エシカ独占取材!“アルミ素材”から生まれたアップサイクルなバッグ『LYRIS(リリス)』を手に入れる/フィリピンの女性たちと日本人デザイナーとの開発ストーリー
独自記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
エシカ独占取材!“アルミ素材”から生まれたアップサイクルなバッグ『LYRIS(リリス)』を手に入れる/フィリピンの女性たちと日本人デザイナーとの開発ストーリー

エレガントなクラッチデザイン・バッグ「CLUTCH ZIP(クラッチジッパー)」¥2,200(税込)

2016年シンガポールのポップアップショップでデビュー以来、絶大な人気を誇る『LYRIS(リリス)』のバッグ。デザイナー、そして有名百貨店のバイイングコーディネーターの経験をもつ間弓洋江(まゆみひろえ)さんが、フィリピンのアルミリサイクル工房で働く女性たちとともに、開発・デザインまで関わりながら立ち上げたエコフレンドリーなブランドです。今回は『LYRIS』の誕生のストーリーとともにバッグの魅力をご紹介。そして何とこの秋から、日本にいながら『LYRIS』が手に入る!一足先にエシカが独占取材しました。

(記者:ethica編集部・山田ふみ)

フィリピンのアルミ素材リサイクル工房でバッグに“一目惚れ!”

「フィリピン・マニラに親戚が赴任していたことがきっかけで、地元の女性たちが地域創生のためにボランティア団体を立ち上げ、アルミ素材のリサイクル利用に関わっていることを知りました。エコロジカルな考えに共感し、その工房を見学したとき、まさに“一目惚れ!”。彼女たちが作っているバッグの美しさに衝撃を受けました」という間弓さん。

目の前には、キラキラ輝くアルミリボンの山。それを一本一本手作業で編み上げている女性たちの姿がありました。

当時のフィリピンでは、収集したリサイクル素材を利用した製品の製造によって利益を生み出し、地域住民の生計を立てるという運動が始まっていました。飲み終えたジュースなどのアルミパックを収集・洗浄し、それを素材にバッグやサンダルなどを作っていたのです。

「その頃、私はシンガポールで生活していたのですが、雨と湿気が多い東南アジアでは、革製品やビニール素材はすぐにカビが生えてしまうし、布製品は激しいスコールでびしょびしょに濡れてしまうため、バッグ選びにはいつも悩んでいました。そんなとき、思いがけず出会ったアルミは、私にとってまさに理想のバッグ素材でした」。

「Pencil( ペンシル)」¥2,750(税込)

素材は理想的だったものの、おしゃれで使い勝手のよいものを作りたいという思いから、もともと日本の大手百貨店でバイイングコーディネーターとして働いていた経験を活かし、バッグのデザインを提案するようになりました。

ハプニングと試行錯誤を繰り返しながら生まれたロングラン・アイテム

「それからは2ヶ月に1度のペースでフィリピンを訪れ、新しいモデルを提案し、納得がいくまで何度も彼女たちと話し合いを重ねました。最初は意思の疎通がなかなかうまくいかず“cm”をインチと勘違いして巨大なバッグが出来上がってしまうなど、ハプニングの連続でした。またリサイクル素材なので、色を指定しても素材がないとイメージ通りのカラーで出来上がってこないこともよくあります。納期が遅れ、数も合わなかったりすることは日常茶飯事(笑)。

そんな中、最初に出来上がったのが、現在も『LYRIS』の“アイコン”として親しまれているロングラン・アイテム「CUIRE(キュイール)」です。

カジュアルな中にも大人らしさが漂う人気アイテム「CUIRE(キュイール)」¥5,720(税込)

“世界に一つだけ”手作りならではの愛らしさが際立つ

「個人的に愛着があるのが「ROTIN(ロティン)」シリーズ。耐久性を考えて、竹ひごにアルミを巻いた素材で編んで作るため、1つを作るのに3日間かかります。作り手によってかごの大きさが毎回まちまちですが、そこがまた味わい深く、まさに “世界に一つだけのかご”です」

程よいサイズで使い勝手抜群の「ROTIN(ロティン)」シリーズ ¥10,780 (税込) 素材:竹ひご/ ライナー付 ※在庫状況によってお届けに時間がかかることがあります

経費をなるべく少なくするために商品はハンドキャリーでシンガポールまで担いで持ち帰ったそう。LCCで40kgまでチェックインできるので、20kgの段ボール2箱と手荷物7kgめいっぱい!『LYRIS』がリーズナブルな理由がそこにあります。

日本人ベンダーグループ「POP UP JAPON」を結成!

最初は、間弓さんのご自宅をオープンハウスのようにして「LYRIS」のバッグを紹介していました。それがいつの間にか口コミで広まり、集客が見込めるようになったのだそう。

「2015年から友人2人(それぞれ自分のブランド)と一緒にホテルフェアでバッグの販売をはじめました。当時、シンガポールでは日本人女性の間で、小さなビジネス(個人事業)を始める人が増えはじめていました。でも、ホテルフェアやポップアップイベントの出展料はかなり高額で、なかなか思うようにいかなかったんです。そこで、日本人同士一緒に協力しようということになって」

日本人の個人事業者に声をかけたことで2016年に「POP UP JAPON(ポップアップジャポン:以下PUJ)」が発足。シンガポール各地でポップアップイベントを企画するようになりました。

左が間弓さん

個人では販売の拠点作りはなかなか難しい状況の中、グループとなることによってレストランやカフェ、セレクトショップなどとの交渉が可能になったといいます。アイデアと実行力で、『LYRIS』のバッグの魅力は、瞬く間にシンガポール中に広まっていったのです。

「アルミ素材を使ったアップサイクルな製品であることに予想以上の賛同の声が寄せられたことと、アルミ素材の使い勝手の良さが相乗効果を生みました」。

開催を楽しみにする『LYRIS』のファンたちが、開催前から行列を作って1時間待ち!

軽くて丈夫。雨にも強く、保冷機能もあって買い物にも便利。その上おしゃれなデザインが女性たちの心を掴み、PUJ立ち上げからわずか1年で、4時間だけの主催イベントに150〜200人を集客。大量生産できない商品のレア感も魅力となり、イベントの開催1時間前から行列ができることもしばしば。

「PUJのコンセプトは“ここでしか出会えないもの”。イベントの告知はFacebookとブログのみでしたが、口コミでどんどん広がっていきました」

フィリピン工房の火災による全焼から再起までの道のり

そんな中、2017年フィリピンの工場が漏電による火災で全焼してしまうという事故に見舞われます。幸い負傷者はいなかったものの、工業用ミシン、資材、リサイクル素材、デザインデータ、パソコン、出荷準備を待つ商品のすべてが焼失。約250人の女性職人のなかには貧困地域に住みながら小さな子供を育てる母親やシングルマザーも多く、彼らの生計を1日でも早く立て直すことが急務となりました。

フィリピンの工房にて。右が間弓さん

「そのとき、初めてクラウドファンディングで資金集めをしました。ありがたいことにわずか30日で目標金額を達成し、半年がかりで元どおりに作業が再開できるまでになりました。PUJに参加していたベンダーたちからリターン商品を寄付してもらったり、私の地元の有名な洋菓子店「アドリア洋菓子店」が名物のレーズンサンドを提供してくれたり。友人の同級生のご主人の会社「ブラザー工業株式会社」は、何と工業用ミシン3台、FAX1台を寄贈してくださったのです」

“エコフレンドリー”なアルミバッグで世界とつながる実感

「もともと『LYRIS』のバッグが大好きといってくだる方々の協力によって、急遽日本でチャリティーイベントを行うなど、火災のときには多くのみなさんが「できることをやろう!」と手を差し伸べてくださいました。今でも忘れられない出来事です」

フィリピンの女性たちとともに苦難を乗り越え、チャレンジを続けてきた間弓さん。現在はシンガポールからオーストラリア・シドニーに住まいを移し、地元のファーマーズマーケットなどで『LYRIS』ブランドを展開中です。

『LYRIS』と出会ってから早7年。アルミ素材のバッグが生まれた背景にあるたくさんのストーリーを一人でも多くの方に伝えながら、世界とのつながりを実感しているという間弓さん。

「私の“一目惚れ”が誰かの“幸せ”になることを願って、これからもフィリピンで暮らす女性たちを “応援”していきたいと思っています」

「Messe (メッセ )」¥4,290(税込)

<ご注文方法>

現在マニラがロックダウン中のため、商品の発送に時間がかかることがありますが、下記のサイトから注文可能(送料/本州1,000円、12,000円以上購入の場合無料)お支払いは銀行振込の他、クレジットカード利用可

LYRISオンラインショップ:https://lyrislyris.theshop.jp/

FB:https://www.facebook.com/lyris.ecofriendly

Instagram: https://www.instagram.com/lyris.ecofriendly_style/

(左)「CLUTCH ZIP(クラッチジッパー)」¥2,200(税込) (右)「Ligne(リニュー)¥5,280(税込)

間弓洋江(まゆみひろえ)

『LYRIS(リリス)』代表。東京、パリ、ワシントンDC、シンガポールと移り住み、現在はオーストラリアのシドニーにて大人のための書道教室“Salon de 書”を運営する傍ら、LYRISのブランドを販売。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

山田ふみ

このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
まずは自分の“半径5m”から愛を広げていく。 エシカルウェディング経験者・沼田暁さんが考える社会貢献のかたち (前編)
独自記事 【 2020/3/2 】 Fashion
エシカルや社会貢献活動に関心があり、何か自分にできることをしたい。でも、いざ何かしようとしても「自分が役に立てることなんてあるのだろうか」と躊躇ってしまう人が多いのかもしれません。筆者である私も、そんな悩みが尽きない一人です。 悩める筆者がある“ウェディングドレス”をきっかけに出会ったのが、今回の主人公・沼田 暁(ぬま...
トップブランドの古着を藍染で蘇らせる”サスティナブル・ブランド” Indigo Love Ecoプロジェクト「BOKUWAKUMA」
独自記事 【 2020/2/10 】 Fashion
鮮やかでありながら深みもあり、様々に表情を変える藍色。 実はこれらの衣服は、本当なら捨てられてしまうかもしれなかった古着です。 ご紹介するのはシャネルやギャルソンの古着を藍染でリメイクする沖縄拠点のブランド「BOKUWAKUMA」。藍で染めることによって新たな命が吹き込まれより愛されるアイテムに蘇らせることで、ファッシ...
【ethica編集長対談】「ECOALF」創業者 ハビエル・ゴジェネーチェ氏
独自記事 【 2019/12/23 】 Fashion
スペインのファッションブランド「ECOALF」の日本第1号店が2020年3月、東京・神宮前にオープンすることになり、先日、都内でその発表会が行われました。 「ECOALF」は世界中で脱プラスチックの動きが広がる中、環境を守りながらペットボトルや漁業用の網などといった海洋プラスチックごみを再生して作った機能的な衣類や靴、...
ファッションデザイナー石川俊介さん『背景が見えにくいファッション産業への疑問』
独自記事 【 2019/12/16 】 Fashion
エシカルなコーヒーの調達率 99 % を達成したことにちなみ、9月9日に全国のスターバックス店舗で2015年から行われている「99 キャンペーン」。特に、同キャンペーンが初めて実施された、中目黒の「スターバックス リザーブ®️ロースタリー 東京」では、バリスタによるコーヒーの生産過程についてのマイクパフォーマンスが行わ...
SDGsは「自分の暮らしの中」で向き合う。
sponsored 【 2019/11/25 】 Home
気候変動やグローバル化で深刻化する問題に対応するため、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)。貧困や格差の解消、地球環境の保全などをめざし、全ての国連加盟国が2030年までに取り組む行動計画だ。企業は単なる社会貢献ではなく、本業を通じた活動が求められている。ボルネオ島の生物多様性保全やアフリカ・...
「外」からの視点がとらえた、日本の美しさ 【国木田彩良・前編】
独自記事 【 2018/10/4 】 Art & Culture
明治時代の小説家・ジャーナリストの国木田独歩の玄孫であり、現在、モデルとして活躍中の国木田彩良さん。このたび谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を原案とする短編映画『IN-EI RAISAN(陰翳礼讃)』(高木マレイ監督)の茶人役で、女優に初挑戦しました。10月5日の映画公開を控え、2018年6月に建仁寺塔頭 両足院にて行われた映...
日本の良さを改めて実感!?  豪華舞台を楽しめる「日本博特別公演」の放映が決定!
独自記事 【 2020/6/15 】 Art & Culture
『ethica(エシカ)』6月号のテーマは、「エシカル世代」です。 新型コロナの影響で、ライブでエンターテイメントを楽しむ機会はほとんどなくなっていました。ようやく再開への道筋は見えてきたものの、実際にリアルな場に出かけてイベントなどを楽しめるのは、もう少し先になりそうです。そんな中、「エシカル世代」にも人気の2.5次...
モデルのマリエが「好きなことを仕事にする」まで 【編集長対談・前編】
独自記事 【 2018/12/24 】 Fashion
昨年6月、自身のファッションブランドを起ち上げたモデル・タレントのマリエさん。新ブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ、以下PMD)」のプレゼンテーションでは、環境に配慮し無駄を省いた、長く愛用できるプロダクトを提案していくと語りました。そして今年9月、ファッションとデザインの合同...
「エシカルファッションってなに?」 ピープルツリーの場合
独自記事 【 2019/9/20 】 Fashion
日本とイギリスで展開するフェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」。人にも地球にも良いライフスタイルを提唱するエシカルファッションのパイオニアともいえるその活動は、ethica編集部でも創刊以来、大先輩としてその歩みに倣って参りました。 エシカルな気づきをテーマに情報発信を続けてきた私たちethicaは今年6周年を迎...
美しき理系アーティスト、スプツニ子!さんに伺いました!(前編)「質の高い教育をみんなに」
独自記事 【 2019/9/28 】 Art & Culture
9月22日(日)〜29日(日)のSDGs週間(*)にフェイスブック ジャパンが開催している「Facebook Fundraisers for SDGs」で、「質の高い教育をみんなに(SDGsの目標4)」を達成するため、アメリカのNPO団体「Girls Who Code」への募金キャンペーンを立ち上げたスプツニ子!さんに...
一杯のコーヒーから広がる「 99 」への想い 。
独自記事 【 2019/11/12 】 Food
エシカルなコーヒー豆の購買率 99 % を達成したことにちなみ、毎年9月9日に全国のスターバックス店舗で行われる「 99 キャンペーン」 キャンペーン開始から5年目となる今年、中目黒の「スターバックス リザーブ ® ロースタリー 東京 」ではじめての「 99 キャンペーン」イベントが実施されました。 前編につづき「 9...
国木田彩良−It can be changed. 未来は変えられる【Prologue】
独自記事 【 2020/4/6 】 Fashion
匂い立つような気品と、どこか物憂げな表情……。近年ファッション誌を中心に、さまざまなメディアで多くの人を魅了しているクールビューティー、モデルの国木田彩良(くにきだ・さいら)さん。グラビアの中では一種近寄りがたい雰囲気を醸し出す彼女ですが、実際にお会いしてお話すると、とても気さくで、胸の内に熱いパッションを秘めた方だと...
The Breakthrough Company GO クリエイティブディレクター 砥川直大さん(前編)
独自記事 【 2020/4/20 】 Fashion
世界中で脱プラスチックの動きが広がる中、ペットボトルや魚網などの海洋プラスチックごみを再生して作った衣類や靴、かばんなどを次々に発表。現在ヨーロッパを中心に大きな注目を集めているスペイン生まれのファッションブランドが「ECOALF」です。この3月、日本第1号店が東京・渋谷にオープンしましたが、開店にあたり「地球の資源を...
蜷川実花×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/7/13 】 Art & Culture
渋谷パルコのPARCO MUSEUM TOKYOで新作個展「東京 TOKYO/MIKA NINAGAWA」を開催した写真家で映画監督の蜷川実花さん。蜷川さんの新作写真集「東京 TOKYO」の刊行を記念して行われたもので、会場には「東京に生まれ育ち、この街しか住んだことがない」という蜷川さんが「大事なものすぎてなんだか手...

次の記事

(第29話)「秋晴れの心地よい日に蚤の市へ」キコの「暮らしの塩梅」
国木田彩良−It can be changed. 未来は変えられる【Chapter 3-3】

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます