劇場・建築・美術 3つの文化遺産からウィーンの魅力を体感
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劇場・建築・美術 3つの文化遺産からウィーンの魅力を体感

芳醇な文化を抱くオーストリアの首都ウィーンは、音楽や美術等が街の中を満たしています。ウィーン国立歌劇場やベルヴェデーレ宮殿といった数々の観光スポットがある中で、今回は、ウィーン市観光局が発表した今年のハイライトをもとに、3つ(劇場・建築・美術)の文化遺産をご紹介致します。

劇場・建築・美術を通して都市の歴史を紐解いてみれば、ウィーンの新たな魅力が見えてくるかもしれません。(記者:エシカちゃん)

【ブルク劇場】クリムトの天井画を間近で鑑賞出来る特別ガイドツアー

ドイツ語圏の重要な劇場の一つ「ブルク劇場」が創設250周年を記念して、改修工事を利用した特別なガイドツアーを実施しています(2026年6月まで)。ブルク劇場の天井に広がるクリムトの初期重要作品(天井画)を、修復用に設置された足場から間近に鑑賞出来るまたとない機会です。

ブルク劇場

ブルク劇場は、1741年にマリア・テレジアが創設した宮廷劇場が前身となり、ドイツ演劇の振興(フランス語中心であった演劇をドイツ語で上演する)に力を入れた皇帝ヨーゼフ2世が、1776年に「ドイツ国民劇場」とした(位置付けた)ことから始まります。

当初のブルク劇場は、王宮の隣、ミヒャエル広場に面した場所にありましが、1888年に現在のリング通り沿いへと移転します。(移転には約14年もの歳月を費やしました)

この移転の際に、(新たに建設した)劇場の天井画を任されたのが、グスタフ・クリムト、エルンスト・クリムト、フランツ・マッチュの3人です。彼らはブルク劇場 の為に合計10点の作品を制作しました。

 

特別ガイドツアー

特別ガイドツアーでは、普段は遠くから鑑賞する天井画を、改修工事の足場から見ることが出来ます。(足場から見上げる天井画の何と近いこと!)

ツアーは少人数制(最大10名)で実施され、天井画の鑑賞の他、ブルク劇場の歴史や建物内部の構造等についても紹介します。

【ヴィラ・ベーア】修復を経て2026年春に一般公開がスタート

ウィーン13区ヒーツィングに位置する「ヴィラ・ベーア」が、長年にわたる調査と修復作業を経て、2026年の春から一般公開を開始します。

「モダンとは何か?」ヨーゼフ・フランクとオスカー・ヴラッハによって設計された近代建築の名作・ヴィラ・ベーアが、その問いかけに建築的な回答を示します。

ヴィラ・ベーア

ヴィラ・ベーアの建設を依頼したのは、ベルソンゴム工場の共同所有者であったユリウス・ビアと妻のマルガレーテです。1929年、夫婦は、ヨーゼフ・フランクとオスカー・ヴラッハに、客人たちを音楽でもてなすことが出来る家の設計を依頼しました。

設計を担ったヨーゼフ・フランクは、住宅に画一化された機能性よりも、個人の快適性を求めていました。そうした彼の哲学から設計されたヴィラ・ベーアには、流動的な居住空間や自然光が差し込む大きな窓といった「人間中心のモダニズム」を体現する建築の形が現れています。

 

一般公開

ヴィラ・ベーアの現在の持ち主、ロター・トリーレンベルクさんの指揮によって行われた修復は、建築の本質的価値を尊重しながら、現代的な機能性も取り入れられました。一般公開後は見学だけにとどまらず、文化・研究拠点としての活用や、宿泊体験等も実施される予定です。

【アルベルティーナ美術館】世界屈指のコレクションをハプスブルク宮殿で

世界最大規模のグラフィック・コレクションを所蔵することで知られる「アルベルティーナ美術館」は、豪華絢爛な展示空間の中で作品と向き合うことを叶えます。

ハプスブルク家の宮殿を利用した、芸術と歴史、建築が融合した空間で出会う、多彩な名作の数々・・。(その中には、デューラーの「野うさぎ」やクリムトの女性像も!)その実に優美な鑑賞体験が、芸術ファンたちを魅了してやみません。

アルベルティーナ美術館

アルベルティーナ美術館のコレクションは、1776年にアルベルト・フォン・ザクセン・テシェン公爵によって設立されました。所蔵する作品数はグラフィック作品が100万点以上、素描作品は6万点を超えると言われています。また、こうしたコレクションの他にも、アルベルティーナ美術館は、モネ、ドガ、ルノワール、ピカソ、シャガール、マレーヴィチ、ロスコ・・等のモダニズム美術を集めた「バトリーナー・コレクション」を有し、印象派から現代美術までを辿るそれら作品の一部を、常設展示にて紹介しています。

 

アルブレヒト・デューラーの「野うさぎ」

ドイツ・ルネッサンスを代表する画家、アルブレヒト・デューラーは、油彩画だけでなく銅版画や木版画、素描等も数多く手掛けました。「野うさぎ」は、デューラーが1502年に制作した水彩画の作品です。徹底的な細部へのこだわりと精密さで、野うさぎのリアルな質感を描き出しました。

ブルク劇場 公式サイト

https://www.burgtheater.at

 

ヴィラ・ベーア 公式サイト

https://www.villabeer.com/home

 

アルベルティーナ美術館 公式サイト

https://www.albertina.at

時代と共に社会の有り様は変化を続けています。・・でも。クリムトの天井画を見上げた際に漏れ出る感嘆の溜息には、時代を超えて通じ合う何かが、見付けられるような気がします。

記者:エシカちゃん

白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

エシカちゃん

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