(第26話)自家製柚子胡椒の楽しみ【連載】かぞくの栞(しおり)
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(第26話)自家製柚子胡椒の楽しみ【連載】かぞくの栞(しおり)

心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態であることを意味する「well-being」。

一人ひとりがwell-beingであることが、社会や環境をより良くしていくことにつながるのだと思います。

では、「私にとって良い状態」ってどういうものなんだろう?

そのヒントは、意外と何気ない日常の中に散りばめられているのかもしれません。

新しく何かを始めるのも大切だけど、まずは身近な人や自分が「ごきげん」でいることから。

家族と過ごすなかで感じる、そんな一瞬一瞬を切り取って、綴っていけたらと思います。

柚子胡椒が好きです。

調味料のなかで、お醤油の次くらいにわが家の食卓には欠かせません。

 

ふわりと爽やかなゆずの香りに、ピリッと引き締まる辛味、素材を引き立てるほどよい塩気。

定番であるお鍋をはじめ、おでん、お刺身、焼き魚、焼き肉、サラダ、揚げ物、煮物、パスタに、クリームチーズなどと合わせてちょっとしたおつまみにも。

合わないものはないのではと思うくらい、ありとあらゆるお料理に使っています。

 

でも、意外とこれだ!というものに出会うのは難しいのです。

 

以前、大分を旅行した時にお土産で買った柚子胡椒がびっくりするほどの美味しさで。

その後たまたま近所のスーパーの特集で同じものを見かけて喜んで購入したものの、同じ感動は味わえず……。

その年々で出来合いが変わるのか、鮮度の違いなのか。

 

そんな柚子胡椒との一期一会の出会いを求めて、旅行先でもふと立ち寄ったスーパーでも、美味しそうなものを見かけたらつい手にとってしまいます。

そして、気がつけば冷蔵庫には常に数種類の柚子胡椒が並び「また買ったん?」と夫につっこまれることもしばしば。

そんな愛してやまない柚子胡椒なのですが、先日友人から新鮮な青柚子と青唐辛子をもらう機会があり、ついに作ってみることにしました。

 

材料は、青柚子と青唐辛子を1:1の割合で、総重量の20%の塩を目安に。

 

塩気と辛味が強いのは苦手なので、今回は青柚子の皮6個分(35g)、青唐辛子12本(約25g)、塩10gとやや柚子の割合を多めに作ってみました。

柚子の皮の青い部分だけを包丁で薄くそいでざっくり刻み、塩少々加えてフードプロセッサーにかけます。そこに同じく種とワタを取りのぞいて刻んだ青唐辛子(直接触ると刺激が強いので手袋必須)と残りの塩を少しずつ加え、味見をしながら好みの塩梅に調整。

 

青柚子のフレッシュな香りに癒されていたのもつかの間、青唐辛子の刺激は想像以上に強烈!次第に喉にまでピリピリ感が……。

興味津々で様子を見に来る娘に「ちょっと離れときな」と近づきすぎないよう促し、むせ返りそうになりつつも仕上げに取り掛かります。

 

フードプロセッサーである程度細かくなったらすり鉢に移し、すりこぎで丁寧にすり混ぜると角が取れてよりまろやかになるそうです。果汁も少々入れ、なめらかさを整えます。

完成した柚子胡椒は、市販の物とは違う青々とした色合いがとっても鮮やかで美しく。

消毒した瓶に詰めて冷蔵庫で保管し、1週間ほどすれば味がまとまってくるそうです。

 

と言いつつも待ちきれず、5日ほどしたところでちょこっと味見。

さっと蒸した鶏むね肉にたっぷりめに柚子胡椒をのせて。一口頬張ると、鶏肉の旨味とともに瑞々しい柚子の香りがふわりと鼻を抜けていきます。

 

いつも食べている柚子胡椒とは少し違う、フレッシュな風味の良さ。

これが手作りの醍醐味……!しばし美味しさの余韻に浸ったのでした。

 

ちなみに、残った実は絞って昆布、鰹節、しょうゆ、煮切ったみりんを合わせてポン酢に。こちらも数日おいたら食べごろです。

 

青柚子と青唐辛子の旬が出会う8〜10月にしか作れないという柚子胡椒。

友人のおかげで手作りするきっかけをもらい、その魅力にますます虜になりそうです。

今回の連載は如何でしたでしょうか。バックナンバーはこちらからご覧頂けます。

【連載】かぞくの栞(しおり)

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

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