1万年前の日本のものづくりから受けた衝撃【土偶女子・譽田亜紀子さん 徹底取材①】
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1万年前の日本のものづくりから受けた衝撃【土偶女子・譽田亜紀子さん 徹底取材①】

縄文時代に関する本を多数出版し、「土偶女子」と呼ばれる文筆家の譽田亜紀子さん。

現在、上野の東京国立博物館にて「縄文—1万年の美の鼓動」展が開催されています。縄文時代の国宝6件すべてが初めて一堂に揃った同展は、先日、来場者20万人を突破。かつて岡本太郎が絶賛した躍動感あふれる縄文の造形表現は、最近では若い女性たちを魅了しているようです。

「土偶女子」として、縄文時代の魅力を様々な形で発信し続けている文筆家の譽田亜紀子(こんだあきこ)さんを、ethica編集部が取材しました。

【土偶女子・徹底取材企画】として全6回でお送りしていきます。

【徹底取材②】子供も外国人も、誰もが楽しめる縄文

今夏の縄文ブームでテレビにイベントに引っ張りだこの譽田さん。ハードスケジュールの合間を縫って、取材に応じてくださいました。

「土偶女子」の誕生

ethica編集部:  譽田さんは、いつ頃から「土偶女子」として活動されているんですか?

 譽田さん: 最初の主著である『はじめての土偶』(世界文化社)を出版したとき(2014年)、本のPRで「土偶女子」と名付けられたんです(笑)。それまで考古学の分野って、ほぼ中高年の男性の興味対象だったんですよね。土偶に関する本も専門書ばかりで、誰もが身近に手に取れる一般書はなかなかなかったので、「女子」という点が重要だったんですよね(笑)。

 ethica編集部: 土偶の魅力に目覚めたのは、観音寺本馬遺跡(奈良県橿原市)の土偶との出会いがきっかけだったとうかがっています。

譽田さん: 『奈良で「デザイン」を考えてみました。』という本の編集に携わっていたときに、取材で訪れた博物館の入口で、この土偶が私を迎えてくれたんです。その前年だったか、前々年に発掘されていて、たまたま私が行ったときに展示されていたんです。多くの方にとって土偶のイメージって、あの「遮光器土偶」だと思うんですが、同時代に全く異なる造形の土偶が存在することに衝撃を受けました。そこから土偶や縄文時代について自分で調べるようになって。

私たちは、アーティスティックなものやクリエイティブなものを、すぐに海外に求めてしまいがちなんですが、実は1万年前に、同じ日本列島に暮らした人々はこんなにも豊かな造形感覚を持っていたんです。そのDNAを受け継いでいる私たちが、これを知らないって、人生損してるんじゃないかと思ったんです。この自分の驚きを、もっと多くの人と共有したいと思いました。

譽田亜紀子『はじめての土偶』(世界文化社)。この本の出版によって「土偶女子」が誕生することに。

観音寺本馬遺跡出土の土偶との出会いが人生の大きなターニングポイントに。「私の恩人って呼んでるんです」

ethica編集部: それで、本を出そうと決意されたんですね?

譽田さん: いろんな出版社に企画を持ち込んで、最初の本を出すまでに、5年かかりましたけど……それ以降は、版元さん側からお声がけいただけるようになったんです。興味深いことに、担当の編集者さんは全員、20代、30代の若い女性でした。私自身、縄文という時代は、女性との親和性が高いものなんだと思っています。

 ethica編集部: そうして譽田さんの本などをきっかけに、この数年で「縄文」が段々と注目されていったのですね。

(続く)

【徹底取材②】子供も外国人も、誰もが楽しめる縄文

【展覧会情報】

特別展「縄文—1万年の美の鼓動」

会期:2018年7月3日(火)〜9月2日(日)
休館日:月曜日
時間:9:30〜17:00
金曜・土曜日は21:00まで。日曜日は18:00まで。入館は閉館の30分前まで
会場:東京国立博物館 平成館(東京都台東区上野公園13-9)
公式サイト:http://jomon-kodo.jp

譽田亜紀子(こんだあきこ)

文筆家。岐阜県生まれ。京都女子大学卒業。奈良県橿原市の観音寺本馬遺跡の土偶との出会いをきっかけに、各地の博物館、遺跡を訪ね歩き、土偶、そして縄文時代の研究を重ねている。現在は、テレビ、ラジオ、トークイベントなどを通して、土偶や縄文時代の魅力を発信する活動も行っている。著書に『はじめての土偶』(2014年)、『にっぽん全国土偶手帖』(2015年、ともに世界文化社)『ときめく縄文図鑑』(2016年、山と溪谷社)『土偶のリアル』(2017年、山川出版社)『知られざる縄文ライフ』(2017年、誠文堂新光社)『土偶界へようこそ』(2017年、山川出版社)。近著に『縄文のヒミツ』(2018年、小学館)『折る土偶ちゃん』(2018年、朝日出版社)がある。『中日新聞』『東京新聞』毎週水曜日夕刊にコラム「かわいい古代」連載中。

【イベント情報】

〜「縄文展」が100倍おもしろくなる! 譽田亜紀子さんトーク〜『縄文ナイトin千駄木』@往来堂書店

日 時:2018年8月24日(金)19:30~21:00
会 場:往来堂書店(〒113-0022 東京都文京区千駄木2-47-11
定 員:20名
会 費:1,500円/1drink付(税込)
イベント詳細→ http://www.ohraido.com/archives/7563

記者:松崎 未來

東京藝術大学美術学部芸術学科卒。同大学で学芸員資格を取得。アダチ伝統木版技術保存財団で学芸員を経験。2011年より書評紙『図書新聞』月刊誌『美術手帖』(美術出版社)などのライティングを担当。2017月3月にethicaのライター公募に応募し、書類選考・面接を経て本採用となり、同年4月よりethica編集部のライターとして活動を開始。関心分野は、近世以降の日本美術と出版・印刷文化。

ーーBackstage from “ethica”ーー

2年前、「ethica」編集長がFM大阪の「LOVE FLAP」に出演させて頂いたときも、1万年続いた縄文時代の「サステナビリティ」について話題が及びました。この数年で、縄文に対する世間の関心が段々と高まっているのを感じますが、譽田さんの著書は、その火付け役と言って過言でないと思います。全6回の連載、ぜひお楽しみください。

【徹底取材②】子供も外国人も、誰もが楽しめる縄文

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

松崎 未來

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