ネパール第二の都市、ポカラは観光客に人気のスポットです。湖を中心にしたこのリゾート地には、ネパール大学ランキングで常に上位にランクインするポカラ大学もあります。
そこで私が訪れたのが、全寮制の小中学校です。この学校は地方の村を中心に優秀な生徒が集まる学校で、英語での教育が活発です。
到着するなり、教室いっぱいの生徒たちが出迎え、伝統的な踊りや歌を披露してくれました。私たちは日本文化の紹介や、「幸せ」に関するアクティビティ、ディベートを行いました。
給食も子供たちと一緒にごちそうになり、学校の雰囲気もつかめてきた頃、私はとあることに気付きました。年齢層がバラバラの子供たちが仲良く遊んでいるのです。年長の子が年少の子の髪を結ってあげたり、あるいは年少の子が年長の子をからかって遊んだりしていました。
「学校」と言えば、同じ学年の人としか関わらないものだとばかり考えていた私は大変驚き、近くの職員の方に「学年は分かれていないのですか?」と聞きました。すると、学年は分かれているが、年長者が年少者の面倒を見るように教えている、とのこと。
なるほど、この学校は子供たちが子供たちだけで小さな社会を形成して、学校生活を営んでいるということでした。年少者が騒げば、年長者が注意する。それは日本のような鋳型の上下関係ではなく、小さな社会での社会関係なのです。