「いのち輝く未来社会のデザイン」という壮大なテーマのもと、私たちを世界へ、そして未来の旅へと誘う大阪・関西万博2025。世界中の英知と技術が多種多様に結集する中で注目すべきなのが、広大な海をインスピレーションの源とするパビリオンです。
生命の源であり、生態系にも欠かせない恵をもたらす海は、気候変動や環境汚染といった地球規模の課題に直面しています。しかし、その深遠な世界には、未だ解き明かされていない多様な生物や、持続可能な未来を築くための無限の可能性が秘められています。今回の万博でも「海」をテーマに掲げ、独自の哲学と最先端の技術で未来の海のあり方を提案するパビリオンがいくつも見受けられます。各パビリオンがどのようなビジョンを描き、いかに来場者の心に海の重要性を刻み込むのかを見届けていきましょう。
今回は、モナコ公国、そしてBLUE OCEAN DOMEを巡ります。まず初めに訪れたのはフランス南東部の地中海に面した世界で2番目に小さな独立国家であるモナコ公国です。カジノ・ド・モンテカルロやF1モナコグランプリで世界的に知られ、高級リゾート地として富裕層を魅了するモナコは、グリマルディ家が700年以上統治する歴史を持ち、故グレース・ケリー公妃の存在も有名です。美しい景観、温暖な気候、所得税のない税制が特徴で、海洋保護にも力を入れるなど、華やかさと持続可能性を両立するその取り組みをお伝えします。