大津波の際に避難の目標を後世に伝え続ける NPO法人さくら並木ネットワークを支援
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大津波の際に避難の目標を後世に伝え続ける NPO法人さくら並木ネットワークを支援

Graphic=Mamiko Shimizu ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

東日本大震災から6年が過ぎました。今なお被災地には多くの課題が残されており、被災者の方々が様々な問題に直面している一方、震災の風化を懸念する声も上がってきています。そんな中、津波の到達地点に桜を植樹し、震災の記憶を桜並木として残そうという取り組みが行われています。この活動に株式会社アデランスが協力しました。

実際に現地に訪れ植樹するアデランス社員たち

植樹する桜の木は石碑に代わる避難時の目標として機能。

不要になったウィッグの回収で植樹活動

アデランスでは、2009年から「フォンテーヌ緑の森キャンペーン」という環境キャンペーンを実施しています。使われなくなったウィッグを回収し、回収に協力した顧客の売上の一部を植樹活動にあてるというものです。2016年度までに、山梨県の「フォンテーヌの森」に累計1,259本の苗木を植えました。

ウィッグの回収は、消費者にとっても、地球環境にとってもメリットがあります。まず消費者は、アデランスの各店舗に要らなくなったウィッグを持ち込むことで、次回購入時に使用できる割引クーポンと引き替えることができます。そして地球環境にとっては、同社が自主回収したウィッグを適正に処理することで、人工毛髪に含まれる成分からのC02の発生を抑えることができます。そして、この回収事業の成果が、森の緑として、目に見えるかたちで拡がっていくわけです。

個人がウィッグを処分するには、何かと気を遣う場面も多いと思います。消費者は安心して不要品を処分でき、次回購入時にはクーポンで割引が適用されて一石二鳥。結果として、とても気軽にエコな活動に参加できるのです。アデランスとしては顧客に対するアフターケアの側面もあり、とても理にかなった環境保護活動と言えます。

不要になったウィッグの回収で植樹活動

社会に対する貢献と企業の成長が両立する、共通の価値を生み出していくこと

この「フォンテーヌ緑の森キャンペーン」の取り組みは、英国のCSR研究者のS・ワグナーさん(レスター大学教授)にも「社会貢献と売上というアクションをうまく組み込んだもので、継続性を併せ持ったとてもユニークな活動である」と評価されているとのこと。

アデランスでは他にも、病気などで頭髪を失った子供たちへウィッグを届ける「愛のチャリティキャンペーン」なども行なっており(参照:あの人気女優さんも参加している、髪の毛を切るだけでできる社会貢献「ヘアードネーション」って?)、「事業と一体化した戦略的CSR」を展開しています。近年では、従来のCSR(企業の社会的責任)の次のステップとして、社会的課題の解決と企業活動の促進を同時に実現するCSV(共通価値の創造)が注目されていますが、「フォンテーヌ緑の森キャンペーン」は、まさに社会貢献と企業成長が両立した取り組みと言えるでしょう。

アデランス グローバルCSR広報室 玉橋美咲さん

被災地に桜を 先人の知恵に学んだ鎮魂と伝承

2016年、アデランスの植林キャンペーンは、山梨県から日本全国へと規模を拡充。その第一弾が「NPO法人さくら並木ネットワーク」の活動支援です。さくら並木ネットワークでは、東日本大震災の津波の到達地点に桜の木を植樹し、この震災を後世に伝えていく活動を行っています。

過去にもたびたび津波の被害を受けてきた東北地方では、大津波の到達地点に被害状況や教訓を刻んだ石碑を建てていました。2011年の震災時、この石碑が避難時の目標として機能し、大きな被害を出さずに済んだ地域があります。しかし多くの石碑は苔生し草に埋もれ、忘れ去られていました。さくら並木ネットワークが植樹する桜の木は、これらの石碑に代わるものです。

大津波の到達地点に被害状況や教訓を刻んだ石碑

植樹する桜の木は石碑に代わる避難時の目標として機能。

名前は「小浜さくら」地域住民と成長を見守る

2017年4月2日、宮城県石巻市にて、さくら並木ネットワーク、アデランス、そして地元住民の方々の手により、桜の木(エゾヒガシの成木1本、神代曙桜の苗木12本)の植樹会が行われました。場所は、鮫浦湾を見下ろす大谷川地区高台移転地の住宅地の目の前にある共同公園。桜の脇には「小浜さくら」という愛称を刻んだ石柱も建てました。

桜は樹齢100年を超えるものもあり、特に今回植樹した2種の桜は病気に強く、苗木は3年ほどで淡いピンクの花をつけるとのこと。アデランスでは、今後地域の方々とともに、この桜の成長を見守っていきます。

規模を拡充したアデランスの植樹活動「さくら並木ネットワーク」も継続的に支援

桜の花が、被災地の人々の心を慰めるとともに、次の世代に震災の被害と教訓を伝えていく……。この桜の植樹活動をアデランスのような大きな企業が支援することで、より多くの人が、そこに参画することになります。

「小浜さくら」がそこに植えられた意味を、そこに暮らす人々だけでない、大勢の人が知り、語り継いでいくことは重要なことだと思います。この記事を読まれた方は、ぜひこの桜の話を、家族やご友人に教えてあげてください。いつか、この高台の桜並木の下で、たくさんの人がお花見できる日が来たとき、誰もが震災のことを忘れていないように。

アデランスでは、植樹活動の規模を全国へ展開していくとともに、今後もさくら並木ネットワークの活動を継続的に支援してくそうです。今回植樹した桜の開花を皆様にお伝えできる日を、私たちも楽しみにしています。

「地元住民の方々」「さくら並木ネットワーク」「アデランス」共に現地で汗を流す。

植樹に参加されたアデランス グローバルCSR広報室 玉橋美咲さんのコメント

住民の方は、「震災後の気持ちが晴れない中、桜の木だけが凛々しく満開の花をさせたことに、ひとときの癒しの時間を与えられ、心が救われた」と話されており、花の持つ力を感じることができました。

ーーBackstage from “ethica”ーー

日本人にとって桜の花は、やはり特別です。その年、どこで誰と桜を見たか。年度の替わり目ということもあり、毎春、自分の人生の大切な記憶の中に、様々な場所の桜の姿が刻み込まれていきます。この記事を書きながら、来年は東北地方に桜を見に行きたいと思いました。

記者:松崎 未來

東京藝術大学美術学部芸術学科卒。同大学で学芸員資格を取得。アダチ伝統木版技術保存財団で学芸員を経験。2011年より書評紙『図書新聞』月刊誌『美術手帖』(美術出版社)などのライティングを担当。2017月3月にethicaのライター公募に応募し、書類選考・面接を経て本採用となり、同年4月よりethica編集部のライターとして活動を開始。関心分野は、近世以降の日本美術と出版・印刷文化。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

松崎 未來

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