ばれ廊下の南側には7つの部屋があります。展示はその部屋の中で行われていました。各部屋には樹齢100年を超える床柱、そして天井や欄間には当代屈指の著名な作家達によって作り上げられた世界が展開されており今回の「雛まつり」の展示場として一層雅な雰囲気と幻想の空間を醸し出しています。

処で「雛まつり」や「お雛様」は私達にとって極く身近な存在ですが一体いつ頃から祭られていたのでしょう?

雛まつりの起源

その起源については諸説ありますが平安時代の中期(約1000年前)と言う説が多いようです。その頃の人達は三月の初めの巳の日に上巳(じょうし、じょうみ)の節句と言って無病息災を願うお祓いの行事をしていました。陰陽師(おんみょうじ、占い師)を呼んで天地の神に祈り、季節の食べ物を供え、人形(ひとがた)に自分の災厄を託して川や海に流す。一方その頃、上流階級の少女の間では“ひいな遊び”と言うのが行われていました。“ひいな”とは人形のことです。いわば“ままごと遊び”ですが長い年月の間にこうした行事と遊びが重なり合って今のような「雛まつり」となったようです。

イベントの背景と見どころ

今回の「雛まつり」イベントは8回目。過去7回の開催で延べ40万人の来場者を記録した都内最大級の雛人形展です。対象となる地域は九州。7県12地域より約1,000体のお雛様が参加しています。有力大名が多かった九州には各藩ゆかりのひな人形があり普段なかなか見ることが出来ません。雛人形の愛好者の方は無論、その他、日本文化を味わいたいあなたにもお薦めのイベントです。以下、見どころ1~4。

1.圧巻の800体の座敷雛!雛が見た日本の祭りを再現(漁樵の間)

福岡県飯塚市の伊藤伝右衛門(炭鉱王)邸では、20畳の座敷いっぱいに雛人形を飾る「座敷雛」が例年展示されているそうです。今回は百段階段の中でも最も煌びやかな座敷「漁樵の間」で”雛がみた日本の祭り“をテーマに800体の人形で再現しています。「京都祇園祭の山鉾行事」や「博多祇園山笠行事」を始め「青森ねぶた祭り」など日本全国の有数な祭りを「雛たち」が楽しむ様子を見ることができます。

驚いたことに小さな人形の一挙手一投足まで細かに作られていました。
日本文化を肌で感じることが出来る展示です。

2.特別展示!柳原白蓮と村岡花子の愛したお雛様(草丘の間)

柳原白蓮は大正時代を代表する歌人ですが明治、大正、昭和という激動の時代を逞しく生き抜いた開明的な女性でもあります。奇縁なことに筑豊の炭鉱王「伊藤伝右衛門」の元に嫁ぎながらその後自らの愛を貫き通しました。その白蓮が愛した“有職雛”と彼女の無二の親友、村岡花子(翻訳家,児童文学者)ゆかりの雛人形と雛道具が展示されています。

3.蓁姫(しんひめ)の古今雛と貴重な道具を一挙公開(清方の間)

寛政の改革で知られる松平定信の娘蓁姫が嫁いだ先は平安時代から続く長崎の名家、松浦家です。今回は輿入れの際に持参した、お雛様や雛道具、蓁姫が使用していた道具などを展示しています。当時の美術工芸の最高峰とも言われる精微な雛道具や実際の道具を間近に見る機会は中々ありません。

4.薩摩藩72万石の地に伝わる薩摩糸びな(星光の間)

今まで見てきたものは正に絢爛豪華なお雛様が多いのですがこれはまた、一味違ったお雛様。あの大藩「薩摩」の糸びな。江戸初期から作られ始めたという鹿児島の伝統工芸品です。子供が健康に育つようにとの願いを込めて,髪には強く丈夫な麻糸が使われています。体には一本の竹が使われ、顔がないのが特徴。素朴で愛らしいお雛様と言うことで目につきました。

以上、4つの座敷を中心に話をしてきましたがこれ以外にも沢山の見るべきものがあります。まだまだ時間がありますのでご自分の目で楽しまれては如何でしょう。

ーーBackstage from “ethica”ーー

取材をしながら頭に浮かんだ一冊の本がありました。確か「縮み志向の日本人」と言ったかと思いますが“何でも小さくすることが得意の日本人”の意味です。小さくてしっかりしているお雛様は正に日本人の真骨頂でしょうか??

ペンネーム:T.J

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

ethia編集部

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