(第18話)「環境に優しいナチュラルクリーニングでおうちも気持ちもさっぱりと」キコの「暮らしの塩梅」
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(第18話)「環境に優しいナチュラルクリーニングでおうちも気持ちもさっぱりと」キコの「暮らしの塩梅」

「私によくて、世界にイイ」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に…日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。

でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?

当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。

第17話では、おうちで楽しめるハーブの栽培についてお伝えしました。

今回から次回に渡り、化学薬品を含む合成洗剤を使わないナチュラルクリーニングについてお話しします。

ナチュラルクリーニングのご紹介

ジメジメした梅雨の季節は、洗濯物の乾きが悪く生乾きの臭いが気になったり湿気がこもってカビがはえやすかったり…気圧や気温の変化も重なって、なんだか憂鬱な気分になりがちですよね。

そんな時こそおうちの中をキレイに掃除して、気持ちもすっきりと快適に過ごしたいものです。

今回お伝えするナチュラルクリーニングとは、「天然成分を使ってお掃除すること」です。

石けん、重曹、クエン酸、セスキ、アルコールなど自然由来の成分のみでできた洗浄剤は、環境に優しく肌や人体への負担も少ないため、敏感肌の方や赤ちゃんがいるご家庭でも安心して使えます。

洗濯や食器洗い、お風呂など、毎日のお掃除に欠かせない洗剤。

「合成洗剤は危険」「天然成分のものが安心」といった話はたびたび耳にしますが、実際どう違って何がいいのか、買ったはいいけど使い勝手がわからず棚に眠ったまま、ということも少なくないのではないでしょうか。

まずは洗浄剤の基本となる石けんのことと、それぞれの使い方についてわが家の場合をお伝えしたいと思います。

石けんと合成洗剤の歴史

石けんのはじまりは、古代ローマ時代にまで遡ります。

当時、神に捧げる生贄として羊を焼く風習がありました。この時、あぶった羊からしたたり落ちた脂と木の灰が混ざり、土に染み込んで石けんのようなものができたことが始まりと言われています。

以来、動物の脂肪や植物油(天然の油脂)と木や海藻の灰(アルカリ)などを混ぜ合わせて石けんが作られるようになり、その製法は現在にいたるまで大きく変わりありません。

使用後の石けんは河川で水中のカルシウムと結びつき、不溶性の脂肪酸カルシウムを生成します。

これは家畜の飼料など食用に製造されるほど安全性の高いもので、川の生物エサや微生物によって100%分解されることがわかっています。

一方合成洗剤が作られたきっかけは第一次大戦中のドイツで食用油脂が不足していたことによるものでした。

戦後、石油が安価に使えるようになったことによる石油化学の発展に伴い、石けんよりも低コストで大量に作れる合成洗剤の生産量がどんどん増加してゆきます。

少しの量でしっかり洗えて、食器洗いから洗濯、シャンプーと幅広い用途に使える合成洗剤(合成界面活性剤)は便利でコストもよいとされる一方で、

高温・高圧で化学的に合成されているため構造が複雑化し、下水処理を通しても十分に分解されないまま、自然界に排出されてしまっているのです。

また近年化学物質が環境や人体に及ぼす影響が国際的にも問題視されており、

合成洗剤に含まれる合成界面活性剤の多くは「有害物質」と指定されています。

合成洗剤の歴史は約100年と短いものの、その間に様々な環境問題や健康被害が取りざたされるようになりました。

成分の違いの見分け方

石けんは品名に「◯◯用石けん」と表記され、「石けん素地」や「カリ石けん素地」、「純石けん成分(脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウム)」などの成分でできています。

合成洗剤は品名に「◯◯用合成洗剤」と表記され、化学的に合成された「合成界面活性剤」が主な成分です。

つまり、成分中に「石けん」という表記がなければ、合成洗剤と判断できます。

ちなみに界面活性剤というのは、水と油など本来混ざり合わない物質を、その表面(界面)の性質を変えることで混ざり合うことを可能にする物質です。

肌や衣類についた汚れの多くは油分を含んでいるため、水だけでは落ちにくいのですが、そこに界面活性剤を含むものをつけることで、汚れが落ちやすくなるという仕組みです。

石けんは天然の界面活性剤です。洗浄剤だけでなく、化粧品や乳液はもちろん、マヨネーズやドレッシングなどを作る際にも、その性質が利用されています。

石けん、どんなものを使ってる?

・無添加石けんarau.

植物生まれのピュアな無添加石けん。石油系合成界面活性剤不使用で、合成香料、着色料、保存料などのアレルギーを引き起こす心配のある添加物は一切不使用な赤ちゃんや敏感肌にも安心のシリーズです。洗い上がりがガシガシになりにくく、お洗濯ものがふんわりすることと、天然ハーブの優しい香りがお気に入り。

・アレッポの石鹸

シリア第二の都市アレッポの特産品として、1000年以上前から作られてきた「アレッポの石鹸」。オリーブオイルとローレルオイルでのみ作られたシンプルさが魅力です。この一つの石鹸で、頭から顔、からだ、つま先まで洗うことができます。さっぱりとした爽快感のある洗い上がりで、汗をたくさんかくこれからの季節にもぴったりです。

今回はナチュラルクリーニングの中でも最も身近な存在であるせっけんの歴史からご紹介しました。せっけんは合成洗剤に比べると環境や人体への負担はとても少ないです。とはいえ、過剰に使うと肌荒れや水を汚す原因にもなります。

洗濯においては石けんカスがカビの原因にもなりやすく、洗い残しがあると黄ばみや臭いにつながるなどメリットばかりではありません。

そこで、先に紹介した重曹や過炭酸ナトリウムなどと組み合わせます。そうすることで、お掃除におけるデメリットを減らしより快適に使うことができるのです。

次回は、組み合わせや使い方を工夫することで家中のお掃除に使えて環境にも負荷がかかりにくい重曹や過酸化水素の、実際の我が家での使い方をご紹介いたします!

【連載】キコの「暮らしの塩梅」を読む>>>

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

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