(第27話)焚き火が心地よい秋のデイキャンプ【連載】かぞくの栞(しおり)
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(第27話)焚き火が心地よい秋のデイキャンプ【連載】かぞくの栞(しおり)

心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態であることを意味する「well-being」。

一人ひとりがwell-beingであることが、社会や環境をより良くしていくことにつながるのだと思います。

では、「私にとって良い状態」ってどういうものなんだろう?

そのヒントは、意外と何気ない日常の中に散りばめられているのかもしれません。

新しく何かを始めるのも大切だけど、まずは身近な人や自分が「ごきげん」でいることから。

家族と過ごすなかで感じる、そんな一瞬一瞬を切り取って、綴っていけたらと思います。

気軽に行ける日帰りのデイキャンプ

外で過ごすのが、とっても気持ちのいい秋。

暑い日差しが和らぎ、日中も冷たい空気を感じるようになると、焚き火の季節が近づいてきたと嬉しくなります。

 

キャンプも好きですが、気軽に行ける日帰りのデイキャンプが今の我が家にはちょうど良いと感じます。

野外で火を起こして、ご飯を作って食べてのんびり過ごす。何か特別なことをするわけではないその時間が、家族が日々ごきげんで過ごす上で欠かせないものとなっています。

 

我が家のデイキャンプの一番のテーマは、何もしない時間を味わう余裕をもつこと。

 

キャンプを始めた当初は、非日常のイベントとして楽しく充実したものにしたくて、ご飯は品数豊富にみんなが喜ぶごちそうを用意したり、空いた時間を持て余さないように過ごし方を考えたりしていました。

でもその結果、一日を通して準備、片付け、活動している時間が中心になり、心も体も休まる暇なく一日が終わってしまい、楽しかったけれど、どっと疲れた……という状態が続くことに。娘に対しても「ちょっと待ってね」と言うことが増えて、せっかく自然の中にいるのに「今この瞬間」を味わう余裕がないまま時間が過ぎていくことに、残念な気持ちになることも少なくありませんでした。

そんな反省もあり、最近はとことんシンプル、コンパクトなスタイルに。

装備も最低限に、タープとポップアップテント、折りたたみ椅子に焚き火台、その他調理器具や食器など。

アウトドアグッズは便利でおしゃれなアイテムも多く、ついどれもこれも必要な気になります。でも実際は家にあるもので代用できることも少なくないので、新たなものを揃えるのは慎重になりました。

 

食事は、火を通す手前の段階まで下ごしらえをしておくことで、現地での調理を最小限の時間にできます。そして必要な分だけ持っていけば、残飯はほぼなく、出るゴミも少なく、無駄なくきれいに始末出来ることは小さな喜びです。

 

ある日のメニューは、豚汁と新米の炊きたてごはん。

豚汁の具材は全部切ってお鍋に入れておき、現地でお出汁とお味噌を入れて煮こむだけの状態にしておきます。お米は洗って水を切ったらタッパーにいれておき、お鍋で炊きます。

あとは網で焼くためのお肉や海鮮、野菜やきのこのホイル焼きなどが定番です。

 

娘のお気に入りは、スティック状に切ったさつまいもにバターとはちみつを乗せ、ホイルに包んで焼いたもの。焚き火台の網の隅っこで時々向きを変えながらずーっと置いておくと、おやつの時間頃には、はちみつとバターが染み込んだホクホクのお芋に仕上ります。

ごはんをゆっくり食べて、食後はコーヒーとおやつを手にのんびりおしゃべり。温かい焚き火の前で、ただぼーっと過ごす時間が、内側からじんわり満たされるような幸せを感じさせてくれます。

 

娘は父親が焚き火を扱うところをじーっとそばで見つめて、お手伝いさせてもらえると大喜びです。とはいえ大人にとっては楽しいのんびり時間だけだと、娘は次第に退屈してくるので、お家から持ってきたお絵かきや折り紙をしたり、周りに落ちている石や葉っぱを食べものに見立てておままごとをしたり、周辺のお散歩に出かけたり。

 

日常の生活でもそうですが、時間と気持ちに余裕があると、娘の気持ちに娘のペースで付き合うことができ、お互いストレスが少なく過ごせると感じます。

 

楽しかったけれど慌ただしくて疲れた、という思い出で終わらないように、過ごし方はシンプルに、そして事前の準備をしっかり済ませておくのが、我が家にとっては一番無理なくみんなが楽しめる形でした。

 

自分たちにとってどんな状態が幸せなのか、いつも気づかせてくれるのが、焚き火や自然の中で過ごす時間です。

この心地よいと感じる状態を、キャンプに限らず日々の暮らしの中にも取り入れることができたら、それは家族にとっての豊かさにつながるかもしれないと思うこの頃。

まだまだ楽しい試行錯誤は続きます。

今回の連載は如何でしたでしょうか。バックナンバーはこちらからご覧頂けます。

【連載】かぞくの栞(しおり)

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

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