レゴ®ブロックが中高生たちの言葉を引き出す「ソフトバンクみらい会議」 【編集長鼎談】 ソフトバンク・向井誠さん、こども国連・井澤友郭さん
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レゴ®ブロックが中高生たちの言葉を引き出す「ソフトバンクみらい会議」

ソフトバンク・向井誠さん、こども国連・井澤友郭さん ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

2017年8月の3日間、ソフトバンク本社(東京都港区)にて、中高生を対象に、より良い生活を実現する未来の商品を考えるワークショップ「ソフトバンクみらい会議」が開催されました。ソフトバンク株式会社、こども国連環境会議推進協会の共同主催による同ワークショップの内容は、ソフトバンクグループが開発した「Pepper」に代表されるロボットや、VR、ARといった最先端技術についての講義、そしてレゴ®ブロックを使用したグループワークといったもの。大人も気になるこの「みらい会議」について、ethica編集長が、ソフトバンク、こども国連それぞれのご担当者にお話をうかがいました。

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ユーザーの声を、もう一歩深掘りしたい

【ethica編集長】大谷: 本日はよろしくお願いします。

向井、井澤: よろしくお願いします。

大谷: こども国連さんの取材は、実は今回が初めてではないんですよね。2年ほど前に、キリンさんの本社で、「午後の紅茶」の茶葉の生産地を実例に、中高生たちとフェアトレードについて勉強したのが印象的でした。

井澤【こども国連事務局長】 : はい、あのワークショップでは、レインフォレスト・アライアンスとも連携し、参加者に「持続可能な農園づくり」について学んでもらいました。

ethica(エシカ)2015年1月15日版

こども国連環境会議、中高生向けワークショップ「キリン・スクール・チャレンジ」を開催

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 大谷: 今回は、レゴ®ブロックを使用したワークショップという点を興味深く思いまして、ぜひ取材したいと思ったのですが、ソフトバンクさんがこども国連さんと一緒にワークショップを開催しようと思った動機と言いますか、レゴ®を用いた中高生向けのワークショップに、どのような狙いがあったのでしょうか?

向井【ソフトバンク プロダクト本部】 : 私は商品戦略部という将来のプロダクトの方向性を検討する部署に所属しているのですが、われわれはスマホに限らず、新しい商品をつくっていくために、まず顧客理解を重要視しています。アンケートを取ったり、調査会社を使えば、もちろん数値では出てくるんですが、ユーザーの本当の思い、生の声を聞く場が欲しいと常々思っておりまして。

ソフトバンク株式会社 コンシューマ事業統括 プロダクト&マーケティング統括 プロダクト本部 戦略・企画統括部 商品戦略部 商品戦略2課 課長 ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

大谷: グループ・インタビューなども、かなりやっておられるんでしょうね。

向井: はい。ワークショップも色んなやり方を考えているんですが、ちょうどそんな折に井澤さんとのパイプが出来て、昨年、こども国連さんのワークショップに参加してみたところ、そこで出てきた中高生の悩みというのが、われわれにとっても新たな気付きにつながりました。

たとえば、「この中からあなたがいま悩んでいるものを選んで下さい」というようなアンケートを取って、「勉強のことで悩んでいる」という回答が何パーセントあったという結果が出ても、その悩みのもう一歩深掘りしたところまでは、データとして出てこないですよね。そこで、そういう部分をもっと掘り下げてみたいと、井澤さんにご相談したんです。

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大谷: アンケートの項目として用意されている回答より、もうちょっと深層心理に近い、なぜ勉強で困っているのか、という手前のところを掘れる場所が必要だったということですよね。しかも本人と対面で。

向井: 井澤さんと話をさせていただいた際に、ここにあるレゴ®のような、一見しただけだとわかりにくいものを使ってコミュニケーションをとる方法が良いんじゃないか、ということになりました。そうすることで、問題への意識が、より深まってくるんじゃないかと。

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自分の中で言語化できていない部分に気付く「レゴ®シリアスプレイ®」

大谷: 僕自身、子供の頃、すごくレゴ®が好きで(笑)。

井澤: 僕も好きでした(笑)。

大谷: 今でも、こういったものづくりの仕事をしてますけど、何かしらつながっている部分はあるかも知れないと思うんです。井澤さんがワークショップにレゴ®を取り入れようと思ったきっかけというのはあるのでしょうか? どこかで体験されたとか、本を読まれたとか。

井澤: もともと「レゴ®シリアスプレイ®」というメソッドがありまして、私が今やっているレゴ®を使ったワークショップは、それを応用したものです。「レゴ®シリアスプレイ®」のファシリテーターの資格を持っている友人のワークショップに参加して「これは本当に可能性があるな」と実感し、自分でもファシリテーターの研修を受けて、昨年5月に資格を取りました。

こども国連環境会議推進協会 事務局長 ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

井澤:私は、ほぼ週一、二回のペースで、あちこちでワークショップを開催していますが、「レゴ®シリアスプレイ®」のファシリテーターの資格を取ってからは、かなりレゴ®を取り入れている確率が高くなっています。「振り返りをしましょう」とか「あなたは何を思っているんですか」と言ったときに、ポストイットやワークシート、あるいはディスカッションという言語化で、いきなり書かせたり語らせたりすると、中高生でも社会人でも、参加者は他者の評価を気にしてしまうんですよね。

大谷: たしかに、紙に書いていると、テストを受けているような気持ちになっちゃうところがありますよね。

井澤: はい。書けと言われた瞬間に、あやふやなことが書けなくなるんです。自分がもう確定している気付きとか、わかっていること、自信を持って言えることしか、人間って書けないんです。

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大谷: 逆に言うと、文字にできることしか書けない、ということですね。

井澤: そうなんです。やっぱり一番気付きがある、悩みがあるところっていうのは、まだ言語化できていない部分であって、そこをどうリーチすれば良いかというのを僕自身もずっと悩んでいたんです。その打開策のひとつとして、レゴ®に出会いました。

大谷: 興味深いお話ですね。レゴ®を用いたワークショップの特性について、さらに詳しくうかがっていきたいと思います。(後編レポート記事に続く

【レゴ®の思考術】中高生の”大切なもの”とは? レゴ®ブロックで表現したらこうなった。

聞き手:ethica編集長 大谷賢太郎

あらゆる業種の大手企業に対するマーケティングやデジタルの相談業務を数多く経験後、2012年12月に『一見さんお断り』をモットーとする、クリエイティブ・エージェンシー「株式会社トランスメディア」を創業。2013年9月に投資育成事業として、webマガジン「ethica(エシカ)」をグランドオープン。2017年1月に業務拡大に伴いデジタル・エージェンシー「株式会社トランスメディア・デジタル」を創業。2023年までに、5つの強みを持った会社運営と、その5人の社長をハンズオンする事を目標に日々奮闘中。

向井誠 / ソフトバンク株式会社 コンシューマ事業統括 プロダクト&マーケティング統括 プロダクト本部 戦略・企画統括部 商品戦略部 商品戦略2課 課長

1982年生まれ、大阪府出身。2006年、豊橋技術科学大学大学院修了。中堅IT企業勤務の後、2008年にソフトバンク株式会社へ入社。自社サービスのスマホアプリ開発、Pepper開発プロジェクト参加などを経て、現在はコンシューマ向けの商品戦略立案を担当。最先端技術や生活者のニーズ・トレンドをキャッチし、ソフトバンクの商品のあるべき姿を示す。プライベートでは二児の父として全力で育児中。

井澤友郭 / こども国連環境会議推進協会 事務局長

1974年生まれ。東京都渋谷区在住。7歳・娘と3歳・息子の父。2003年から「正解のない課題」に探求的に挑戦し続ける人材の育成を目的とした、オルタナティブな教育プログラムを開発。企業や研究機関と連携したプログラムを年間150回ほど開催し、延べ1万2千人以上の学生や社会人にファシリテーターとして指導してきた。そのプログラムは、デザイン思考やナラティブ・アプローチ、経験学習など、さまざまなメソッドを取り入れており、主体的な人材を育てるためのプレイフルな学びの場として定評がある。社団法人 公共ネットワーク機構 理事、大阪大学 工学部 大学院 招聘研究員、ワークショップ デザイナー、LEGOⓇSERIOUS PLAYⓇ公認ファシリテーター。

領域:人材開発、21世紀型能力開発、国連・持続可能な開発目標(SDGs)、ビジョン形成、理念浸透、危機管理

記者:松崎 未來

東京藝術大学美術学部芸術学科卒。同大学で学芸員資格を取得。アダチ伝統木版技術保存財団で学芸員を経験。2011年より書評紙『図書新聞』月刊誌『美術手帖』(美術出版社)などのライティングを担当。2017月3月にethicaのライター公募に応募し、書類選考・面接を経て本採用となり、同年4月よりethica編集部のライターとして活動を開始。関心分野は、近世以降の日本美術と出版・印刷文化。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

松崎 未來

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