好奇心の火を決して消さない。相川七瀬さんの「今と未来」 デビュー25周年記念 独占インタビュー企画 Presented by SARAYA
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好奇心の火を決して消さない。相川七瀬さんの「今と未来」

撮影:平間至

歌手として、母としての顔に、昨年、大学生としての顔も持つようになった相川七瀬さん。行動力の源は「好奇心」。好奇心に突き動かされ、今、見えていること、未来に伝えていきたいこととは?

撮影:平間至

40代で大学生になったこと

相川さんが昨年、国學院大学神道文化学部の受験に合格し、40代で大学生になったことは大きなニュースとして報じられた。きっかけについてこう語る。

「子どもたちが頑張って勉強している姿に、学ぶっていいな、って。私は10代で高校を中退し、みんなが当たり前に学ぶことを飛び越えて歌の世界に飛び込んだ。その当たり前のことを取り戻したい、子どもたちのように学んでみたいという思いに駆られたのです」

また、10年ほど前から相川さんは地域の神社や祭りなどを通じた町おこし、地域活性化に携わっている。その活動の中で、専門的な知識が足りないことを痛感した。「感情論だけでなく、学術的な知見があればもっと地域の役に立てるかもしれない」。すでに国學院大学の科目履修生や同大学院の聴講生として授業は受けていたものの、「もっと学びを深めたい」と一念発起。大学進学を決意した。

3人の子育てと家事、ミュージシャンの仕事にも追われる中、さらに大学生に。時間のやりくりに苦労しているのでは?

「子どもとの時間は最優先と決めてはいたのですが、コロナ禍の影響で授業がほとんどオンラインになり、子どもの世話をしながら勉強できるように。私にとっては追い風となりました。もともと仕事はセーブする予定でしたが、次々と中止や延期に。ミュージシャンとしてライブができないことは精神的にとてもつらいことですが、大学の課題に追われていると、不安にコミットする間もない。結果的に心が折れずにすみました。本当に勉強があってよかった」

大学では、相川さんが大切にする「自然とのつながり」にも多くの学びを得ている。

「『神道と環境』という授業がとても興味深くて。たとえば神社は20年に一度、『遷宮』という建て替えをするのですが、古い建物や古材もすべて再利用する。とてもサステイナブルで、世界からも注目を集めています。日本人が昔からやってきたこと、生活をもう一度見直し、それを経済や生き方、そして環境に落とし込んでいくことで変わっていけるのではないか、と。とにかくおもしろい講義内容でした」

その講義で、なんとボルネオ島のアブラヤシプランテーションの話題が出てきたという。「現地で見たこと、経験したことを授業で発表しました。まさか神道の授業でボルネオ島の話をするなんて(笑)。経験、学び、人生、そして自然。すべてが繋がっていると思えた瞬間でした」

いくつになっても学べる、始められる!

今、世界はコロナ禍に襲われ、音楽業界も大きな打撃を受けている。しかし、今年7月にはデビュー25周年のライブツアーを決行した。「やるべきか、本当にやっていいのか、すごく悩みました」と相川さん。しかし「25周年は今年しかない。『今』という形で残すべきだと、最後は私が押し切った。無事に乗り切ることができ、感謝しかありません」

すべてのステージに、相川さんのデビューからプロデュースを手がけてきた織田哲郎さんが音楽監督、ギタリストとして参加した。「こんなに一緒に時間を過ごし、ましてや生の演奏を聴くのなんてデビュー以来。すぐそばで織田さんのプレーを見ることができたことが楽しくて仕方なかった!」と笑顔を弾けさせる。

織田さんの演奏はダイナミックでありながら、非常に緻密で繊細。「まるでCDの音源をそのまま再現したような、非常に完成度の高いライブになりました」。11月には同じメンバーで、さらに25年の集大成となるツアーに挑む予定だ。

撮影:平間至

女の子たちのカリスマ的存在だった20代、子育てに奮闘しながら人生とキャリアに悩んだ30代。デビューから25年が経ち、40代半ばを迎えた今、「1周回って、やっぱりロックは楽しい、ロックが好きと思えるんです」と相川さん。こう続けた。

「20代のような『恋の歌』は作れないし歌えないけど、いろんな経験をして、いろんな風景を見て、もがき苦しんだ今の私だからこそ歌える『愛の歌』がある。聴く人を勇気付けたり、そんなところで止まってる場合じゃないじゃん! と励ましたり、そういう歌をこれからも歌い続けていきたいですね」

最後に。相川七瀬さんにとって「私によくて、世界にイイ」ことは?

「好奇心の火を消さないこと。かな」

相川さんが大学進学したというニュースに、周りの同世代から「実は自分もやりたいことがあったけど、今さら……と言い訳してた。七瀬ちゃんがチャレンジしたなら自分も挑戦してみようと思う」という声が次々と聞こえてきたという。「みんな一緒だったんだ、大人になってもやりたいことがあるんだ!ってうれしくなって」と相川さんは笑顔を見せる。

「いくつになっても学べるし、いくつになっても始められる。好奇心は夢に繋がる道だから、無くしたくない。おばあちゃんになっても。人生100年時代、ですから(笑)。そして、そういう私の姿を子どもたちが見てくれたら、きっと彼らも好奇心を絶やさずに力強く生きていってくれる。次の世代、未来の社会へとつながっていく。そう信じているのです」

前編を読む>>>

相川七瀬 25th Anniversary Final Party 〜ROCK NEVERLAND〜 開催決定!
2021.11.07(日) 中野サンプラザホール

https://www.nanase.jp

文・中津海麻子

慶応義塾大学法学部政治学科卒。朝日新聞契約ライター、編集プロダクションなどを経てフリーランスに。人物インタビュー、食、ワイン、日本酒、本、音楽、アンチエイジングなどの取材記事を、新聞、雑誌、ウェブマガジンに寄稿。主な媒体は、朝日新聞、朝日新聞デジタル&w、週刊朝日、AERAムック、ワイン王国、JALカード会員誌AGORA、「ethica(エシカ)~私によくて、世界にイイ。~ 」など。大のワンコ好き。

構成・大谷賢太郎

あらゆる業種の大手企業に対するマーケティングやデジタルの相談業務を数多く経験後、2012年12月に『一見さんお断り』をモットーとする、クリエイティブ・エージェンシー「株式会社トランスメディア」を創業。2013年9月に投資育成事業として、webマガジン「ethica(エシカ)」をグランドオープン。2017年1月に業務拡大に伴いデジタル・エージェンシー「株式会社トランスメディア・デジタル」を創業。2018年6月に文化事業・映像事業を目的に3社目となる「株式会社トランスメディア・クリエイターズ」を創業。

創業9期目に入り「BRAND STUDIO」事業を牽引、webマガジン『ethica(エシカ)』の運営ノウハウとアセットを軸に、webマガジンの立ち上げや運営支援など、企業の課題解決を図る統合マーケティングサービスを展開中。

提供:サラヤ株式会社
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私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
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中津海 麻子

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