「モチベーション」なしには何も生まれない【スミレのドイツ留学 回想録】
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『ethica(エシカ)』6月号のテーマは、「エシカル世代」です。

「エシカル世代」とは、1995~1999年に生まれた、「エシカル」「フェアトレード」などに関心が高い世代のことが特徴だそうです。ちなみに1997年生まれの私は、まさにエシカル世代。とは言いながら、特に「エシカル」を意識することもなく、日本で、子供たちにかかわるワークショップなどで活動していましたが、思うところあり、2019年からの1年間、文部科学省が実施している「トビタテ!留学JAPAN」の9期生として、ドイツに滞在しました。すると、そのドイツで触れた地球や動物に優しい暮らしや考え方は、まさに「エシカル」そのもの。衝撃的でした。「エシカル世代」の自分たちのあり方を思いながら、そこで学んだこと、感じたことを綴っていきたいと思います。

大学で勉強をしたい

ドイツに来て早くも7か月半が経ちました!

大学に行かない日々。学業から離れた日々。

そんな毎日を過ごす中で学んだことが「モチベーションを持つことの意義」でした。

私はすでに3年間の大学生活を終えています。特に学びたいことが明確に無かった高校3年生の私は、好きだった英語をもう少しやってみるか!という軽い気持ちで英語学科を選びました。色々な分野、学部の授業を英語/日本語で幅広く取ることができるこの学科で、私は何となく興味のある講義をたくさん取ってきました。けれど、今でも記憶に残っている講義は正直10くらいしかありません。まとめると、私はこれまで大学で「学んでいる!」という感覚を得ることができませんでした。

そんな私ですが、今、「ああ!大学で勉強したい!」という瞬間がたくさんあります。ドイツ語、英語はもちろん、地球環境のこと、教育学、心理学、これまで一度も好きになれなかった歴史ですら、今は勉強したいと思います。

ドイツに来て私が今でも苦戦しているドイツ語。

実は初めてドイツ語に触れたのは高校2年生の時。国際教養科の第二言語の授業でした。大学でもドイツ語を選択しています。こう数えるとドイツ語歴は実はとても長い…。高校でも大学でもドイツ語の成績はいつも優秀でした。成績はよかったものの、モチベーションは高くありませんでした。ドイツに行くと決まっても中々モチベーションは上がらず…。本気で勉強したことはありませんでした。

そんな私がドイツに着いた時、話せたことは 「私はスミレです。21歳です。日本から来ました。」本当にこの程度のものでした。子どもたちの言っていることが何一つとして理解できなかった幼稚園初日。日本で、モチベーション無しに勉強したものは何一つとして身についていなかったという事実を突きつけられ、ショックを受けました。

何が言いたいかというと、「モチベーション」なしに勉強しても意味がないということ。

そしてモチベーションはすぐに見つかる場合もあれば、そうでない場合もあります。英語へのモチベーションは小学生の頃にすでに見つけました。実際にそのモチベーションが今につながっています。一方で、大学で学ぶモチベーションを見つけるのにかかったのは4年。ドイツ語を学ぶモチベーションを見つけたのは、実際にドイツに来てから。ドイツ語に触れた日から5年もかかりました。

今やっていること/学んでいることに魅力を感じられない。そう感じた時、そのまま続けるのはもったいない。そんな時にできることが2つあると思います。

一つは、そのことに対するモチベーションを探すこと。

もう一つは、自分は何に対してモチベーションを持っているのか、自分の元々持っているモチベーションを見つけること。

そして一度見つけたモチベーションを大切にすること。

ドイツに来て、モチベーション探しを大切にする若者の姿をたくさん見てきました。日本に比べ、高校卒業をしてそのまま大学に進学する人がとっても少ないドイツ。なぜなら、モチベーションがまだ見つかっていない人は、まずは自分が何をやりたいのか、モチベーションを探す時間を作るからです。海外に行ってみたり、職業体験をしてみたり、アルバイトをしてみたり、モチベーションが見つかるまでは次のステップには進まない。

進むペースはゆっくりかもしれない。でもそれは「意味のある時間を過ごすための準備期間!」

モチベーションを、そしてそれを見つけるための時間や機会をより大切にする人が日本でも増えたらなと思います。そして私も、現在見つけたモチベーションを大切にしていきたいです。

記者:スミレ

1997年生まれ。千葉県出身の大学生。トビタテ9期生として、2019年1月よりドイツに留学。2016年よりNPO法人じぶん未来クラブにて学生ボランティアとして活動。日本各地で行われる教育ワークショップにてこれまでに1000人以上の子どもたちと関わる。ボランティアリーダーとして各ワークショップを率いたり、新規ボランティアを対象とした研修等も行う。学業やアルバイトからは得ることのできない「ボランティアの魅力」を1人でも多くの学生に伝えたいとの想いのもと、「ボランティア先進国」と呼ばれるドイツにてボランティアを行いその仕組みを探る。

Pay it Forward ~優しさは連鎖する~

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

スミレ

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