[連載企画]人を癒す希望の火を灯す(第7話) キャンドル・ジュンさん SONG OF THE EARTH 311 – FUKUSHIMA 2021 – 【ethica副編集長対談】
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[連載企画]人を癒す希望の火を灯す(第7話) キャンドル・ジュンさん

(第6話)に続き、今回の副編集長対談はキャンドルアーティストCANDLE JUNE(キャンドル・ジュン)さんとオンラインで行いました。

キャンドル・ジュンさんは、1994年よりキャンドル制作を始め、2001年より平和活動『Candle Odyssey』を開始。紛争地や被災地を巡り、キャンドルに火を灯す活動を行っています。2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年、被災地支援を現在まで続けてこられ、毎月11日の月命日には必ず現地で復興イベントを実施されています。

そんなキャンドル・ジュンさんに、キャンドルとの出会い、ご自身が率いる⼀般社団法⼈LOVE FOR NIPPONによる東北被災地域での支援活動、そして、これからの未来の作り方についてお話を伺いました。

サラヤさんとのご縁

萱島: ジュンさんとサラヤさんとのつながりの中で、何かお話しいただけるようなことはありますか。

CJ: サラヤさんは、僕たちが避難所や仮設住宅に行く時、何か必要なものはないですかって聞いてくださって、今はコロナもですが、普通はこの時期からインフルエンザも増えてきますので、避難所や仮設住宅でも石鹸やマスクが必要になります。僕たちが被災地の支援を始めるようになってから、サラヤさんのようにいろいろなものを提供してくださる企業さんがありますが、僕からしてみれば、活動に対して寄付金がたくさん集まれば、それで何かを買って現地で渡すことができます。でも、わざわざお金を集めて必要なものを購入して渡すよりも、各企業やブランドが自分たちで生産しているものを渡すほうが、よりつながりを感じることができると思うのです。その人たちが被災者とつながりたいと思う時、最も得意なことで関わることが一番なんです。

どこかで災害が起きた時、キャンドル・ジュンがお金を寄付したところで、パフォーマンスはあまりよくないんじゃないかなという時に「現地ではずっと停電が続いているから、余震があっても倒れないようなローソクが欲しいです」といわれたら、僕が持っている太くて短いキャンドルを渡して「よかったです。ありがとう」っていう声が届いたほうがやった甲斐があるじゃないですか。それは、全てのことにいえると思います。

萱島: たしかに、お金を集めて買ってから届けるよりも、それぞれが自分の得意なことを持ち寄って直接支援したほうが早いですものね。

CJ: 例えば、福島で避難所を回っていると、Aという避難所には水はたくさんあるけど、お米がない。また、Bには水が全くない代わりにお米ばかりあるみたいなことがよく起きています。それって物資を入れ替えちゃえばいいじゃんと思うんですけど、いろいろと面倒くさい制約があったりしてなかなかできないことが多々あるんですね。そういう時も僕たちがそこをつないでいくという作業をしてきました。いただいた寄付金でこんな物資を購入した、こんな企業からこんな物資をいただいて届けましたといっている以上に、これを渡すから逆にここにたくさんある水をくださいみたいな、一見すると公的にはダメかもしれないことも実際にやっているんですよ。

ある野球選手の話

CJ: それにこんなこともあります。ある有名な野球選手が宮城県に5000万円を寄付したんです。そのことは宮城県民なら誰でも知っていますが、誰1人としてその人のお金をもらったという実感はないわけじゃないですか。本当にこれが正しい支援のやり方なのかなと考えてみたときに、もし僕だったら、5000万円のうちのいくらかで、子ども用のバットとグローブにその方のサインをいれてもらったものを作ります。そして現場に行って津波でダメになってしまったグラウンドなど被害状況を確認していきます。いろいろとヒヤリングしながらも、グローブなどを手渡して、修繕すべき場所や内容を寄付者へ伝えて、修繕費用をみてもらいます。さらに一年後とかには、毎年開催ができるような野球大会を開催してもいいかもしれません。そうして続けていたら、今頃甲子園に出場する高校生たちの何人かは、「あの時、野球なんかできるような状況ではなかったけれど、寄付してくれた野球選手さんからもらったこのグローブや、熱い想いから、両親はじめみんなが野球を続けさせてくれました!」という、選手が現れていたりするんではないですかね。

これって、自分も含めてですが、いわゆる売名行為といわれるものなんじゃないかって思うんですよ。でも、この売名行為こそがモノの価値としても正しいんじゃないかなと僕は思っています。むしろ、僕が思う真の「売名行為」とは、会社名を連呼してみたり、やってもいない社会貢献をうたったり、意味の分からない宣伝行為のことなんじゃないですかね。

みんなの善意の寄付や募金も県とかに行ってしまうと、県は県で市町村単位に平等に当たらなくてはならないし、なかなかうまく配れなくて何年間も復興予算が貯まってしまい、結局のところは訳の分からない復興イベントにお金を使ってというようなことがざらにあったりするんです。

ものすごい大量の物資を送ったとしても、今じゃそれをメルカリで売りますなんて人が出てきたりとか、タイミングや内容はとっても大切にしなければならない。もっといいやり方があるんじゃないか。僕はそういうことがしたいんです。

萱島: お互いに顔が見えたほうが、感謝の気持ちや感動が生まれるのでしょうし、ジュンさんがおっしゃるようにストレートにつながるというのが大切なんだと思いました。

連載企画「人を癒す希望の火を灯す/キャンドル・ジュン SONG OF THE EARTH 311 – FUKUSHIMA 2021 –」全8回にわたってお届けしてまいります。どうぞお楽しみに。

【連載】「人を癒す希望の火を灯す」を読む>>>

CANDLE JUNEキャンドルジュン

アーティスト/ フィールドデザイン/ ディレクター

1994年、キャンドル制作を始める。「灯す場所」にこだわり様々なフィールドで空間演出を行い、キャンドルデコレーションというジャンルを確立。

2001年、原爆の残り火とされる「平和の火」を広島で灯してからは「Candle Odyssey」と称し、悲しみの地を巡る旅を続ける。

2011年、東日本大震災を受けて「一般社団法人LOVE FOR NIPPON」を発足し支援活動を始める。

ethica副編集長 萱島礼香
法政大学文学部卒。総合不動産会社に新卒入社。「都市と自然との共生」をテーマに屋上や公開空地の緑化をすすめるコミュニティ組織の立ち上げを行う。IT関連企業に転職後はwebディレクターを経験。主なプロジェクトには、Sony Drive、リクルート進学ネットなどがある。その後、研究機関から発足したNPO法人に参加し、街の歴史・見どころを紹介する情報施設の運営を担当した。2018年11月にwebマガジン「ethica」の副編集長に就任。

ーーBackstage from “ethica”ーー

東日本大震災から10年を迎える福島で、CANDLE JUNさん率いる一般社団法人LOVE FOR NIPPONによる追悼復興イベント「SONG OF THE EARTH 311 – FUKUSHIMA 2021 -」が3月10日(水)から4日間にわたり開催されました。『One more action !』をテーマに、開催が叶わなかった2020年の想いとともに、CANDLE 11th、3.11夢の大凧あげ、FESTIVALやシンポジウムといったイベント実施されました。詳しくは公式サイトをご覧ください。

SONG OF THE EARTH 公式サイト
http://songoftheearth.info

提供:サラヤ株式会社
https://www.yashinomi.jp

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

萱島礼香

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