「私によくて、世界にイイ」が実現できる、エシカルな暮らし・食のカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に…日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。
でも日々の暮らし、一日三度のごはんを、少しでも”良い”ものにできたら?
当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。
「私によくて、世界にイイ」が実現できる、エシカルな暮らし・食のカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に…日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。
でも日々の暮らし、一日三度のごはんを、少しでも”良い”ものにできたら?
当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。
第4話では、食品添加物についてお話しました。
今回は、日々の食事で大切にしている「ハレとケ」のスタイルについてお伝えしたいと思います。
食に関心を持つようになってから、様々な食のあり方、考え方を生活に取り入れてきました。よく耳にするキーワードでいうと、マクロビオティックや自然食、ローフード、ヴィーガン、糖質制限食のスタイルなどなど。
この不調を改善したい!というときは、制限食はとても有効なこともあります。
一方でこうでなきゃと囚われてしまったり、日常に取り入れるには経済的・時間的な負担が大きかったり、体質やライフスタイルに合わなかったりとしっくりこないことも少なくありませんでした。
子育てと仕事がはじまると、ますますその余裕はなく、、
でも家族が食べるごはんは楽しく、大切なものにしたい。
そんな時に「ハレとケ」の考え方と出会いました。
日本人が古来より大切にしてきた、伝統的な世界観のひとつで、普段通りの日常を「ケ」の日、祭礼や年中行事など行う日を「ハレ」の日と表し、衣食住や振る舞い、言葉遣いなどを日常と非日常ではっきりと使い分けていました。
ケの日は朝起きたら仕事をして、食事はご飯、汁物、少しのおかずとお漬物などのシンプルな食事をして寝る、というほとんど毎日同じことの繰り返しです。
一方、ハレの日には赤飯や尾頭付きのお魚、お酒など日常では食べないようなご馳走をたくさん用意して皆で祝いました。(お正月や七五三、結婚式など)
質素堅実な「ケの日」、華やかで目にも心にも楽しい「ハレの日」。
そのメリハリある生活バランスによって、心身ともに健康を保っていたのかもしれません。
相反する二つの価値観を、けじめをつけて区別し使い分けることで、とても理にかなった持続可能な生き方をしていたのです。
しかし、近代化が進み、昔は特別な日に食べるものとされていたようなお肉、揚げ物、お砂糖をたっぷり使ったお菓子、お酒などが毎日の食卓に当たり前に上るようになりました。
パン、パスタ、洋菓子などに使用されている、精製された小麦粉や白砂糖、乳製品は戦後アメリカから大量に輸入され、一気に日本の食卓の西洋化が進みました。
長い年月、気候風土に適した食としてお米が中心の粗食を食べてきた日本人ですが、小麦、乳製品、お肉、油を中心とした食事は消化の負担が大きく、それらを過剰に摂ると、生活習慣病や冷え、便秘、アトピーなどといった様々な体の不調につながっていくことがわかっています。
例えば、小麦に含まれるグルテン、乳製品に含まれるカゼインは、免疫力や栄養吸収に関わる小腸を傷つけて、不調の元となる炎症を起こすことで知られています。
アレルギーの数値には現れにくく、よく寝てるはずなのにぼーっとする、生活習慣には気をつけているのに肌荒れが続いている、下痢や便秘を繰り返す、、などなんとなくの慢性的な不調があるなら、一定期間(2〜3週間ほど)控えてみることをおすすめします。
私自身も小麦、乳製品と油の質と量に気をつけるようになってからアトピーがかなり改善しました。
小麦、乳製品を控えてみてその症状が改善するようであれば、グルテンやカゼインの過敏症・不耐症である可能性が高いです。
(長くなりすぎてしまうので、小麦、乳製品、油、砂糖のことはまた改めてお話できればと思います…)
またよく言われていることですが、お肉をたくさん食べるライフスタイルは、穀物を飼料としてたくさん消費し、空気中に多量の窒素を放出することにつながり地球環境にとっても持続可能ではありません。
日本に昔からあるものを、昔から大切にされてきた形で食べることが、日本に住む私たちとっては自然なことで、理にかなっているのではないかと思います。
私たちの健康や地球環境は、毎日の食生活と密接に関わっています。
当たり前の毎日である「ケの日」をどう過ごすかで、それらが良い方にも悪い方にも向かうことにつながっていると言えるのではないでしょうか。
一汁一菜のスタイルは、ごはんを中心としてお味噌汁(汁物)とおかずをそれぞれ一つずつ合わせた食事のかたちです。
エネルギー源(炭水化物)となるごはん、お味噌汁にタンパク質や脂質を含む魚や大豆製品などとビタミン・ミネラルが豊富な野菜や海藻、きのこなどをたっぷり入れたら十分におかずを兼ねるものになります。お味噌と同様、発酵食品であるお漬物や納豆、梅干しなどを一緒に添えれば、しっかりとバランスの取れた食事となります。
毎日の献立に悩まなくても、これさえあれば大丈夫という基準が生活のなかにできたことで、私はとても楽になりました。
時間に余裕もできるので、平日も自分の趣味の時間を持ったり、子どもとゆったりとした気持ちで関われる時間が増えました。
何より、飽きないというのも重要です。(個人差はあるのかもしれませんが…)
パンも好きですが、毎日となると重たくなってきます。
毎日毎食食べても、あの一口目のじわ〜っと心身に広がるあたたかさを感じることが
できるのは、やっぱりごはんとお味噌汁なのです。。
とは言っても、いろいろ具を変えたり味を変えたりしながら、家族も美味しく食べられるよう工夫しています。
朝はほぼ変わらずごはん、味噌汁、お漬物ですが、昼や夜は炊き込みごはんや焼きめし、ときには麺類にしたりやカレーライスにしたり。
型を基本にアレンジは自由自在です◎
一方でお誕生日などのお祝い事の日、季節の行事の日などは
私や家族の好きなようにこだわって、時間も手間もかけてお料理することを楽しんでいます。
「ハレとケ」の考え方は、日本の食文化を見直しつつ、今の時代にもそれぞれの暮らしに合った形で応用できることが魅力だと私は感じます。
ざっと大まかな説明になってしまったので、、
下記に感銘を受けたオススメの本を紹介します。話題になった書籍なのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ機会があれば読んでみてください。
次回はわが家の「ハレとケのごはん」について具体的なところをお話しできればと思います。
土井善晴(2016)『一汁一菜でよいという提案』グラフィック社
料理研究家・土井善晴が、日本古来の「一汁一菜」を通して現代日本の食文化の見直しを提言する一冊。一汁一菜(ご飯+具沢山の味噌汁)の具体的な実践法を紹介しつつ、家庭料理の役割や食文化の変遷、自分で料理することの大切さなどを説いていきます。
季子(キコ)
京都在住の一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。
産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp
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