【連載コラム】大阪・中之島の建築巡り (第1話)まるでアテネのパルテノン神殿
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【連載コラム】大阪・中之島の建築巡り (第1話)まるでアテネのパルテノン神殿

©Osaka Convention & Tourism Bureau (公財)大阪観光局

普段、何気なく目にしているはずの建物の数々。しかし、中之島の街を歩いていると、そこには、ただならぬ美しさの気配を感じます。調べてみれば、中之島には日本を代表する建築家たちの名建築が数多くあるようです。(記者:エシカちゃん)

100年以上の歴史を伝える大阪府立中之島図書館

「天下の台所」と呼ばれた江戸時代から、行政・経済・文化の中心地として発展してきた中之島には、文化施設やオフィス・商業施設等が集まりました。美術館をはじめとする文化施設の他にも、大阪府立中之島図書館等の歴史的建造物が数多く建ち並んでいます。

そんな中之島で、今回は、120年以上も前に建てられ、今なお現役で使われている「大阪府立中之島図書館」を訪れました。

©Osaka Convention & Tourism Bureau (公財)大阪観光局

大阪府立中之島図書館(設計:野口孫市と日高伴/竣工:1904年)

大阪府立中之島図書館は、住友財閥第十五代当主の住友吉左衛門友純の寄付により建てられた図書館です。欧米の経営者が、文化・社会事業に多額の寄付をしていることに感銘を受けた友純が、大阪府へ図書館の寄贈を申し出たことから、図書館の建設が始まりました。

建設にあたって、友純は住友本店に臨時建築部を設置。(住友本店の)技師長として迎えられた野口孫市と、技師の日高伴により図書館の設計が行われました。

Photo=Kentaro Ohtani ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

中之島図書館のその外観は、まるで、ギリシャ・ローマの神殿のようです。正面に並ぶ4本の円柱に支えられた三角屋根。よく見れば、柱にも屋根にも、精密な飾りが施されていることが分かります。

しかしながら、館内に足を踏み入れると、おや!? 内部空間には、ギリシャ・ローマ建築の外観とは、また違った面持ちが広がっています。円形の壁面や、曲線を多く用いた回廊式の階段からは、古典様式の厳かなイメージから解き放たれた、自由奔放な軽やかさを感じるのではないでしょうか。

Photo=Kentaro Ohtani ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

天井のステンドグラスから差し込む光が柔らかく跳ね返るのは、(恐らく)階段に国産の木材が用いられているから。ヨーロッパを真似て階段等に大理石を使用していたのなら、この心地良い温もりは、生まれなかったように思います。

©Osaka Convention & Tourism Bureau (公財)大阪観光局

大阪商人たちの学問所「懐徳堂」の集まり等に使われていたという中之島図書館の記念室は、正面玄関ホールの真上、ちょうど入り口上の半円形の飾り窓がある場所に位置します。

ここでちょっと裏話。中之島図書館と、その前年(1903年)に完成した日本銀行大阪支店の中心軸を結んでみると、驚くことに(その線は)ピタリと一致しています。記念室の半円形の窓は、船の舵(操舵輪)をイメージしたと言われます。文化と経済を繋ぐ舵取りを、中之島図書館が担っていく・・そんな開館時の想いが、何だか聞こえてくるようです。

記念室に置かれた椅子やテーブル等の調度品は、当時のまま残されています。設立時の面影を残すに空間美に、ゆっくりと浸ってください。

Photo=Kentaro Ohtani ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

(第2話へつづく)

記者:エシカちゃん

白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

エシカちゃん

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