「SDGs」を共通言語に、地方と企業にできること 【東京サスティナブル会議2017】レポート(後編)
独自記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
「SDGs」を共通言語に、地方と企業にできること

(左)日経ビジネス発行人 高柳正盛氏  (右)衆議院議員 前・内閣府特命担当大臣(地方創生担当)石破茂氏

恐ろしいほどのスピードで進む日本の少子高齢化。そして「地方消滅(著者:増田寛也)」というショッキングなタイトルの書籍がベストセラーになる現代。人口、エネルギー、食糧などの問題を政府と民間企業の取り組みで“持続的に”改善することができるのか?待ったなしのサスティナブルプロジェクトについて、今回は、主催者である日経ビジネスの発行人・高柳氏と、基調講演を行った衆議院議員・石破氏が語った内容の一部をお届けします。

『サスティナブルな社会と経営をともに考える』
日経ビジネス発行人 高柳正盛氏

登壇者:日経ビジネス発行人 高柳正盛氏

会議の開始に先がけて、日経ビジネス発行人である高柳正盛氏から主催者挨拶がありました。ここでは、社会と経営をともに考える重要性について、同社が発信しているメッセージをご紹介します。

2015年11月30日からフランス・パリで開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で、2020年以降の温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」が採択されました。この歴史的な決定により、今世紀後半には人間の活動による温室効果ガスの排出を実質的にゼロにしていくという目標が掲げられ、その目標に向けて全世界が取り組むこととなりました。

日経ビジネス発行人 高柳正盛氏 「会議に先がけてのご挨拶でしたが、経営者の参加が多いこともあり、皆熱心に聞き入っていました」

社会全体が資源の蕩尽からサスティナブルへと大きく方向性を変えるなか、投資の世界でもESG(環境、社会、ガバナンス)に配慮する企業にこそ投資すべきという考え方が主流になりつつあります。もはや環境に配慮し、社会の課題解決に貢献する企業でなければ、経営を持続させることはできないと言っても過言ではありません。

この新しい価値観を経営に取り込みながら、社会と共に発展を続けていくために、何をすべきなのか。

志の高い企業の皆様とともに、持続可能な経営と社会のあり方を考えていきます。

石破大臣による基調講演
『地方創生、企業にできること』

登壇者:衆議院議員 前・内閣府特命担当大臣(地方創生担当)石破茂氏

石破大臣の講演は、日本の人口減少に関するデータを分析した話から始まりました。そのなかでも、今のスピードで人口が減り続ければ、200年後には日本人は1/10の数に減るという予測は想像以上の衝撃でした。原因はご承知の通り、出生率の低下。今は2020年に開催されるオリンピックに向けて盛り上がりを見せる日本ですが、この年には日本女性の2人に1人は50歳以上だそうです。

衆議院議員 前:内閣府特命担当大臣(地方創生担当)石破茂氏 「適齢期の男女が結婚しない(できない)背景や、出生率低下の原因についても分析・言及されました」

さらに、歴史好きという石破大臣の愛読書「未来の年表(著者:河合雅司)」による予測も紹介。2026年には認知症患者が700万人を超え、老々介護ならぬ認々介護が一般的に。2027年には輸血用血液が不足し、2033年には3軒に1軒が空き家となり、2040年には自治体の半数が消滅。さらに2042年には高齢者人口がピークをむかえ火葬場不足も問題に。

衆議院議員 前・内閣府特命担当大臣(地方創生担当)石破茂氏 「日本の深刻な状況を話されていますが、ときおり混ぜるウィットが効いたコメントでは笑い声もあがっていました」

いっぽうで、世界の人口は増え続け、2050年頃には100億人に迫る勢いだそう。そうなった際に一番問題になるのが食糧不足です。自給率の下がった日本が、国民を養えない時代がやってくる可能性があるのです。

「必ずやってくる未来だから、いま考える」。

かつての高度成長期は公共事業により地方が潤っていましたが、人口が増えている時代の政策は現代には通用しません。今の時代や世界情勢に合わせた施策が必要です。石破大臣いわく、「日本ほど農業・林業に向いている国はない」。水・土壌・気候に恵まれている国だから、まだまだ伸びしろはある。では、どうやって農業従事人口を増やし、世界をマーケットにして経済を活性化させるか。たとえば株式会社が農地を持って管理運営するなど、そういった発想や知恵が大事になってきます。

ほかにも、日本には伝統工芸、美しい自然と四季、温泉、日本酒、おいしい食べ物が豊富です。「どこの地方に行っても、どんなに田舎でも、必ず魅力がある。それは霞が関や永田町では見つけられないことです」と石破大臣。そして講演の最後に、こう語りかけました。

「いつの時代も国を変えるのは地方と権力を持たない人たちでした。東京は地方のために何ができるのかを考え、民間(企業)とともに、新しい日本を創り直さないといけないのです」。

石破氏の数々の著書やブログなどからも、サスティナブルな社会へのヒントが得られます

ーーBackstage from “ethica”ーー

ESG、SDGsへの取り組み姿勢がビジネスに影響する時代。地球環境や人権に配慮せず、どんどんモノを作って儲けることを良しとする感覚は、通用しなくなっています。いかに環境を守りながら、豊かな暮らしを持続するか。次の世代のために、いま真剣に考えなくてはならないことです。

記者 小田 亮子

神奈川県出身。求人広告、結婚情報誌などの制作ディレクターを経てフリーランスに。現在おもにブライダル関連のレポートを「ゼクシィ」「ゼクシィPremier」にてディレクション。「ethica(エシカ)~私によくて、世界にイイ。~ 」ほか、エステティック、化粧品、ジュエリーなどの記事をライティング。三人姉妹の真ん中に育ち、女子高・女子大卒。趣味は愛猫(雌)との女子会。

【前編】ピコ太郎さんも起用された「SDGs」サスティナブルプロジェクト

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

小田 亮子

このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
[連載企画]人を癒す希望の火を灯す(第2話)キャンドル・ジュンさん
独自記事 【 2021/3/15 】 Art & Culture
(第1話)に続き、今回の副編集長対談はキャンドルアーティストCANDLE JUNE(キャンドル・ジュン)さんとオンラインで行いました。 キャンドル・ジュンさんは、1994年よりキャンドル制作を始め、2001年より平和活動『Candle Odyssey』を開始。紛争地や被災地を巡り、キャンドルに火を灯す活動を行っています...
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【Prologue】
独自記事 【 2021/3/1 】 Health & Beauty
20年以上、トップモデルとして活躍。究極の美の世界で生きてきた冨永愛さん。ランウェイを歩くその一瞬のために、美を磨き続けてきた。それは、外見だけではない。生き方、生き様をも投影する内側からの輝きがなければ、人々を魅了することはできない。「美しい人」冨永愛さんが語る、「“私(美容・健康)に良くて、世界(環境・社会)にイイ...
女優ののんさんがSDGsを広めるためのキャラクターを発表!
独自記事 【 2020/11/9 】 Art & Culture
朝日新聞社は10月11日(日)~15日(木)に、民主主義や気候変動、SDGsなどコロナ禍で浮上した問題や世界の変化について話し合う「朝日地球会議2020」をオンラインで開催しました。「SDGsしないのん?」と題したセッションには、人気女優ののんさんや国連広報センター所長の根本かおるさん、ニュースサイト「withnews...
水原希子×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/12/7 】 Fashion
ファッションモデル、女優、さらには自らが立ち上げたブランド「OK」のデザイナーとさまざまなシーンで大活躍している水原希子さん。インスタグラムで国内上位のフォロワー数を誇る、女性にとって憧れの存在であるとともに、その動向から目が離せない存在でもあります。今回はその水原さんに「ethica」編集長・大谷賢太郎がインタビュー...
【ethica-Tips】私によくて、世界にイイ。サステナブルなチョコレート3選
独自記事 【 2020/10/26 】 Food
チョコが恋しくなる季節。温かな飲み物と一緒に口に含むと、とろ〜り美味しさが溶け出します。常温で置いておいても溶けにくい秋冬は、まさにチョコの旬。 というわけで今回は、サステナブルなチョコレートのお話。買うことで生産者の暮らしとつながるフェアトレードなアイテムや森林保護の視点から生まれたエシカルなチョコなど3種類をご紹介...
ワールド主催「246st.MARKET」イベントレポート 4人の環境アクティビストをethicaが独占インタビュー
独自記事 【 2020/10/26 】 Home
ワールド北青山ビル1階で10/14〜10/18に行われたポップアップイベント『246st.MARKET』(ニイヨンロクストリートマーケット)。“GOOD FOR FUTURE”をコンセプトに、クリエーターたちとともに未来を創造するプロジェクトです。3回目を迎えた今回は「サーキュレーション・ライフスタイル」をテーマに、サ...
【ethica副編集長対談】RICCI EVERYDAY 仲本千津さん(前編)
独自記事 【 2021/2/15 】 Fashion
今回の副編集長対談はウガンダ発のファッションブランド「RICCI EVERYDAY(リッチーエブリデイ)」創業者の仲本千津さんを訪ねました。 「RICCI EVERYDAY」は、豊富なバリエーションのアフリカンプリントの中でも、ひときわカラフルでプレイフルな生地を使用し、デザイン性のみならず機能性も兼ね備えたバッグ...
【ethica編集長対談】「ECOALF」創業者 ハビエル・ゴジェネーチェ氏
独自記事 【 2019/12/23 】 Fashion
スペインのファッションブランド「ECOALF」の日本第1号店が2020年3月、東京・神宮前にオープンすることになり、先日、都内でその発表会が行われました。 「ECOALF」は世界中で脱プラスチックの動きが広がる中、環境を守りながらペットボトルや漁業用の網などといった海洋プラスチックごみを再生して作った機能的な衣類や靴、...
ファッションデザイナー石川俊介さん『背景が見えにくいファッション産業への疑問』
独自記事 【 2019/12/16 】 Fashion
エシカルなコーヒーの調達率 99 % を達成したことにちなみ、9月9日に全国のスターバックス店舗で2015年から行われている「99 キャンペーン」。特に、同キャンペーンが初めて実施された、中目黒の「スターバックス リザーブ®️ロースタリー 東京」では、バリスタによるコーヒーの生産過程についてのマイクパフォーマンスが行わ...
SDGsは「自分の暮らしの中」で向き合う。
sponsored 【 2019/11/25 】 Home
気候変動やグローバル化で深刻化する問題に対応するため、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)。貧困や格差の解消、地球環境の保全などをめざし、全ての国連加盟国が2030年までに取り組む行動計画だ。企業は単なる社会貢献ではなく、本業を通じた活動が求められている。ボルネオ島の生物多様性保全やアフリカ・...
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【chapter1-1】
独自記事 【 2021/3/29 】 Health & Beauty
ファッションデザイナーが描く世界を表現するモデルは、まさに時代を映し出す美の象徴だ。冨永愛さんは移り変わりの激しいファッション界で、20年以上にわたり唯一無二の存在感を放ち続ける。年齢とともに磨きがかかる美しさの理由、それは、日々のたゆまぬ努力。  美しいひとが語る「モデル」とは?
モデルのマリエが「好きなことを仕事にする」まで 【編集長対談・前編】
独自記事 【 2018/12/24 】 Fashion
昨年6月、自身のファッションブランドを起ち上げたモデル・タレントのマリエさん。新ブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ、以下PMD)」のプレゼンテーションでは、環境に配慮し無駄を省いた、長く愛用できるプロダクトを提案していくと語りました。そして今年9月、ファッションとデザインの合同...
「エシカルファッションってなに?」 ピープルツリーの場合
独自記事 【 2019/9/20 】 Fashion
日本とイギリスで展開するフェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」。人にも地球にも良いライフスタイルを提唱するエシカルファッションのパイオニアともいえるその活動は、ethica編集部でも創刊以来、大先輩としてその歩みに倣って参りました。 エシカルな気づきをテーマに情報発信を続けてきた私たちethicaは今年6周年を迎...
美しき理系アーティスト、スプツニ子!さんに伺いました!(前編)「質の高い教育をみんなに」
独自記事 【 2019/9/28 】 Art & Culture
9月22日(日)〜29日(日)のSDGs週間(*)にフェイスブック ジャパンが開催している「Facebook Fundraisers for SDGs」で、「質の高い教育をみんなに(SDGsの目標4)」を達成するため、アメリカのNPO団体「Girls Who Code」への募金キャンペーンを立ち上げたスプツニ子!さんに...
国木田彩良−It can be changed. 未来は変えられる【Prologue】
独自記事 【 2020/4/6 】 Fashion
匂い立つような気品と、どこか物憂げな表情……。近年ファッション誌を中心に、さまざまなメディアで多くの人を魅了しているクールビューティー、モデルの国木田彩良(くにきだ・さいら)さん。グラビアの中では一種近寄りがたい雰囲気を醸し出す彼女ですが、実際にお会いしてお話すると、とても気さくで、胸の内に熱いパッションを秘めた方だと...
The Breakthrough Company GO クリエイティブディレクター 砥川直大さん(前編)
独自記事 【 2020/4/20 】 Fashion
世界中で脱プラスチックの動きが広がる中、ペットボトルや魚網などの海洋プラスチックごみを再生して作った衣類や靴、かばんなどを次々に発表。現在ヨーロッパを中心に大きな注目を集めているスペイン生まれのファッションブランドが「ECOALF」です。この3月、日本第1号店が東京・渋谷にオープンしましたが、開店にあたり「地球の資源を...
蜷川実花×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/7/13 】 Art & Culture
渋谷パルコのPARCO MUSEUM TOKYOで新作個展「東京 TOKYO/MIKA NINAGAWA」を開催した写真家で映画監督の蜷川実花さん。蜷川さんの新作写真集「東京 TOKYO」の刊行を記念して行われたもので、会場には「東京に生まれ育ち、この街しか住んだことがない」という蜷川さんが「大事なものすぎてなんだか手...

次の記事

ピコ太郎さんも起用された「SDGs」サスティナブルプロジェクト 【東京サスティナブル会議2017】レポート(前編)
「茶ッカソン」の仕掛人に聞く 日本茶が生んだコミュニケーションとアイディア 【編集長対談】 伊藤園・角野賢一さん(前編)

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます