(第41話)暮らしに”月の満ち欠け”のリズムを取り入れて(後半)【連載】かぞくの栞(しおり) 暮らしのなかで大切にしたい家族とwell-being
独自記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
(第41話)暮らしに”月の満ち欠け”のリズムを取り入れて(後半)【連載】かぞくの栞(しおり)

心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態であることを意味する「well-being」。

一人ひとりがwell-beingであることが、社会や環境をより良くしていくことにつながるのだと思います。

では、「私にとって良い状態」ってどういうものなんだろう?

そのヒントは、意外と何気ない日常の中に散りばめられているのかもしれません。

新しく何かを始めるのも大切だけど、まずは身近な人や自分が「ごきげん」でいることから。

家族と過ごすなかで感じる、そんな一瞬一瞬を切り取って、綴っていけたらと思います。

月の満ち欠け(後編:過ごし方)

前回は月の満ち欠けと、それぞれの時期に適した過ごし方について簡単にお伝えしました。

後半となる今回は、実際に暮らしに取り入れてみたことをご紹介したいと思います。

 

月の満ち欠けを意識するようになってから、まず取り入れたのは旧暦カレンダーです。

今年は手に取りやすい手帳タイプのものを選んでみました。

 

新月から次の新月までの期間は29.5日。旧暦は月の満ち欠けを基準にした暦で、新月から新月までが1ヶ月となります。

新暦とは周期が異なり、1日ごろが新月、15日ごろが満月となっているため、かつてはカレンダーがなくても、月の満ち欠けを見れば、時期や、季節の移り変わりがわかったそうです。

 

また、新暦と旧暦には約1ヶ月のズレがあります。

子どものころ、3月3日の桃の節句の時分に桃の木を見かけても、まだ固いつぼみのままなのがとても不思議でした。本来の桃の節句の日は旧暦の3月3日で、新暦では4月の初め。このころには、桃の花もきれいに開いています。

 

旧暦を知ると、昔ながらの行事や旬のものは四季のめぐりや変化とつながっていて、また理にかなっていることがよくわかります。

わが家では、五節句などは本来の旧暦の日にもささやかにお祝いしています。

自然のリズムと暮らしのサイクルが一致することは、私たちの心身にとっても無理がないような感じがして、心地よい安心感を覚えました。

2つ目は、月の満ち欠けに合わせて、生活の工夫をするようになったことです。

前回お伝えしたように、新月から満月、満月から新月とそれぞれの時期に適した過ごし方や、起こりやすい心身の変化があると知り、「今はこの時期だから、こんなふうに過ごしてみよう」と、そのときに出来る範囲で取り入れてみることにしました。

 

例えば、最もデトックスの力が高まるという満月と新月の日は、胃腸を休めることを目的に、晩ごはんを野菜スープや甘酒だけに置き換える軽いファスティングをしたり、長めにお湯に浸かったり、いつもより早めに寝ることを心がけています。

それだけで翌朝スッキリ目覚めて身体も軽く、心身ともにリセットされるような気持ちになります。

 

また、月の満ち欠けの周期と重なっていることにより、関係性が深いと言われる生理周期。

あらためて自分の生理周期やその前後の体調をふりかえってみると、毎月なんとなく感じていた気分の変化が月のリズムと重なる部分があることがわかり、上手くいかないときも調子のいいときも、自分の体調や感情の揺れ動きと付き合いやすくなりました。

カレンダーや時計、天気予報などのおかげで、身の回りの自然に目を向けなくても不便なく暮らせるいま、空を見上げたり、そこに浮かぶ月を見て何かを思うことはそうないと思います。

 

私自身、かつてはふと月が目に入っても「ああ、今日は満月か」「三日月きれいだなぁ」くらいにしか思わなかったのですが、月のリズムを意識するようになって、月の満ち欠けを見て季節の移り変わりや”今この時”の自分の心身の状態に気持ちが向くようになりました。

 

そのことが結果的に普段の生活のなかでも無理をしすぎないようになり、体調の安定につながっているように感じます。

 

「あ! まま、きょうはおつきさまわらってるで!」。

園からの帰り道、娘と一緒に空を見上げるのがそんな毎日のお楽しみ。

ついつい目の前のことにいっぱいいっぱいになりがちな私ですが、毎日空を見上げる心のゆとりは大事にし続けたいと願う、今日このごろです。

今回の連載は如何でしたでしょうか。バックナンバーはこちらからご覧頂けます。

【連載】かぞくの栞(しおり)

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
【連載】評伝小説「ボルネオ・サラリーマン」 (第1話)逆張り者
独自記事 【 2025/9/5 】 Work & Study
この物語は、大阪を拠点とする一企業・サラヤが20年にわたり、ボルネオという地で環境保全活動に取り組んできた軌跡を一人のサラリーマン・廣岡竜也の目線から辿った記録である。 人と地球にやさしい「ヤシノミ洗剤」を生み出したサラヤが、環境を破壊しているという誤解を受けたことが発端となり、次々と困難が立ちはだかるも、諦めない者た...
【連載】評伝小説「ボルネオ・サラリーマン」 (序章)最初の関門
独自記事 【 2025/8/31 】 Work & Study
この物語は、大阪を拠点とする一企業・サラヤが20年にわたり、ボルネオという地で環境保全活動に取り組んできた軌跡を一人のサラリーマン・廣岡竜也の目線から辿った記録である。 人と地球にやさしい「ヤシノミ洗剤」を生み出したサラヤが、環境を破壊しているという誤解を受けたことが発端となり、次々と困難が立ちはだかるも、諦めない者た...
持続可能な酪農の実現を支える明治の取り組みと、乳業の歴史
sponsored 【 2025/9/3 】 Food
乳製品やチョコレートなどの食品を取り扱うメーカーである明治(Meiji)。大ヒット商品でもある「明治おいしい牛乳」や「明治ブルガリアヨーグルト」などは冷蔵庫に常備され、マストアイテムになっている…なんて家庭も多いのでは?そんな私たちの日常生活に欠かせない明治グループは、2021 年から「健康にアイデアを」をグループスロ...
【単独取材】料理に懸け30年、永島健志シェフが語る美食哲学
独自記事 【 2025/10/9 】 Food
この取材は、かつて学校が苦手な不良少年だった、永島健志さんが、料理という表現と出会い「世界のベスト・レストラン50」で世界1位を5度獲得したスペインのレストラン「エル・ブリ」で修業し、帰国後に体験型レストラン「81」を立ち上げた貴重な経験を語って頂いたものである。
アラン・デュカス氏が登壇「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2025」 記者発表会レポート
INFORMATION 【 2025/9/15 】 Food
今年で開催15回目となる「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」は、少し敷居が高いと感じてしまう人もいるフランス料理を、馴染みのない人にも楽しんでもらいたいという思いから誕生したグルメフェスティバルです。期間中(9月20日〜10月20日)は、参加しているレストランにて特別価格で、本格的なフレンチのコース料理を...
水原希子×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/12/7 】 Fashion
ファッションモデル、女優、さらには自らが立ち上げたブランド「OK」のデザイナーとさまざまなシーンで大活躍している水原希子さん。インスタグラムで国内上位のフォロワー数を誇る、女性にとって憧れの存在であるとともに、その動向から目が離せない存在でもあります。今回はその水原さんに「ethica」編集長・大谷賢太郎がインタビュー...
【ethica Traveler】連載企画Vol.1 宇賀なつみ サンフランシスコ編(序章)   
独自記事 【 2024/1/24 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。  今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブル...
【連載】評伝小説「ボルネオ・サラリーマン」 (第2話)新天地
独自記事 【 2025/9/25 】 Work & Study
この物語は、大阪を拠点とする一企業・サラヤが20年にわたり、ボルネオという地で環境保全活動に取り組んできた軌跡を一人のサラリーマン・廣岡竜也の目線から辿った記録である。 人と地球にやさしい「ヤシノミ洗剤」を生み出したサラヤが、環境を破壊しているという誤解を受けたことが発端となり、次々と困難が立ちはだかるも、諦めない者た...

次の記事

読者対話型連載「あなたにとってウェルビーイングとは何か」 第9章:人が去るということ(第3節)
この夏はロクシタンのフレグランスを使ったホテル椿山荘東京のスペシャルプランで南仏気分を満喫!

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます