(第16話)「ごきげんがたくさん詰まったこの夏のキャンプ〜2日目」【連載】かぞくの栞(しおり) 暮らしのなかで大切にしたい家族とwell-being
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(第16話)「ごきげんがたくさん詰まったこの夏のキャンプ〜2日目」【連載】かぞくの栞(しおり)

心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態であることを意味する「well-being」。

一人ひとりがwell-beingであることが、社会や環境をより良くしていくことにつながるのだと思います。

では、「私にとって良い状態」ってどういうものなんだろう?

そのヒントは、意外と何気ない日常の中に散りばめられているのかもしれません。

新しく何かを始めるのも大切だけど、まずは身近な人や自分が「ごきげん」でいることから。

家族と過ごすなかで感じる、そんな一瞬一瞬を切り取って、綴っていけたらと思います。

暑い……。

朝日に照らされてムッと蒸し返るテントの中。横になったのが午前2時頃、まだまだ寝ていたいけれど暑さには勝てず、ゆっくり体を起こします。

 

寝不足の大人たちとは関係なく、娘はすでに全開モード。

今回は大人のなかに子ども一人と、やや暇を持て余しているので、水を張ったバケツと砂場遊びセットを渡すとそのへんから葉っぱや枝を持ってきて黙々とおままごと遊びに。

暑くなってきたら、バケツに腰までドボンと浸かって涼を取りつつ「おなかすいたー」とその場でブルーベリーをもぐもぐ。

 

朝ごはんは、冷やごはんで作った焼おにぎりと、地元のパン屋さんで買った食パンにキャベツ、ハム、チーズを挟んだホットサンドとウインナー、とうもろこし。

 

昨晩お腹いっぱい食べたのに、キャンプとなると、またぺろりと食べられてしまうのだから不思議です。

2日目の今日は、滝へトレッキング。

「30分くらい歩いたら着くと思う」という友人の言葉に、じゃあ、と私たち家族も一緒に歩き始めたものの、これが想像の何倍もヒヤヒヤする道のりでした。

 

起伏の激しい山道に、途中、木と木の間に張られたロープを支えに崖っぷちを進むという険しい道のりに、引き返す選択も頭をよぎります。

でも、友人たちの助けと娘の「だいじょうぶ、ばんがるで!(がんばる)」の一言で進み続けることに。夫と交代で娘の手を引きつつ、段差の大きいところはバケツリレーのように娘を手渡して、無事、滝のもとへ。

 

流れ落ちた水が岩や水面を激しく打ち付ける音を耳に、冷たく澄んだ水にそっと足をつけると、浸かるまでもなく体の熱が引いていくのを感じます。

 

「おみず、いっぱいながれてるなぁ」と吸い込まれるように滝を見つめる娘。

 

普段、隙あらば「だっこー」を連発している娘ですが、今日は1時間近く、険しい道のりをほとんど自分の力で歩ききりました。

そばで励ましてくれた友人のおかげか、たまたま本人のやる気か、自然の為せる技か。

一歩一歩足を進めた先のこの景色を一緒に味わえたことに、驚きと喜びで胸がいっぱいになった父と母なのでした。

キャンプで過ごした時間はたった数日でしたが、家族や友人と自然のなかで衣食住をともにしながら過ごす時間は、とても贅沢でかけがえのないものだなぁとあらためて感じたひとときでした。

 

昨今キャンプが流行っているのも、このような、何気ないけれど大切な、自然や人とのつながりを感じられる時間をみんな求めているからなのかもしれません。

 

娘も、たくさん楽しい遊びができたり、みんなに構ってもらえたりすることはもちろん、大人たちのリラックスした雰囲気を感じてか、終始機嫌よく。

環境の変化に慣れるにつれて、好奇心からいろいろなことにチャレンジしてみたり、できたことで自信をつけたりと、自然のなかで目の前のことに夢中になってのびのびと過ごしている姿に、親として何よりの幸せを感じた時間でもありました。

 

私たち家族にとってのウェルビーイングに欠かせないキャンプ。

またこの時間を求めて出かける日もそう遠くはなさそうです。

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

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