走って体力をつけ、美しくなり、チャリティをする! 「ランガール」プロジェクト
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走って体力をつけ、美しくなり、チャリティをする! 「ランガール」プロジェクト

2013年9月に行なわれたRunGirl★NightVol.4のスタート時の様子

スポーツの秋。ダイエットもかねて、スポーツを始めたい人も多いのでは?  そこで「走る女性のパワーで毎日を豊かに」をコンセプトに、女性のためのマラソン大会運営を行なうランガールの影山桐子さんにお話を伺いました。

影山さんはELLE ONLINEを経て、現在は雑誌「DRESS」の編集部で働く編集者。ランガールはモデル、スタイリスト、デザイナー、フォトグラファー、ライター、アナウンサー、PRなど、専門的な仕事につき、美について意識の高い女性がメンバーであるため、メンバーの専門性を生かしながら走る女性としてのプロデュース業も行っています。

一般社団法人ランガールのプロデューサー、影山桐子さん

女性が喜ぶマラソン大会を作りたい

——ランガールはどんなきっかけで始まったのですか?

影山さん: きっかけは、2009年11月に私が「駅伝大会に出よう」と呼びかけて50人くらいの参加者が集まったのに、申し込みをしようとしたらすでにエントリーを締め切っていたという失敗をしたことです。大会に出たいと思っている人をガッカリさせてしまって、とても落ち込みました。そのときに気づいたんです。「エントリーしたいと思える大会が少ないな」って。それで、なんとなく「出たい大会がないなら、自分でつくればいいんじゃないか。参加した人もハッピーになる。協賛してくれる企業もハッピーにできるはずだ」と思い始めました。

2010年1月に、PRの仕事をしている宇田川佳子さんと一緒にランニングをしながら「大会を作りたいんだよね」と話してみたんです。彼女は、ファッション業界のランナーに幅広いネットワークを持っていて、話してみたら「私も、そう思っていた!」と共感してくれました。彼女はネットワークづくりが得意、私は何かを作り上げることが得意。ちょうどELLE ONLINEの仕事を辞めてフリーランスで仕事をしているタイミングだったので、お互いに補いあうスキルを持った二人が力をあわせれば、できるのではないかと考えました。そして2010年9月に第1回ランガール★ナイトが誕生したのです。

——では、ランガールのマラソン大会『RunGirl★Night』は影山さんにとって「エントリーしたいマラソン大会」の要素が詰まったものなのですね! どんな特徴があるのですか?

影山さん: 一般的なマラソン大会って、まだまだ女性向けにはなっていない感があるんです。たとえば参加賞が喜んで着たいとは思えないようなTシャツだったり。そもそもサイズも男性向けで、Sでもぶかぶかだったりするんです。また、トイレが整備されていないこともあります。オシャレに楽しく走っている女性が増えているのに、大会はまだまだ女性向けのオシャレなものが少ないと感じていました。

そこで、ランガールでは参加賞が良くて、オシャレに走ることを楽しむ女性が満足できるマラソン大会を作ることにしました。マラソン大会のあとで打ち上げに行くことが多いのだから、パーティもセットにして、ラン後のクールダウンにヨガを取り入れたり、走る女性のためのファッションショーを行ったりしています。

RunGirl★Nightのアフターパーティで行なわれた、ファッションショーの様子

走りながらチャリティを続ける

——東日本大震災以降、チャリティを組み込むイベントが増えましたが、ランガールは2010年の『RunGirl★Night』からチャリティを行なっていますよね。なぜチャリティを組み込んでいるのでしょうか?

影山さん: チャリティをやるのが当たり前だと思ったのです。走ることは気持ちのよいことだと実感しているので、その気持ちよさを社会にお返ししたいという想いでやっています。

——具体的にはどんなチャリティ活動をしているのですか?

影山さん: 『RunGirl★Night』の参加費のうち500円をチャリティとして寄付しています。ランガールのメンバーはみな、ランガール以外に本業を持っているので、マラソン大会の運営はすべて無償ボランティアで行なっています。そのため、パーティなどを行ないながらも、寄付ができています。また、大会で出展するチャリティショップの売り上げも、すべて寄付しています。

——寄付先はどのように決めているのですか?

影山さん: 参加者の皆さんがお支払いくださった参加費から寄付金を渡すので、寄付先は慎重に決めています。1年目のマラソン大会では寄付先候補のオフィスを実際に尋ねて、寄付を渡す意味があるのかを慎重に見極めました。結局、参加者が女性ということから、乳ガン遺児・乳ガン闘病中の母をもつ子どもたちのための「J.POSH奨学金まなび」、女性医師が中心となって、健康で素敵な人生を歩むための情報発信を行なう「NPO医療情報広報局」に寄付を行ないました。

2年目の『RunGirl★Night Vol.2』は東日本大震災後だったので、ランガールでどのような支援をするかを真剣に検討した上でジョイセフさんと南三陸の被災地に直接支援物資を届ける活動を行いました。3年目は被災地の子供たちのチャリティを目的としたマラソン大会「PARACUP SENDAI」とジョイセフさん、4年目は「NPO法人乳房健康研究所」に寄付を行ないました。

『RunGirl★Night』に参加するランナーの女性たちは日頃からご自分の体に対する意識が高い方が多いので、イベントとチャリティをあわせて行なうことを考えると、こういったチャリティ先に自然と落ち着きました。

走ることがもたらすもの

——影山さんは、日頃どのくらいの頻度で走っていらっしゃいますか?

 影山さん: はまっているときは毎日のように走ります。でも、走るときと走らないときとでアップダウンがありますね。たいていは週4日、1日30分くらいです。最近はちょっと走るペースが落ちてきて太ってきたので(笑)、もう少し走ろうかと思っています。

——影山さんにとって、走ることのメリットはどんなところにあるのですか?

影山さん: 「走る」ということをきっかけに世界が広がっていくのがメリットだと感じています。誰かと話をしていて、走っている人同士だとわかると、簡単に友達になれてしまうと思うんです。また駅伝に一緒に出て、たすきを繋ぐと仲良くなれるということは一度体験すればわかります。それから、大会に一緒に出ようと誘うことをきっかけにしても友達の和は広がっていきます。私は走ることをきっかけに300人くらいの人とご縁を結ぶことができたのですよ。

——今後ランニングを始めようと思っている人に、何かアドバイスがあったらお願いします。

影山さん: まずはだまされたと思って走ってみてとお伝えしたいです。走ってみたら気持ちよさがわかりますから。プロのランナーも言っていますが、最初から全力で走ろうとしないで、5分走って5分歩くというやり方からスタートするので良いんです。友達とおしゃべりをしながら走ると、続けやすくなると思いますよ! また、靴はちゃんとランニング用のものをスポーツ専門店で店員さんと相談しながら選んでほしいです。

——少しずつで良いのであれば、始められそうです。今日はお時間をいただき、ありがとうございました。

60歳になってもランガールを続けて、その年代でできることをやっていきたいと語る影山さん。2013年2月には、ランガールがプロデュースする、ヘルスコンシャスな女性向けのシェアハウス、Fresh share JINGUMAEも神宮前にオープンしたとのこと。活躍の場を広げるランガールは、現在会員を募集中。会員になるとランガールが主催する練習会等の各種イベントに参加できるそうです。

ランガールのイベントに参加して、走る気持ちよさを味わってみませんか?

取材協力=一般社団法人ランガール 影山桐子さん

FelixSayaka

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