売らないと意味がない!?「売る」ということ エシカリスタVol.25 Ethical Fashion Japan代表 竹村伊央さん
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最近、エシカルの販売をする機会がたくさんあり、「売る」ということに対して考えてみました。4月10日から2週間にわたり東急百貨店東横店でのポップアップショップでエシカルな物を集めて販売していたのですが、連日商品の説明をし、どうお客さまに買ってもらうかを研究していました。販売員のバイトをしていたときに教わった知識を活用しながら、あともう1点購入してもらうにはどうするかとか、こちらの商品でなければあちらの商品ではどうかと、いろいろ提案してみたり……すると、「もしかして私、『買わせて』いるんじゃないか?」と思うようになったのです。

私はお客さまが本当には必要としていないものを買わせているのか? 不必要にそそのかして買わせているのか? そうなれば、「BUY!BUY!BUY!」と煽って買わせる販売と変わらないじゃないか? ーーそこで、なぜ販売する意味があるのかを考えてみたのです。私たちは売ることによって、何を提供できたらHAPPYにつながるのか。

まず1つに、商品を通じてエシカルなやり方があるということを知っていただけること。ただ「かわいい」と思って購入した商品が、実はエシカルなやり方で作られていた。ファッションの裏はこんな問題があり、その解決方法としてこの商品ができあがったんだ、ということを感じていただけること。

もう1つは、作り手さんのことを考える。工場の人や職人さんが丹精込めて作った商品が売れ残ってしまうという現状は悲しいですし、なによりその商品が売れることこそ、彼らの生活を支えているのだという「つながり」を感じていただけること。特に、エシカルなものづくりではトレーサビリティが根幹にあるので、商品に携わった人が誰なのか、はっきり「つながり」が分かります。その方々のために、商品が売れて発注がさらに増えるという良いサイクルになると良いです。

だからこそ売るときにも工夫をしていかないといけないと思いました。お客さまに合わせて、商品説明の内容は変えていましたが、「なぜその商品が生まれ、なぜここで売られているのか」という根本的な情報が、お客さまに伝わるようにしていかなければならないと思います。来客されたお客さまが、見ても読んでも着ても楽しいーーそんな店作りをしたいと思いました。

次回の売場は「ORGANIC LIFE TOKYO (http://organiclifetokyo.com/)」です。

マルシェ的な感じで3日間エシカルな商品を販売します! ここでも、楽しいエシカルファッションを提案できればと思います。

 

本記事はETHICAL FASHION JAPANに2014年4月24日に掲載されたものです。http://www.ethicalfashionjapan.com/2014/04/sell/

Ethical Fashion Japan代表  竹村伊央さん

1982年名古屋市生まれ。高校卒 業と同時に渡英し、イギリスでエシカルファッションが興隆しつつある2005年より、エシカルファッションムーブメントを作り上げたブランドの1つ、 JUNKY STYLINGに勤務。またスタイリストとしても活躍し、エシカルを中心としたスタイリングも手がける。2010年帰国後、2012年にEthical Fashion Japanを設立。同年に「ファッション×社会問題」をコンセプトにしたエシカルファッション誌「Emagazine」をローンチするほか、2013年3 月の1周年イベントでは日本初のエシカルファッションのショッピングイベントをエシカルブランド14社と開催。ファッションとしてエシカルを根付かせるさ まざまな取り組みを行う。

Ethical Fashion Japan

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