(第35話)夫婦で理想の一年を共有する【連載】かぞくの栞(しおり) 暮らしのなかで大切にしたい家族とwell-being
独自記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
(第35話)夫婦で理想の一年を共有する【連載】かぞくの栞(しおり)

心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態であることを意味する「well-being」。

一人ひとりがwell-beingであることが、社会や環境をより良くしていくことにつながるのだと思います。

では、「私にとって良い状態」ってどういうものなんだろう?

そのヒントは、意外と何気ない日常の中に散りばめられているのかもしれません。

新しく何かを始めるのも大切だけど、まずは身近な人や自分が「ごきげん」でいることから。

家族と過ごすなかで感じる、そんな一瞬一瞬を切り取って、綴っていけたらと思います。

「理想の一年」を家族会議

新しい年も気がつけば一ヶ月過ぎようとしていてびっくり。

あらためて、一日一日大切に過ごしたい……!と身の引き締まる思いです。

 

少し時は遡りますが、年明けに夫婦で昨年をふり返りつつ新しい一年をどう過ごしたいか、それぞれの思いを共有する時間を持ちました。

 

日頃から家族会議など話し合う場は定期的に持っていますが、そこでの会話はどうしても目の前のことが話題に上がりがちです。

現実的なことばかりに気持ちが引っ張られているとついつい視野も狭くなるので、それらを一旦脇に置いて、自分たちにとっての「理想の一年」について思いのままに考えてみることに。

 

自分自身が心から望んでいることは何か、そこにフォーカスすることで「自分たちがこれからどんなふうに生きていきたいのか」「何を大切にしたいのか」など価値観や今後の方向性を再確認できたらと思い、取り組んでみることにしました。

新しい年も、気がつけば1ヶ月を過ぎていてびっくり。

あらためて、一日一日大切に過ごしたい……! と身の引き締まる思いです。

 

年明けのことですが、夫婦で昨年をふり返りつつ、新しい一年をどう過ごしたいか、それぞれの思いを共有する時間を持ちました。

 

日頃から、家族会議など話し合う場は定期的に持っていますが、そこでの会話はどうしても目の前のことが話題に上がりがちです。

現実的なことばかりに気持ちが引っ張られていると、ついつい視野も狭くなるので、それらをいったん脇に置いて、自分たちにとっての「理想の一年」について思いのままに考えてみることに。

 

自分自身が心から望んでいることは何か。

そこにフォーカスすることで「自分たちがこれからどのように生きていきたいのか」「何を大切にしたいのか」など、価値観や今後の方向性を再確認できたらと思い、取り組んでみることにしました。

紙とペンを用意して、スマホの電源はオフにして。こういう話をする時間をつくれたらいいな……くらいに考えているだけだと、気がつくと流れてしまっていることも少なくないので、日時を設定し、しっかり集中できる環境を整えておくことは大切です。

 

まず、いくつかの問いに対し、思いつくままの答えを紙に書き出して言語化していきます。

たとえば、

 

・理想の一年は、どんな一年か

・もし理想が現実になったとして、その先にある願いは?

・理想の実現にあたって、ブレーキになっていることは?

・実現のために挑戦してみようと思うこと、逆にやめようと思うことは?

……などなど。

 

自分の中でイメージすることを言葉にすると、大切にしたいと思っている価値観もはっきりと見えてくるのが面白いです。

 

夫婦それぞれの理想の一年を見ると、私は日々の暮らしの豊かさが思い描く理想の中心になっているのに対して、夫の理想の中心は、仕事や自然のなかで家族や気のおけない友人と過ごす時間。

大切にしたいものの価値観は近いけれど、行動に移すときのベクトルは、家の内と外と、それぞれ違う方向に向いているんだなぁと感じます。

 

実際、これまでも、休日は釣りやアウトドアなど、とにかく出かけたい! という夫と、もちろんお出かけは大好きだけど、お家を整えたり、娘とゆっくり過ごす休みも悪くない……と思う私との間で気持ちのズレが生じて、ケンカに発展することもしばしば。

その反省から、昨年は、それぞれの思いを大事にし合うにはどうしたらいいのか、日々の過ごし方や、夫婦それぞれの時間と家族で過ごす時間のバランスを模索した一年でした。

一方で、それぞれが自分らしくいられて、家族にとっても心地いい状態は、ゆるやかな自然とのつながり、人とのつながりを感じられる時間のなかにあることも感じました。

 

自然のなかで気の合う仲間と過ごす時間や、野菜を育てたり、もの作りをしたり、生きることの根っこともいえるような時間。そして、シンプルで美味しいごはんを食べて、他愛もないおしゃべりをする時間。

 

夫婦でそれぞれに描いた「理想の一年」には、そんな時間がぎゅっとつまっていて、それらが非日常のイベントではなく、日々の暮らしと地続きであればもっといいよね、とお互いに願っていることが分かりました。

 

次の目標は、その状態を実現できる暮らしや仕事、生き方を模索していくこと。

具体的にどんなアクションを起こしていくかを、少しずつ話しているこのごろです。

 

夫婦といえども、完璧に分かり合うことなんてできないのは当たり前。

日々の小さな諍いで「もう知らんっ!」と全部放りだしたくなるような瞬間があるのもまた事実……。

 

だけど、やっぱり大切な家族だからこそ、しんどいことも楽しいことも分かち合って、自分たちらしい家族のカタチを模索することを諦めたくないとも思います。

 

その一歩として、一年の始まりに、夫婦で理想の未来について対話する時間を作れたのは、よかったなぁと思った話でした。

今回の連載は如何でしたでしょうか。バックナンバーはこちらからご覧頂けます。

【連載】かぞくの栞(しおり)

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
[エシカ編集部 体験企画]環境や人権に配慮したエシカル素材で心地の良いナチュラルな香りと時間を実感「Care me(ケアミー)」のインバスグッズ
sponsored 【 2024/3/29 】 Health & Beauty
一日の終わりのバスタイムは、その日の自分をとびきり労って心とからだを回復させてあげたい愛おしい時間。そんなセルフケアの習慣にほんの少し、地球環境や自分以外の人にもちょっと良いアクションが取れたら、自分のことがもっと好きになれる気がしませんか? 今回ご紹介するのはエシカ編集部が前々から注目していた、エシカルな素材を使って...
【ethica Traveler】 連載企画Vol.6 宇賀なつみ (第5章)ゴールデン・ゲート・ブリッジ
独自記事 【 2024/3/27 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブルな...
そろそろ知っておかなくちゃ! 水素のこと。森中絵美(川崎重工)×中村知弘(UCC)
sponsored 【 2024/3/26 】 Work & Study
2023年の記録的な猛暑に、地球温暖化を肌で感じた人も多いだろう。こうした気候変動を食い止めるために、今、社会は脱炭素への取り組みを強化している。その中で次世代エネルギーとして世界から注目を集めているのが「水素」だ。とはいえまだ「水素ってどんなもの?」という問いを持っている人も多い。2024年2月に開催された「サステナ...
【ethica Traveler】 連載企画Vol.5 宇賀なつみ (第4章)サンフランシスコ近代美術館
独自記事 【 2024/3/20 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 本特集では、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブ...
【ethica Traveler】連載企画Vol.4 宇賀なつみ (第3章)アリス・ウォータースの哲学
独自記事 【 2024/2/28 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。  今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブル...
【ethica Traveler】連載企画Vol.3 宇賀なつみ (第2章)W サンフランシスコ ホテル
独自記事 【 2024/2/14 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブルな...
【ethica Traveler】連載企画Vol.2 宇賀なつみ (第1章)サンフランシスコ国際空港
独自記事 【 2024/1/31 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブルな...
【ethica Traveler】連載企画Vol.1 宇賀なつみ サンフランシスコ編(序章)   
独自記事 【 2024/1/24 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。  今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブル...
【Earth Day】フランス商工会議所で開催するイベントにてethica編集部が基調講演
イベント 【 2023/4/3 】 Work & Study
来たる4月22日は「アースデイ(地球の日)」地球環境を守る意思を込めた国際的な記念日です。1970年にアメリカで誕生したこの記念日は、当時アメリカ上院議員だったD・ネルソンの「環境の日が必要だ」という発言に呼応し、ひとりの学生が『地球の日』を作ろうと呼びかけたことがきっかけでした。代表や規則のないアースデイでは、国籍や...
トランスメディア方式による新しい物語~『サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビューティーに整える』(序章)と(第1章)の見どころを紹介!~
独自記事 【 2023/8/17 】 Health & Beauty
エシカではメディアを横断(トランス)するトランスメディア方式を採用し、読者の方とより深くつながる体験を展開しています。今回は、「サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビューティーに整える」の序章と第1章についてのあらすじと見どころをお届け!(記者:エシカちゃん)
トランスメディア方式による新しい物語~『サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビューティーに整える』(第2章)と(第3章)の見どころを紹介!~
独自記事 【 2023/8/24 】 Health & Beauty
エシカではメディアを横断(トランス)するトランスメディア方式を採用し、読者の方とより深くつながる体験を展開中。さまざまなメディアから少しずつ情報を得、それをパズルのように組み合わせてひとつのストーリーを見出す、新しいメディア体験です。 今回は、前回に引き続き、「サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビュ...
テーマは、ナチュラルモダン『自立した女性』に向けたインナーウェア デザイナー石山麻子さん
独自記事 【 2022/9/19 】 Fashion
株式会社ワコールが展開する、人にも自然にもやさしいを目指すインナーウェアライン「ナチュレクチュール」。オーガニックコットン100%のラインアップが注目を集め、肌あたりやシルエットの美しさが話題になっています。その期待に応える形で、今年9月に新作グループも加わりました。やさしさを突き詰めた製品は、どのような想いや経緯から...
幸せや喜びを感じながら生きること 国木田彩良
独自記事 【 2021/11/22 】 Fashion
ファッションの世界では「サステナブル」「エシカル」が重要なキーワードとして語られるようになった。とはいえ、その前提として、身にまとうものは優しい着心地にこだわりたい。ヨーロッパと日本にルーツを持ち、モデルとして活躍する国木田彩良さんに「やさしい世界を、身に着ける。」をテーマにお話を聞いた。
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【Prologue】
独自記事 【 2021/3/1 】 Health & Beauty
20年以上、トップモデルとして活躍。究極の美の世界で生きてきた冨永愛さん。ランウェイを歩くその一瞬のために、美を磨き続けてきた。それは、外見だけではない。生き方、生き様をも投影する内側からの輝きがなければ、人々を魅了することはできない。「美しい人」冨永愛さんが語る、「“私(美容・健康)に良くて、世界(環境・社会)にイイ...
水原希子×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/12/7 】 Fashion
ファッションモデル、女優、さらには自らが立ち上げたブランド「OK」のデザイナーとさまざまなシーンで大活躍している水原希子さん。インスタグラムで国内上位のフォロワー数を誇る、女性にとって憧れの存在であるとともに、その動向から目が離せない存在でもあります。今回はその水原さんに「ethica」編集長・大谷賢太郎がインタビュー...
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【chapter1-1】
独自記事 【 2021/3/29 】 Health & Beauty
ファッションデザイナーが描く世界を表現するモデルは、まさに時代を映し出す美の象徴だ。冨永愛さんは移り変わりの激しいファッション界で、20年以上にわたり唯一無二の存在感を放ち続ける。年齢とともに磨きがかかる美しさの理由、それは、日々のたゆまぬ努力。  美しいひとが語る「モデル」とは?
モデルのマリエが「好きなことを仕事にする」まで 【編集長対談・前編】
独自記事 【 2018/12/24 】 Fashion
昨年6月、自身のファッションブランドを起ち上げたモデル・タレントのマリエさん。新ブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ、以下PMD)」のプレゼンテーションでは、環境に配慮し無駄を省いた、長く愛用できるプロダクトを提案していくと語りました。そして今年9月、ファッションとデザインの合同...
国木田彩良−It can be changed. 未来は変えられる【Prologue】
独自記事 【 2020/4/6 】 Fashion
匂い立つような気品と、どこか物憂げな表情……。近年ファッション誌を中心に、さまざまなメディアで多くの人を魅了しているクールビューティー、モデルの国木田彩良(くにきだ・さいら)さん。グラビアの中では一種近寄りがたい雰囲気を醸し出す彼女ですが、実際にお会いしてお話すると、とても気さくで、胸の内に熱いパッションを秘めた方だと...
東京マラソンと東レがつくる、新しい未来
独自記事 【 2022/5/2 】 Fashion
2022年3月6日(日)に開催された東京マラソン2021では、サステナブルな取り組みが展開されました。なかでも注目を集めたのが、東レ株式会社(以下、東レ)によるアップサイクルのプロジェクトです。東レのブランド「&+®」の試みとして、大会で使用されたペットボトルを2年後のボランティアウェアにアップサイクルするとい...

次の記事

読者対話型連載「あなたにとってウェルビーイングとは何か」 第7章:旧正月とベトナム編(第1節)
サステナビリティ経営とプレ財務情報の可視化 メルカリ 田原純香

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます