【ethica編集長対談】ベネッセホールディングス・安達保 社長 「Well-being(ウェルビーイング)」
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【ethica編集長対談】ベネッセホールディングス・安達保 社長 「Well-being(ウェルビーイング)」

Photo=Kaori Uchiyama ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

2月19日・20日の2日間、パシフィコ横浜で開催された「サステナブル・ブランド国際会議2020横浜」(SB 2020 YOKOHAMA)にスピーカーの1人として参加されたベネッセホールディングスの代表取締役社長・安達保さんに、同社が掲げる「ウェルビーング」について、エシカ編集長・大谷賢太郎がお聞きしました。

脈々と受け継がれてきた「ウェルビーイング」

大谷: ウェブマガジン「ethica」編集長の大谷と申します。今日はよろしくお願いします。

安達: こちらこそよろしくお願いします。

大谷: まず「ethica」の紹介をさせてください。エシカルコンシューマー向けのWebマガジンで、2013年に立ち上げ今年で7年目になります。読者は20代30代、最近は40代も増えていて、7割が女性です。

今回お話をお伺いしたいテーマは先ほどの基調講演にもありましたが、「ウェルビーイング」のことで、我々「ethica」としても2020年の大注目のキーワードが「ウェルビーイング」だということを昨年末に宣言したばかりです。それは御社にとっても大変ゆかりのあるキーワードでもありますし、「ethica」としても一緒に盛り上げていければと考えています。

ただ「ethica」は「ウェルビーイング」に関してまだまだ初心者なので、ベネッセさんに教えていただくという形でベネッセさんが考えていらっしゃる「ウェルビーイング」とは何なのか、今どういう取り組みをされていらっしゃるのかをお伺いできればと思っています。よろしくお願いします。

安達: ベネッセという社名は、ラテン語の「Bene(よく)」と「esse(生きる)」の造語で、「よく生きる(=Well-being)」という意味です。1990年にフィロソフィーブランドとして「Benesse」を導入し、95年に企業理念をそのまま社名として冠しました。サステナビリティという考え方のずっと前から、私たちは「Weii-being」を追求していたのです。

大谷: えっ、そんなに前からですか。

Photo=Kaori Uchiyama ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

安達: わが社はもともと福武書店という社名でした。90年代に入ってブランドの構築をしていく時にベネッセという考え方を生み出し、最終的にそれを社名にしました。

子どもに対する教育を中心に、子どもたちの学ぶ場や機会の支援を行っており、子供たちが将来育って、いろいろなことに貢献する中で幸せになっていってもらいたいという、考え方が会社の中にありました。

大谷: フィロソフィー、理念としても脈々と受け継がれていらっしゃるのですね。

安達: ええ、そういうことになりますね。

ベネッセには「子どもは未来からの留学生」という言葉があり、「子どもたちは日本の将来、あるいは世界の将来を作っていく卵なのだ」「子どもを育てることがこれからの社会に大きく貢献していくのだ」という考え方がベースになっているわけです。

Photo=Kaori Uchiyama ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

ベネッセアートサイト直島

大谷: 直島(※注)もそういう考え方でお作りになったのですか?

安達: ええ、そうです。

最初は子どものキャンプ場にしようという構想がありました。子どもたちが来て、そこで遊んで、楽しく学ぶことができるようにとスタートしたのが直島で、それが次第に広がっていってアートを取り入れ美術館を作りましたし、今ではホテルもあります。

大谷: それは素晴らしいですね。ぜひ一度取材に行きたいです。

安達: ぜひ取材にいらしてください。

また、「瀬戸内国際芸術祭」に来られる方はおそらく「ethica」さんの読者だと思いますよ。若い女性も非常に多くいらっしゃいます。

(※注)ベネッセアートサイト直島は瀬戸内海の直島、豊島、犬島を舞台に株式会社ベネッセホールディングス、公益財団法人 福武財団が展開しているアート活動の総称

瀬戸内国際芸術祭サポーター「こえび隊」

大谷: 今回の基調講演の冒頭はZ世代の若者が登場して、ひじょうにインパクトがありました。大変気持ちのいいプレゼンテーションで僕は感銘を受けました。

安達: おっしゃる通りで、たしかにひじょうにインパクトがありましたね。

大谷: 我々も7年もやっていると、世代が1つ上がってきたこともあって、Z世代に寄せていこうかという試みも少し進めています。そういう若い子たちが興味を持つようなことは取材でぜひ拾っていきたいなと思っています。

安達: 先ほどの直島の話の続きで、ボランティア活動についてお話ししましょう。瀬戸内国際芸術祭では、「こえび隊」というボランティアのグループを募ります。そこに来られる方は圧倒的に学生さんや女性の方が多いです。特に学生さんがそのようなボランティアに興味を持ってくれるというのは嬉しいですね。

また、瀬戸内というのは、ESG的な要素がたくさんあり、ひじょうに注目されています。

「ウェルビーイング」、すなわち「よく生きる」こと

大谷: 社内的に「ウェルビーイング」について改めて周知しているようなことはありますか?

安達: 我々の事業そのものが「ウェルビーイング」に直結していますので、「ウェルビーイング」、すなわち「よく生きる」という言葉に、社員が立ち戻る機会が常にあります。これは、会社の文化として、社内全体に染み込んでいるという感じでしょうか。

近年では、「よく生きる」というのは、お客様の「よく」というだけではなく、もっと社会に広げていこう、未来に広げていこうと考え、今、活動を広げていっています。

大谷: 御社の場合は小学生の教育という部分に昔から関わっていらして、最近でいうと老人ホームとかシニア向けのところもかなり伸びていらっしゃいます。今後の高齢化社会を見据えて、シニア世代に向けてのケアも含めて、御社はトータルで「ウェルビーイング」されていらっしゃるという感じですかね?

安達: はい、おっしゃる通りです。

Photo=Kaori Uchiyama ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

大谷: 「よく生きる」というのは、時代によって価値観が変わってきていると思います。昔、僕も進研ゼミをやっていましたが、その頃とは時代が変わって「よく生きる」という意味合いも変わってきているのではないですか? その辺を「ウェルビーイング」を提唱されている御社は、どういうふうにとらえていらっしゃいますか?

安達: 今までの子どもの教育は、子どもたちが将来ちゃんとした大人になっていくようにと、ターゲットがわりと絞られていたと思います。

ところが、これからの子どもは、おそらくもっといろいろなことをやっていかなくてはいけないでしょうし、考えることも多くなっていきます。コミュニケーション能力も必要になってくるでしょう。ですから、「よく生きる」に関わる範囲は、我々が考えている世界よりももっともっと広くなっていくと思います。

さらに、その中で企業というのは、自分たちのことだけを考えていてはいけない時代になってきているわけですから、世の中でサスティナビリティーということが話題になっているのではないでしょうか。その中で我々は、もっと社会に貢献していく、そういう視点で広げていこうと考えています。

 

すべての世代にわたって「よく生きる」を提案する事業

大谷: つまり、今、ライフサイクルのすべてを含めて「よく生きる」というふうに御社の視点が広がっているということですね?

安達: ええ、そういうことです。

介護の事業を始めたのは90年代の後半でした。子どもから始まり、妊娠したお母さんや子どもを育てているお母さんへのサービスを「たまひよ」としてスタート。子どもの教育だけではなく、赤ちゃん、あるいはお母さんをサポートするというように広げていき、さらには介護の事業を始めることによってシニアにも広げていったのです。

赤ちゃんからシニアまで、あらゆる世代を支援するという、そういう会社になってということですね。

Photo=Kaori Uchiyama ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

大谷: いわば、すべての世代にわたって「よく生きる」を提案する事業に取り組まれているということですね?

安達: ええ、今すでにそうなっているということです。

大谷: 本日は、貴重なお話をありがとうございました。

安達: こちらこそありがとうございました。

サステナブル・ブランド国際会議2020横浜の連載企画は今回が最終話となります。この後は、2021年の連載企画がスタートしますので、お楽しみに!

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ベネッセホールディングス株式会社 代表取締役社長 安達保

1977年 4月 三菱商事(株)入社、1995年 6月 マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン パートナー、2000年 12月 ジーイーフリートサービス(株)代表取締役社長、 2007年 11月 カーライル・ジャパン・エルエルシー マネージングディレクター 日本共同代表、2009年 6月 ベネッセホールディングス(株)取締役、2016年 6月 ベネッセホールディングス(株)取締役、カーライル・ジャパン・エルエルシー 会長、 10月 ベネッセホールディングス代表取締役社長(現任)、カーライル・ジャパン・エルエルシー シニアアドバイザー(現任) 

聞き手:ethica編集長 大谷賢太郎

あらゆる業種の大手企業に対するマーケティングやデジタルの相談業務を数多く経験後、2012年12月に『一見さんお断り』をモットーとする、クリエイティブ・エージェンシー「株式会社トランスメディア」を創業。2013年9月に投資育成事業として、webマガジン「ethica(エシカ)」をグランドオープン。2017年1月に業務拡大に伴いデジタル・エージェンシー「株式会社トランスメディア・デジタル」を創業。2018年6月に文化事業・映像事業を目的に3社目となる「株式会社トランスメディア・クリエイターズ」を創業。

創業9期目に入り「BRAND STUDIO」事業を牽引、webマガジン『ethica(エシカ)』の運営ノウハウとアセットを軸に、webマガジンの立ち上げや運営支援など、企業の課題解決を図る統合マーケティングサービスを展開中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

ethica編集部

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