(第9話)フェアトレードのコーヒー【連載】八ヶ岳の「幸せ自然暮らし」
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(第9話)フェアトレードのコーヒー【連載】八ヶ岳の「幸せ自然暮らし」

〜パーマカルチャー(*注)を訪ねて〜

朝の目覚めに欠かせない1杯のコーヒー。カフェインの作用で頭がすっきりしますよね。コーヒーを淹れる時の良い香りには、リフレッシュ&リラックス効果があり、さあ、今日も頑張ろう!という気分になります。今回は、四井家のとっておきのコーヒーのお話し。厳選したフェアトレードの豆を使い、なんと自宅で焙煎! 挽きたてを淹れていただきました。

第8話ではコーヒーも美味しい八ヶ岳のオススメのお店をご紹介しました。今週は、厳選コーヒーで素敵な1日が始まります。

(*注)パーマカルチャー:“パーマネント”(永久)、“アグリカルチャー” (農業)、“カルチャー”(文化)を組み合わせた造語。持続可能な環境を作り出すためのライフスタイルのデザイン体系のこと

我が家の定番・こだわりのフェアトレード・コーヒー

発展途上国で生産されたコーヒー豆などの生産物を適正な価格で取引し、生産者の生活を世界全体で守ろうという概念から生まれたのが「フェアトレード」(公平な貿易)です。

数年前まで、なかなか納得のできるフェアトレードのコーヒー豆を見つけることができなかったのですが、古くからお付き合いのある知人が扱っているフェアトレードでオーガニックなコーヒー豆、『SLOW COFFEEを使い続けています。

『スローコーヒー』ではフェアトレードで輸入したオーガニックコーヒー豆を扱う。エクアドルの生態系の中で育った豊かな味わいが魅力

丁寧に育てられた「無農薬栽培」の豆の美味しさ

私たちが愛飲している『SLOW COFFEE』の豆は、ブラジルやエクアドルの森林の中で、アグロフォレストリーという自然の生態系にならった環境の中で丁寧に栽培されコーヒー豆。我が家の農作物と同じように、枯葉や落ち葉などを堆肥に、有機農法で育てられた豆なのです。そして、生産者自らが、「子どもたちに美しい自然ときれいな川を残したい」という思いで、農薬や化学肥料に頼ることなく、1980年代から自然の力を活かしたコーヒー栽培に取り組んできました。コーヒー豆が生まれた背景や、環境と子供たちの未来を考えながらコーヒー豆を作り続けている人々のことを知り、ぜひ飲んでみたいと思いました。

意外と簡単!飲む直前の「自家焙煎」で芳醇な薫りを楽しむ

自家焙煎で使用する道具たち。アンティークショップで見つけたハンドル付きの鍋はコーヒーの焙煎に大活躍。自宅にある片手鍋でもOK

最初は焙煎した豆を購入していたのですが、生豆を買って、自分で煎ってみたら、意外と簡単に美味しいコーヒーが淹れられました。コーヒーの好みは人それぞれですが、焙煎したて、挽きたてのコーヒーは味も香りもやっぱり格別!自分で煎ることで、煎り加減を調整できるのも楽しみのひとつです。

決して「コーヒー通」ではありませんが、我が家風の焙煎方法をご紹介しましょう。

 

自家焙煎するために用意する道具

  • コーヒー生豆(200g)
  • コーヒーを炒るための鍋
  • 蓋つきザル
  • 保存用のガラスビン

ハンドルが付いた鍋(ドラム型チャンパー)は、以前主人がアンティークショップで見つけてきてくれたもの。豆を入れたら手動で回転させながら焙煎させるタイプです。程よいサイズで使い勝手が良く、火にかけて煎っている時からコーヒーの香りが立ち込めて、幸せな気持ちになります。ごく普通の片手鍋でも煎ることができるので、興味のある方は試してみてくださいね。

 

自家焙煎の方法

  1. コーヒーの生豆を鍋に入れて弱火にかける。
  2. 煎りムラができないように鍋のハンドルを回したり、鍋を揺らしたりしながら豆全体に火がまわるように約10分ほど煎り続ける。
  3. 良い香りがしてきたら火から下ろす。
  4. ザルに移して豆を冷ます。
  5. 冷めたらガラスビンなどに入れて保存する。

煎った豆はザルに移して冷ます。煎りたてのフレッシュな香りが部屋中に立ち込める至福の瞬間

自家焙煎ビフォーアフター。焙煎したコーヒー豆はあまり長く置かず早めに飲みきるようにしている

お気に入りの道具で至福のコーヒータイム

コーヒーミルで豆を挽く。ゆっくりと回し、コーヒー豆に熱を発生させないように挽くのが美味しさのコツ

コーヒーを淹れる時は、手動式のミルを使って豆を挽きます。一度に挽く豆の量は10〜12g程度を目安にします。ドリッパーやサーバー、コーヒーカップにはお湯を注いであらかじめ温めておきます。

また、挽いた豆をドリップする時には、沸騰させたお湯を少し冷ましてから淹れるとコーヒーの酸味が和らぎ、マイルドな味と香りが楽しめます。

専用の細口ドリップポットでゆっくりとお湯を注ぐ

見よ、煎りたてコーヒーのこの豊かなふくらみを! 20秒ほどじっくり蒸らすことでコーヒーのもつ香りと美味しさが引き出されます

ドリッパーにフィルターをセットし、挽いた豆を平らにならして粉の真ん中から少しずつお湯を注いでいきます。コーヒーがゆっくりと膨らんでくるのがわかりますよ。コーヒーがふっくらするのは、コーヒー豆に含まれているガスが放出されているからなのだそうです。コーヒーの成分をじっくり引き出すために、ここで20秒ほど蒸らします。

お湯を少しずつ減らしながら、コーヒーフィルターの中心に、小さく「のの字」を書くような感じに、3回くらいに分けて注ぎ切ります。

美味しいコーヒーの淹れ方は『SLOW COFFEEのサイトで詳しく紹介しているのでチェックしてみてくださいね。

自家焙煎のコーヒー完成!ケメックスの木製の蓋は四井さんのハンドメイド

我が家のもう一つのこだわりが、コーヒーポット。三角フラスコのようなフォルムが愛らしい『ケメックス』を使用しています。1941年にアメリカで誕生したロングセラーで、コーヒーを美味しく淹れる秘密がいっぱい。ドリッパーとサーバーが一体化していて無駄がなく、コーヒーが均一に流れ落ちる形状になっています。分厚いガラスもまた、コーヒーの美味しさを持続させてくれるんですよ。キッチンには主人が見つけたお気に入りのビンテージタイプのケメックスが2つ並んでいます。

今ではなかなか手に入らないハンドブロウガラス製です。

消費者にとっても“フェア”なコーヒーを飲み続けたい

さて、あらためてフェアトレートの話に戻りましょう。『SLOW COFFEE』では、エクアドルやブラジル、メキシコの生産者が育てたコーヒー豆を扱っています。

オーガニックのコーヒー豆のみをフェアトレードで輸入し、日本国内で自社焙煎。生産者の“顔”が見えるトレサビリティーが確保されているという点でも安心なコーヒーです。

フェアトレードのコーヒーは、そうでないコーヒーより高いという印象があって、私たちも最初はなかなか手が出ませんでしたが、八ヶ岳の生活の中で徐々に意識が変わっていきました。でも単に、生産者の暮らしを守るための社会貢献というだけでは、このコーヒーを飲み続けてはいなかったと思います。フェアトレードではないコーヒーより高いだけなら、消費者にはフェアではないからです。

我が家が『SLOW COFFEE』を選んだ理由は、途上国の生産者自身が環境に配慮しながら消費者のためにも良い豆を作ろうと努力をし続け、丁寧に生産されたコーヒー豆であることを知ったからです。

その結果を消費者が正しく評価することで、生産者はさらに地球や私たち消費者のために良いコーヒーを作る努力をするでしょう。そこに本当の「フェアトレード」の意味があり、持続可能なサイクルが生まれると考えています。

コーヒーを作る人も売る人も、飲む人も幸せなコーヒー。それが美味しいなら、もう買わない理由はありません。

異国の地に思いを馳せながら、今日もお気に入りのコーヒーで至福の時間を過ごします。

ケメックスのビンテージタイプは今では市場になかなか出回らないハンドメイドシリーズ。分厚いガラスと小ぶりなデザインが愛らしい

いかがでしたか?確かに、生産者だけでなく消費者にもフェアであってこそ本当の「フェアトレード」と言えるのではないかと思いました。コーヒーで暮らしへの意識が変わったという千里さん。生産者のことを考えながらコーヒーを飲むことで、持続可能な社会や地球の未来に少しでも貢献できたら素敵です。

生豆から自宅焙煎したコーヒーはすっきりと香り高く、雑味のない澄んだ味わいでした。ガスコンロがあれば意外と簡単にできる自家焙煎。ぜひ試してみてはいかがでしょう。

左から、四井真治さん、畑仕事や料理、家具作りなどにも積極的に取り組む四井家の長男・木水土(きみと)くんと次男・宙(そら)くん、四井千里さん

自分でコーヒを焙煎して飲む(YouTube動画)

【連載】八ヶ岳の「幸せ自然暮らし」を読む>>>

四井真治

福岡県北九州市の自然に囲まれた環境の中で育ち、高校の時に地元の自然が都市開発によって破壊されてショックを受けたのをきっかけに環境意識が芽生え、信州大学の農学部森林科学科に進学することを決意。同農学部の大学院卒業後、緑化会社に勤務。長野で農業経営、有機肥料会社勤務後2001年に独立。2015年の愛知万博でオーガニックレストランをデザイン・施工指導。以来さまざまなパーマカルチャーの商業施設や場作りに携わる。日本の伝統を取り入れた暮らしの仕組みを提案するパーマカルチャー・デザイナーとして国内外で活躍中。

Soil Design http://soildesign.jp/

四井千里

2002年より都内の自然食品店に勤務。併設のレストランにてメニュー開発から調理まで運営全般に関わり、自然食のノウハウを学ぶ。2007年より八ヶ岳南麓に移り住み、フラワーアレンジメント・ハーブの蒸溜・保存食作り等のワークショップ講師、及び自然の恩恵や植物を五感で楽しむ暮らしのアイデアを提案。

記者:山田ふみ

多摩美術大学デザイン科卒。ファッションメーカーBIGIグループのプレス、マガジンハウスanan編集部記者を経て独立。ELLE JAPON、マダムフィガロの創刊に携わり、リクルート通販事業部にて新創刊女性誌の副編集長を務める。美容、インテリア、食を中心に女性のライフスタイルの動向を雑誌・新聞、WEBなどで発信。2012年より7年間タイ、シンガポールにて現地情報誌の編集に関わる。2019年帰国後、東京・八ヶ岳を拠点に執筆活動を行う。アート、教育、美容、食と農に関心を持ち、ethica(エシカ)編集部に参加「私によくて、世界にイイ。」情報の編集及びライティングを担当。著書に「ワサナのタイ料理」(文化出版局・共著)あり。趣味は世界のファーマーズマーケットめぐり。

<自然の仕組みがわかるオススメの2冊>

パーマカルチャーや土と自然のつながりがわかりやすく紹介されている『地球のくらしの絵本』シリーズ「自然に学ぶくらしのデザイン」と「土とつながる知恵」(四井真治著 農文協)ともに2,500円/税別

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

山田ふみ

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