(第39話)「エシカル素材って?環境にも優しいアウターをまとって、冬コーデをより心地よく快適に」キコの「暮らしの塩梅」
独自記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
(第39話)「エシカル素材って?環境にも優しいアウターをまとって、冬コーデをより心地よく快適に」キコの「暮らしの塩梅」

「私によくて、世界にイイ。」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。

でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?

当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。

第38話では、ハレの日はもちろん、普段のオシャレにも取り入れたい着物の着こなしについてお話しました。今回の記事では、冬に欠かせないアウターの素材についてお伝えしたいと思います。

エシカル素材とは?

エシカルとは「倫理的・道徳的」という意味で、その観点を考慮して生産された素材をエシカル素材といいます。

エシカルファッションで大切にされている基準と同様、「人にも環境にも社会にも優しいもの」であることを基準としています。

 

ざっくりいうと、フェアトレードで生産者の労働環境が守られていること、素材・生産・輸送のプロセスにおいて環境負荷を最小限に抑えていること、リサイクルやエネルギー問題に取り組んでいること、伝統技術や地場産業を守りつつ未来に繋げていくこと、動物の権利を守っていることなどが挙げられます。

 

具体的にエシカル素材とされるのは、植物系の自然素材やリサイクル繊維などです。

オーガニックコットン、リネン(麻)、ジュートなど植物の内部繊維、テンセル、さとうきびやとうもろこしなどの植物に由来する化学繊維、ペットボトルなどから再生されたリサイクルポリエステル、寝具など使用済みのダウンを再生したリサイクルダウンなどがあります。

 

消費者として、このような基準をもとに製造されたエシカルファッションを選択することで、地球環境を守り、持続可能な未来に一歩近づけるといえますね。

 

寒い冬に欠かせないアウターも、その基準を大切に選びたいものです。

アウターの素材、どんなものを選ぶ?

冬のアウターの定番といえば、ダウンやウールが真っ先に浮かぶと思います。

どちらも自然素材で、寒さからしっかりと身を守ってくれるのが特徴です。

 

ダウンをはじめとする動物性繊維は生分解性があり、理論上は土に還元することが可能で環境に優しいというイメージがあります。

 

一方で、サスティナビリティやアニマルライツの観点から見ると、その製造過程は倫理的には非道なものであることも少なくありません。

 

なかには、エシカルであることを考慮して生産されているものもありますが、ファストファッションをはじめ、より安く、よりたくさん衣服を製造するために、その背後には多くのものごとが犠牲になっているという現実があります。

”再生”というキーワード

リサイクル繊維の方に目を向けてみると、近年ペットボトルなど使用済みの廃棄物からリサイクルされたポリエステルを使ったウェアが数多く製造されています。

 

「化繊」というと石油を原料としているために、環境にはよい影響を与えないイメージが強いかもしれませんが、それはあくまで新たに生産する場合のこと。

リサイクルすることでCO2や廃棄物の削減に大きく貢献しています。

 

ポリエステルの特徴は、水に強く乾きやすい、丈夫、シワになりにくい、そして軽い、など。

暖かさ、肌触りの良さ、着心地の良さでは自然素材の製品に劣りますが、どんなシチュエーションでも気軽に着用できて、自宅でお手入れしやすいというメリットがあります。

 

ポリエステルを素材とするアウターは、中綿のインサレーションやフリースなど。

防寒に強いダウンやウールのコートが、屋外で過ごす時に適しているのに対して、ポリエステルを素材とするアウターは、屋内外のような温度差の大きい場所を行ったり来たりする時にオススメです。

 

今日は冷え込むというニュースを見て、ダウンにマフラーに……と、ばっちり着込んで出かけたものの、徒歩での移動や満員電車では暑すぎて汗がにじむ……なんていう経験は、皆さんにもあると思います。

 

お天気が怪しい日、徒歩や自転車での移動が多い日、暖かい屋内と寒い屋外を頻繁に行き来することが予想される日などは、ポリエステル素材のアウターが便利です。

高い性能かつオシャレも楽しめるアウトドア製品

今回ご紹介したいのは、アウトドアブランドのアウターです。

 

アウトドア製品の魅力は、なんといっても機能性に優れているところ。

過酷な自然環境でも快適に過ごせることを前提に、タフに作られているので、保温性、透湿性、防風性など寒い冬に必須の性能がしっかり揃っています。

 

最近のアウトドアウェアは、機能性に限らずファッション性にも優れたものがたくさんあるので、手持ちの服に気軽に合わせられるのも魅力ですね。

私が愛用しているのはPatagoniaの「ガールズ・トレス・3way・パーカ」。

防水シェルと、ジッパーで付け外し可能なダウンのインサレーションがセットになった三通りに着用可能なアウター。どちらも生地には100%リサイクル素材が使用されています。

 

エシカルなアウトドアブランドで有名なPatagoniaでは、ウェアに使用する素材のリサイクルにいち早く取り組み、製品の多くにリサイクルダウンやリサイクルポリエステルが使用されています。

 

アウトドアウェアは、キャンプやちょっとしたトレッキングなどアウトドアはもちろん、街着、子どもとの公園へのお出かけ着など、さまざまなシーンに対応してくれるので、服をミニマムに揃えたいという方にもぴったりです。

 

私自身、娘が大きくなるにつれて外遊びをする機会が増えて、そのたびにアウトドアウェアの快適さを身にしみて感じています。

抱っこした拍子に靴の汚れが服についても、寒空の下「まだあそぶー!」と待ちぼうけをくらっても、手軽にお手入れできて隙間風を感じないアウトドアウェアのおかげでストレスフリーです。

 

ほかにも、お出かけのときにはウールのコートの下にインナーダウンを。電車に乗ったり、屋内外を頻繁に出入りするので、サッと着てサッと脱げるような服が必要という時には、コンパクトに収納できる薄手のインサレーションを。

カジュアルな着こなしを楽しみたい時は、ゆったりサイズのジャケットにロングスカートを合わせて。綺麗にまとめたいときはダウンにニットと細身のパンツですっきりとしたシルエットに……。着こなし方は無限です。

「エシカル素材」であることを選択肢のひとつに

まだまだファストファッションがあふれる社会ですが、使用後もしくは未使用の素材をリサイクルして再生する技術が発展したことによって、消費者である私たちの心がけ次第で、環境、社会、そして人にも、より優しい選択をすることが可能となってきています。

 

服のデザイン性、機能性はもちろんですが、素材や生産背景も選ぶ時のポイントに。

 

どんなものを買う時にも共通することですが、どこで、どのように作られているかということにも目を向けて選択することを、日々大切にしたいと思います。

【連載】キコの「暮らしの塩梅」を読む>>>

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
柴咲コウさんの参加が契機に。ヘアドネーションという選択
独自記事 【 2019/9/2 】 Love&Human
自分の髪を第三者に寄付する、ヘアドネーションという活動を知っていますか?寄付した毛髪はウィッグの他、美容師のトレーニングやヘア商品の開発研究などのために再利用されます。 今日は小児がんの治療や外傷など、様々な理由で髪を失ってしまった18歳以下の子どもたちが使う、「メディカル・ウィッグ」を作るためのヘアドネーションについ...
女優ののんさんがSDGsを広めるためのキャラクターを発表!
独自記事 【 2020/11/9 】 Art & Culture
朝日新聞社は10月11日(日)~15日(木)に、民主主義や気候変動、SDGsなどコロナ禍で浮上した問題や世界の変化について話し合う「朝日地球会議2020」をオンラインで開催しました。「SDGsしないのん?」と題したセッションには、人気女優ののんさんや国連広報センター所長の根本かおるさん、ニュースサイト「withnews...
水原希子×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/12/7 】 Fashion
ファッションモデル、女優、さらには自らが立ち上げたブランド「OK」のデザイナーとさまざまなシーンで大活躍している水原希子さん。インスタグラムで国内上位のフォロワー数を誇る、女性にとって憧れの存在であるとともに、その動向から目が離せない存在でもあります。今回はその水原さんに「ethica」編集長・大谷賢太郎がインタビュー...
【ethica-Tips】私によくて、世界にイイ。サステナブルなチョコレート3選
独自記事 【 2020/10/26 】 Food
チョコが恋しくなる季節。温かな飲み物と一緒に口に含むと、とろ〜り美味しさが溶け出します。常温で置いておいても溶けにくい秋冬は、まさにチョコの旬。 というわけで今回は、サステナブルなチョコレートのお話。買うことで生産者の暮らしとつながるフェアトレードなアイテムや森林保護の視点から生まれたエシカルなチョコなど3種類をご紹介...
ワールド主催「246st.MARKET」イベントレポート 4人の環境アクティビストをethicaが独占インタビュー
独自記事 【 2020/10/26 】 Home
ワールド北青山ビル1階で10/14〜10/18に行われたポップアップイベント『246st.MARKET』(ニイヨンロクストリートマーケット)。“GOOD FOR FUTURE”をコンセプトに、クリエーターたちとともに未来を創造するプロジェクトです。3回目を迎えた今回は「サーキュレーション・ライフスタイル」をテーマに、サ...
まずは自分の“半径5m”から愛を広げていく。 エシカルウェディング経験者・沼田暁さんが考える社会貢献のかたち (前編)
独自記事 【 2020/3/2 】 Fashion
エシカルや社会貢献活動に関心があり、何か自分にできることをしたい。でも、いざ何かしようとしても「自分が役に立てることなんてあるのだろうか」と躊躇ってしまう人が多いのかもしれません。筆者である私も、そんな悩みが尽きない一人です。 悩める筆者がある“ウェディングドレス”をきっかけに出会ったのが、今回の主人公・沼田 暁(ぬま...
【ethica編集長対談】「ECOALF」創業者 ハビエル・ゴジェネーチェ氏
独自記事 【 2019/12/23 】 Fashion
スペインのファッションブランド「ECOALF」の日本第1号店が2020年3月、東京・神宮前にオープンすることになり、先日、都内でその発表会が行われました。 「ECOALF」は世界中で脱プラスチックの動きが広がる中、環境を守りながらペットボトルや漁業用の網などといった海洋プラスチックごみを再生して作った機能的な衣類や靴、...
ファッションデザイナー石川俊介さん『背景が見えにくいファッション産業への疑問』
独自記事 【 2019/12/16 】 Fashion
エシカルなコーヒーの調達率 99 % を達成したことにちなみ、9月9日に全国のスターバックス店舗で2015年から行われている「99 キャンペーン」。特に、同キャンペーンが初めて実施された、中目黒の「スターバックス リザーブ®️ロースタリー 東京」では、バリスタによるコーヒーの生産過程についてのマイクパフォーマンスが行わ...
SDGsは「自分の暮らしの中」で向き合う。
sponsored 【 2019/11/25 】 Home
気候変動やグローバル化で深刻化する問題に対応するため、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)。貧困や格差の解消、地球環境の保全などをめざし、全ての国連加盟国が2030年までに取り組む行動計画だ。企業は単なる社会貢献ではなく、本業を通じた活動が求められている。ボルネオ島の生物多様性保全やアフリカ・...
「外」からの視点がとらえた、日本の美しさ 【国木田彩良・前編】
独自記事 【 2018/10/4 】 Art & Culture
明治時代の小説家・ジャーナリストの国木田独歩の玄孫であり、現在、モデルとして活躍中の国木田彩良さん。このたび谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を原案とする短編映画『IN-EI RAISAN(陰翳礼讃)』(高木マレイ監督)の茶人役で、女優に初挑戦しました。10月5日の映画公開を控え、2018年6月に建仁寺塔頭 両足院にて行われた映...
日本の良さを改めて実感!?  豪華舞台を楽しめる「日本博特別公演」の放映が決定!
独自記事 【 2020/6/15 】 Art & Culture
『ethica(エシカ)』6月号のテーマは、「エシカル世代」です。 新型コロナの影響で、ライブでエンターテイメントを楽しむ機会はほとんどなくなっていました。ようやく再開への道筋は見えてきたものの、実際にリアルな場に出かけてイベントなどを楽しめるのは、もう少し先になりそうです。そんな中、「エシカル世代」にも人気の2.5次...
モデルのマリエが「好きなことを仕事にする」まで 【編集長対談・前編】
独自記事 【 2018/12/24 】 Fashion
昨年6月、自身のファッションブランドを起ち上げたモデル・タレントのマリエさん。新ブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ、以下PMD)」のプレゼンテーションでは、環境に配慮し無駄を省いた、長く愛用できるプロダクトを提案していくと語りました。そして今年9月、ファッションとデザインの合同...
「エシカルファッションってなに?」 ピープルツリーの場合
独自記事 【 2019/9/20 】 Fashion
日本とイギリスで展開するフェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」。人にも地球にも良いライフスタイルを提唱するエシカルファッションのパイオニアともいえるその活動は、ethica編集部でも創刊以来、大先輩としてその歩みに倣って参りました。 エシカルな気づきをテーマに情報発信を続けてきた私たちethicaは今年6周年を迎...
美しき理系アーティスト、スプツニ子!さんに伺いました!(前編)「質の高い教育をみんなに」
独自記事 【 2019/9/28 】 Art & Culture
9月22日(日)〜29日(日)のSDGs週間(*)にフェイスブック ジャパンが開催している「Facebook Fundraisers for SDGs」で、「質の高い教育をみんなに(SDGsの目標4)」を達成するため、アメリカのNPO団体「Girls Who Code」への募金キャンペーンを立ち上げたスプツニ子!さんに...
一杯のコーヒーから広がる「 99 」への想い 。
独自記事 【 2019/11/12 】 Food
エシカルなコーヒー豆の購買率 99 % を達成したことにちなみ、毎年9月9日に全国のスターバックス店舗で行われる「 99 キャンペーン」 キャンペーン開始から5年目となる今年、中目黒の「スターバックス リザーブ ® ロースタリー 東京 」ではじめての「 99 キャンペーン」イベントが実施されました。 前編につづき「 9...
国木田彩良−It can be changed. 未来は変えられる【Prologue】
独自記事 【 2020/4/6 】 Fashion
匂い立つような気品と、どこか物憂げな表情……。近年ファッション誌を中心に、さまざまなメディアで多くの人を魅了しているクールビューティー、モデルの国木田彩良(くにきだ・さいら)さん。グラビアの中では一種近寄りがたい雰囲気を醸し出す彼女ですが、実際にお会いしてお話すると、とても気さくで、胸の内に熱いパッションを秘めた方だと...
The Breakthrough Company GO クリエイティブディレクター 砥川直大さん(前編)
独自記事 【 2020/4/20 】 Fashion
世界中で脱プラスチックの動きが広がる中、ペットボトルや魚網などの海洋プラスチックごみを再生して作った衣類や靴、かばんなどを次々に発表。現在ヨーロッパを中心に大きな注目を集めているスペイン生まれのファッションブランドが「ECOALF」です。この3月、日本第1号店が東京・渋谷にオープンしましたが、開店にあたり「地球の資源を...
蜷川実花×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/7/13 】 Art & Culture
渋谷パルコのPARCO MUSEUM TOKYOで新作個展「東京 TOKYO/MIKA NINAGAWA」を開催した写真家で映画監督の蜷川実花さん。蜷川さんの新作写真集「東京 TOKYO」の刊行を記念して行われたもので、会場には「東京に生まれ育ち、この街しか住んだことがない」という蜷川さんが「大事なものすぎてなんだか手...

次の記事

(第2話)土と堆肥は“命の泉” 【連載】八ヶ岳の「幸せ自然暮らし」
手話の世界に触れてみよう スターバックスによる国内初のサイニングストアで 手話をテーマにした店舗限定グッズを販売

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます