【ethica Traveler】エシカ編集部が誘う、新潟・上越の旅 ウェルネスツーリズム体験
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【ethica Traveler】エシカ編集部が誘う、新潟・上越の旅 ウェルネスツーリズム体験

今回、滞在するのは、ドイツ発の「クアオルト」を取り入れた健康ウォーキングを体験できる「ロッテアライリゾート」 Photo=Kentaro Ohtani ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに、エシカルライフの観点から生活に彩りを添えるさまざまな情報を発信しているエシカでは、中期戦略「ethica next 10 years」と冠して読者の皆様に、エシカの世界観をよりリアルに体験できる場を提供していくことを目指しています。

そんな中で編集部が今注目しているのは、心と身体のバランスを整え健康を気づかう旅「ウェルネスツーリズム」です。

近年では、医療機関と提携した治療や機能回復に特化したものもあれば、温泉やスパ、オーガニックフード食を取り入れた美容やリラックス効果の高いもの、文化や現地の人との交流を通じて知見を広げるカルチャー面が強いものなど、あらゆるニーズと目的に合わせたプログラムが多種多様に用意されており、自分に合った旅を選べるのが嬉しいところです。

そんなウエルネスツーリズム体験として今回ご紹介するのは、ドイツ発の「クアオルト」を取り入れた健康ウォーキングを体験できる、新潟県妙高市のロッテアライリゾートでの旅。ウィンタースポーツで人気の新潟県ですが、実はサマーシーズンも、子供から年配の方までそろって楽しむことができる、夏ならではの体験が盛りだくさんです。涼しくて緑がいっぱいの場所で過ごす、健康を気づかったウェルネスツーリズムを一緒にみていきましょう。

上越妙高駅から車で10分、徳川家康による国家事業で誕生した高田城へ

2015年に開通した北陸新幹線で、東京からは二時間もあればたどり着けるほどアクセスの良い上越妙高駅。そこから車で10分ほどの距離にある歴史を感じる場所が、今では大きな公園を内包する高田城跡です。ここは1613年(慶長十八年)に徳川家康が六男・松平忠輝に築城を命じて誕生した高田城があった歴史的価値のある城跡です。

高田城の外堀(東京ドーム4個分)をハスが埋め尽くす、その姿は息を呑むほど壮観。「新潟景勝百選」に選定されている。 Photo=Kentaro Ohtani ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

現在、建造物としては平成五年に復元された「三重櫓」や、本城御門へ入る内堀にかけられた「極楽橋」などが残っており、本丸跡地にはかつて旧陸軍第十三師団が、その後現在までは中学校が建設され、役割を変えながら今日も歴史を刻んでいます。その周辺は高田城址公園となり、全体が新潟県の史跡に指定された名所となっています。

高田城址公園は「さくら名所100選の地」「日本の歴史公園100選」にも選定されており、 高田城は「日本三大夜城」に認定されている。

さらにこの場所は、全国屈指の花の名所であることも見どころポイントです。1909年(明治四十二年)陸軍師団の入場を祝って内堀と外堀に沿うように周辺には2200本もの桜が植えられ、今では約4000本もの桜が約3000個のぼんぼりに照らされる日本三大夜桜のひとつに挙げられています。そして夏になると、今度はお堀を埋め尽くす一面の蓮の花が咲き誇るのも特徴です。春には観桜会、夏には観蓮会が催され、華やかな宴が開かれる場として多くの人々に愛でられています。

滞在先は、妙高山麓の裾野に広がるロッテアライリゾート!

上越妙高駅から無料のシャトルバスに乗って約30分で到着するのは、妙高山麓の裾野に14ものコースから構成されるゲレンデを有し、広大な敷地の中に建つロッテアライリゾートです。

上越エリアを代表する広大なリゾート施設「ロッテアライリゾート」その敷地は100万坪にも及びます。

ロッジ棟、クラブ棟、ネスト棟、アライ棟と、4つの棟から成り、客室は全部で257室。どの棟も、至るところにラウンジやオープンスペースが設けられていて、壁にはたくさんのアート作品が飾られ、まるで巨大な美術館の中にいるかのような上質な空間が広がります。

上質な家具でコーディネートされた客室 Photo=Kentaro Ohtani ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

用途に合わせて利用できる充実した施設もさまざまに設けられており、中でも編集部の一押しは重厚な書斎のイメージを体現したかのような「ライブラリー」スペースです。ゆったりしたソファやテーブルが空間にゆとりを持って優雅に置かれ、天井まである棚には分厚いアートやデザインの本が、目移りしてしまうほどたくさん並んでいます。実にその数は千冊以上で、宿泊者はいつでも自由に閲覧が可能とのこと。

重厚な書斎のイメージを体現したかのような「ライブラリー」 Photo=Kentaro Ohtani ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

並ぶ本はテーマ別に分けられていて、主に、ジャパニーズビューティー、ラグジュアリー、ネイチャー、アート、アーキテクチャー、ディスカバー、という6つで構成されているのだとか。さらにはコーヒーもフリーサービスで提供されており、一日中過ごしても飽きない、好奇心と知識欲をくすぐるスペースとなっています。

施設内には露天風呂も Photo=Kentaro Ohtani ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

身体を動かしたい人には屋内・屋外ともにプールが完備されていて、フィットネスジムも併設。ゆったりリラクゼーションがしたければ天然温泉の露天風呂に浸かることもできて、別棟に独立された広大なスパも新たに建設が進められています。また、ビジネスパーソンにも嬉しいコワーキングスペースや、集中したい時の個室型のリモートワークルームも用意されているため、各々のニーズに合わせた時間の過ごし方ができる空間が至れり尽くせり整えられているのが嬉しいところです。

ドイツ発のクアオルトを実践できる、自然の力を使った療養地

ドイツ語の「Kur(療養)」と「Ort(場所)」を組み合わせた言葉が語源の「クアオルト」。まだ日本では耳馴染みのない人も多いかもしれませんが、クアオルトは「自然の力を使って治療する地域」として療養地や健康保養地のことを指します。複数の療法がある中でも代表的なものには、自然の地形や気候を利用し、心臓病のリハビリや高血圧、骨粗鬆症などの治療に用いられる「気候性地形療法」というものや、温泉を利用する「温泉療法」、ハーブや薬草などを活用して健康増進や病気の予防を目指す「植物療法」などがあります。本場のドイツでは、国が認定したこうしたクアオルトの地が300以上存在していて、医療保険が適用される場合もあるのだとか。また、病気の治療だけではなく、健康増進や予防、リハビリテーションなど、様々な目的で活用されていることも特徴です。

セロトニン研究の第一人者 有田秀穂氏(東邦大学名誉教授)クアオルト健康ウォーキングにも同行頂きました。 Photo=Kentaro Ohtani ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

実は日本でもクアオルトに取り組む自治体は徐々に増えてきており、妙高市もその一つ。2023年にはこのクアオルトのウォーキング専門コースとして「笹ヶ峰コース」「フォレストウォークコース」という2つの道が「クアの道」として認定されています。この「フォレストウォークコース」は、ロッテアライリゾートが景観に優れた敷地内を開放して設計された全長2.6㎞・累積高度差62mのコースで、観光客だけでなく、市民の健康づくりの場としても活用できるようにという目的で作られました。

妙高市とロッテグループが、官民一体で取り組む「ウェルネスツーリズム」

こうした取り組みは、妙高市が掲げる健康寿命の延伸に向けた町づくりというビジョンの実現を担う一手でもあり、官民一体でウェルネスの向上を実践していることがわかります。その更なる加速が期待できるように、先日は、妙高市とロッテホールディングスが「ウェルネスツーリズムに関する包括連携協定」を締結したことが発表されました。発表の場ではロッテホールディングスの代表取締役社長 CEO・玉塚 元一氏が登壇し、ロッテの3つの柱である「食品」「先端技術」「ライフスタイル・エンターテインメント」を強化していく中でも、ウェルネスリゾートには大きな可能性を感じていることに言及しました。

ロッテホールディングス 代表取締役社長 CEO・玉塚元一氏 Photo=Kentaro Ohtani ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

日韓の2拠点に本社機能をもち、世界30以上の国と地域で事業を展開するグローバル企業のロッテは、ホテル事業も精力的に進めているものの日本の割合はまだまだ小さく、規模としては韓国を追っているのが現状です。それを、市の活性化に繋がるさまざまなコンテンツと結びつけていく展望を描いているのだそう。そして共に登壇した妙高市の城戸陽二市長にあたっては、人口減少の大きな流れにある中で、スノーリゾートとして知られている妙高市を、夏でもオールシーズン楽しめる場所として持続可能なマウンテンリゾートを提案していくことを表明しました。

クアオルト健康ウォーキングでウェルネス体験

百聞は一見に如かず、ということで実際に「クアオルト健康ウォーキング」がどのようなものか、早速体験してみました。始める前に血圧と脈拍をチェック!これはウォーキング中にも適宜計測して記録していき、それぞれの年齢に合わせて算出した理想的な数値を目指していくのだとか。ストレッチも行い準備を整えたら、ウォーキングに出発です。宿泊していた建物を出て、道を渡り、森林の中に整備されたウォーキングコースへと入っていくと、緩やかに流れる小川の水音と、鳥の鳴き声が静かな森に響き渡り、心地よい空間が広がります。足元は歩きやすく、アップダウンも緩やかな道が続くので、体力に自信がなくても問題なく歩ける設計がされているのが安心です。コース途中にはハンモックやドームテントがあり、森林浴ができる場所も設けられていました。

Photo=Kentaro Ohtani ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

キーワードは『頑張らない』『冷たくサラサラ(体表面の温度を下げる)』、歩くときのポイントは集中することと『リズミカルに呼吸(三呼一吸法)』することだそうで、普段から歩くことは出来ているような気がしていたけれど、実際にやってみると、クアオルト健康ウォーキングはただ歩くこととは全然違うものなんだな、という実感がありました。ウォーキングで汗をかいた後は日帰り温泉でリラックスするのもおすすめです!旅行のプランを立てるときに、新たに「ウェルネス」をキーワードに取り入れてみてはいかがでしょうか。

文:神田聖ら(ethica編集部)/企画・構成:大谷賢太郎(ethica編集長)

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

ethica編集部

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