これからは私たちで国を引っ張る?!ノンステートアクターの広がり/Climate Saturday
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ethicalista(エシカリスタ)」は、webマガジン「ethica(エシカ)」読者による情報発信の場です。

今回は、「Climate Live Japan」実行委員会の学生による情報発信をお送りしていきます。

ノンステートアクター(非国家アクター)

気候変動対策って、国が決定してくれないと結局何も進まないんじゃないの?

そう思っている人多いはず。

でも、国際社会で決定されてきた気候変動対策を率先して導いてきたのって、実は国家ではないんです。

ノンステートアクター(非国家アクター)って言葉、ご存じですか?

今、国家(政府)以外の組織、つまり、企業や自治体、NGO、市民団体などが主体の「ノンステートアクター」が、世界の気候変動対策に大きな影響と圧力を与えています。

例えば、2017年6月、トランプ元大統領がパリ協定離脱を表明した直後には、米企業、大学、州、都市が「We Are Still In(我々はパリ協定に留まる)」とメッセージを掲げたウェブサイトに名を連ね、政府がパリ協定を離脱してもパリ協定に残る、と宣言したネットワーク (WASI) が誕生。

マクロン大統領の呼びかけで開催されたパリの気候変動サミット

同年12月、フランスのマクロン大統領の呼びかけで開催された、各国の首脳級が集まるパリの気候変動サミットでは、

・仏保険大手アクサが石炭関連企業から24億ユーロの投資の撤退を表明

・米資産運用会社ブラックロックが120社に対し、気候変動による経営リスクの開示を要求

・225の機関投資家が100社に温暖化対策を要求

・仏ミシュランなど54社の企業が政府に対し、二酸化炭素排出量に応じて課金するカーボンプライシングの導入を要求

などなど、企業や投資家といったノンステートアクターが、政府に代わって積極的な動きを見せました。

また、2018年にポーランドで行われた COP24 では、当時15歳のグレタ・トゥーンべリが、世界のリーダーたちに本気の気候変動対策をするよう訴え、彼女に共感した若者たちによる Fridays For Future のムーブメントが世界中で起こっています。若者のノンステートアクターも、国に圧力をかける大きな存在になりつつあるんです。

国の決定を待っていては間に合わないから、企業、自治体、NGO、市民が先に動こう。

この動きは、世界の気候変動対策の動きと比例して、特にパリ協定の採択以降、急速に活性化しているんです。

なんだか、ワクワクしない?

参考文献

動画チャンネル環境省COOL CHOICE 『気候危機時代を生き抜く「気候変動×防災」戦略 ②科学者が指摘「気候変動×防災」の重要性』https://www.youtube.com/watch?v=w6UnCzE0OXs

日刊工業新聞社 ニュースイッチ『温暖化交渉、主役は“非国家主体”へ』https://newswitch.jp/p/11585

Energy Shift 『COP25からCOP26へ、非国家アクターは気候危機対策をリードするか』https://energy-shift.com/news/4f38f162-7ab7-4111-8c64-de2721753709

WWF 『COP23現地報告:「アメリカの責任」を果たす非国家アクターの動き』https://www.wwf.or.jp/activities/opinion/199.html

国連広報センター『グレタ・トゥーンベリさんによる #COP24 でのスピーチ』https://youtu.be/8H0L16I_3KY

MINI

麗澤大学ドイツ語・ドイツ文化専攻4年

ドイツ留学で出会ったヴィーガンという生き方をきっかけに気候変動問題の深刻さを知りました。

コロナ禍で、自分にできることを少しずつ始めていましたが、だんだん一人でやれることには限界があることを感じ、一緒にこの問題に立ち向かえる仲間が欲しいと思ってClimate Live Japanの実行委員になりました。

Climate Live Japan 公式HP

https://readyfor.jp/projects/climatelivejapan

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