サステナブルファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」が渋谷にオープン! 告知には他社の使用済み広告ポスターをリサイクル使用
独自記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
2,724 view
サステナブルファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」が渋谷にオープン!

『ethica(エシカ)』3月号のテーマは、「暮らしとエシカル」です。

エシカルな暮らしには、できるだけモノを廃棄せずリサイクルして利用するという視点が欠かせません。スペインのファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」は、そのような視点を持った、リサイクル素材や環境負荷の低い素材を活用した商品を展開するサステナブルなファッションブランドです。その「ECOALF」がアジア初進出となる旗艦店「ECOALF 渋谷」を2020年3月13日(金)にオープン。合わせてユニークな広告ポスターを作成しました。

ファッションにアップサイクリングな流れを取り入れた「ECOALF」

Greta Thunberg addressed the National Assembly In Paris today during a record breaking heat wave. Some conservative members of the assembly had called for a boycott. Her message was that countries and companies had to do more about the climate emergency. “No country is doing enough to stay below 1.5 degrees.” When Assembly members praised her for her actions she replied, “that was a lot of praise, instead of praising us, try to do something.” “The real danger is when companies and countries are making it look like something is being done, but nothing is being done.”

2019年9月、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが、ニューヨークで開かれた国連気候行動サミットで、温暖化対策に消極的な世界のリーダーたちに対して怒りを表明。同じころ、世界各地では「グローバル気候マーチ」が開かれ、何百万人もの人たちがグレタさんに賛同するかのように抗議活動を展開しました。

こうした動きに合わせるかのように、ロンドン・ファッション・ウィークでは、サステナビリティを意識したブランドが多数参加。現在、サステナブルファッションへの関心が高まりつつありますが、その中でも注目されるのが、不要な製品をよりよい品質と環境価値の新しい材料や製品に生まれ変わらせる「アップサイクリング」の考え方です。

そのアップサイクリングの考え方を体現し、ナイロンやコーヒー、ペットボトルなどのリサイクル素材や環境負荷の低い素材・副資材のみで作られたスタイリッシュで機能的な衣服や雑貨を製造・販売しているのが、スペイン発のサステナブルファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」です。「ECOALF」については、ethicaでも編集長の大谷が創業者のハビエル・ゴジェネーチェ氏と対談し、そのフィロソフィーの一端をご紹介しています。(http://www.ethica.jp/49616/

実はファッション業界は、石油産業に次いで、世界で2番目に地球環境を汚染する産業と言われています。ファッション業界は、消費トレンドの移り変わりが激しく、またファストファッションの流行もあり、大量生産が余剰在庫を生み、多くが廃棄されるという悪循環に陥っています。世界で生産された洋服の年間消費量が40%の6,200万トンに対し、廃棄量は約1.5倍の9,200万トンにのぼるとされているほどです。(※)この結果、ファッション業界のCO2排出量は増加の一途です。2015年比で60%以上増加し、2030 年には約20億8千万トンになると予測されています。そのような流れの中、アパレル業界において、サステナブルな取り組みを実現しようとしているのが「ECOALF」なのです。

(※)コペンハーゲンのシンクタンク「GLOBAL FASHION AGENDA 」の年間レポートより

創業者のハビエル・ゴジェネーチェ氏

「地球の資源を無駄遣いしない」との考えを広告に反映

そんな「ECOALF」のアジア初の店舗が、2020年3月13日(金)、渋谷にオープンしたのです。それだけでも大きな話題ですが、さらに注目したいのがそのオープン広告。他企業の掲出済み広告や廃棄予定の未使用ポスターなどを自社用に再利用して、広告ポスターを作成しているのです。

その背景には「地球環境を守るために服を売る」という全く新しい発想で事業に取り組むファッションブランドとして、店舗のオープン告知をするにあたり、その広告自体も環境に配慮した形で制作したいという「ECOALF」の考えがあります。

今回の広告は、まず企画の趣旨に賛同した企業から掲出済みの広告、または使用せず廃棄予定の広告を回収。シルクスクリーンで白く下地を作り、必要な大きさに貼り合わせた後、カラーシルクで文字を載せるプロセスを経て制作されました。そして、右下には「ECOALF」からそれぞれの企業のブランドに感謝の意を添えています。

ちなみに、今回協力した企業は吉野家、メルカリ、みんな電力、朝日新聞社、KDDIの5社と、ロックバンド“I Don’t Like Mondays.”。

今回の広告について、企画・クリエイティブを担当したThe Breakthrough Company GOのクリエイティブディレクター砥川直大さんは、

「サステナブルファッションブランドとして広告はどうあるべきか。そんな問いから始まったのがこのプロジェクトです。ゴミを回収して服を作るように、広告を再利用して広告を作る。つまり、『商品』ではなく、『再利用』を可視化することにチャレンジしました。他企業の広告を利用するという、おそらく世界初の試みです」とコメントしています。

ちなみにこの広告は、3月9日〜15日まで東急田園都市線渋谷駅B2Fハチ公改札付近コンコースで展開されていたので、ごらんになった方もいるのではないでしょうか。

サステナビリティを体感できる「ECOALF 渋谷」

また、渋谷にアジア初出店としてオープンした「ECOALF 渋谷」はディスプレイなどにもこだわり、持続可能な資源(木・鉄・コンクリート・グリーンなど)を店装に使うなど、サステナビリティを体感できる空間となっています。

さらに旗艦店として、ブランドの思想・メッセージを発信する役割を果たすために、1階では壁面のメッセージやディスプレイ、映像が流れるスクリーンを通して、商品が作られるまでのリサイクルの工程やブランドが実施する活動内容を紹介。

また2階には巨大スクリーンを設置し、定期的に実施するサステナブル講演やディスカッションを行うスペースとしての機能も持たせています。

ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

記者:エシカちゃん

白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

エシカちゃん

このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
【連載】評伝小説「ボルネオ・サラリーマン」 (第1話)逆張り者
独自記事 【 2025/9/5 】 Work & Study
この物語は、大阪を拠点とする一企業・サラヤが20年にわたり、ボルネオという地で環境保全活動に取り組んできた軌跡を一人のサラリーマン・廣岡竜也の目線から辿った記録である。 人と地球にやさしい「ヤシノミ洗剤」を生み出したサラヤが、環境を破壊しているという誤解を受けたことが発端となり、次々と困難が立ちはだかるも、諦めない者た...
【連載】評伝小説「ボルネオ・サラリーマン」 (序章)最初の関門
独自記事 【 2025/8/31 】 Work & Study
この物語は、大阪を拠点とする一企業・サラヤが20年にわたり、ボルネオという地で環境保全活動に取り組んできた軌跡を一人のサラリーマン・廣岡竜也の目線から辿った記録である。 人と地球にやさしい「ヤシノミ洗剤」を生み出したサラヤが、環境を破壊しているという誤解を受けたことが発端となり、次々と困難が立ちはだかるも、諦めない者た...
持続可能な酪農の実現を支える明治の取り組みと、乳業の歴史
sponsored 【 2025/9/3 】 Food
乳製品やチョコレートなどの食品を取り扱うメーカーである明治(Meiji)。大ヒット商品でもある「明治おいしい牛乳」や「明治ブルガリアヨーグルト」などは冷蔵庫に常備され、マストアイテムになっている…なんて家庭も多いのでは?そんな私たちの日常生活に欠かせない明治グループは、2021 年から「健康にアイデアを」をグループスロ...
【単独取材】料理に懸け30年、永島健志シェフが語る美食哲学
独自記事 【 2025/10/9 】 Food
この取材は、かつて学校が苦手な不良少年だった、永島健志さんが、料理という表現と出会い「世界のベスト・レストラン50」で世界1位を5度獲得したスペインのレストラン「エル・ブリ」で修業し、帰国後に体験型レストラン「81」を立ち上げた貴重な経験を語って頂いたものである。
アラン・デュカス氏が登壇「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2025」 記者発表会レポート
INFORMATION 【 2025/9/15 】 Food
今年で開催15回目となる「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」は、少し敷居が高いと感じてしまう人もいるフランス料理を、馴染みのない人にも楽しんでもらいたいという思いから誕生したグルメフェスティバルです。期間中(9月20日〜10月20日)は、参加しているレストランにて特別価格で、本格的なフレンチのコース料理を...
水原希子×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/12/7 】 Fashion
ファッションモデル、女優、さらには自らが立ち上げたブランド「OK」のデザイナーとさまざまなシーンで大活躍している水原希子さん。インスタグラムで国内上位のフォロワー数を誇る、女性にとって憧れの存在であるとともに、その動向から目が離せない存在でもあります。今回はその水原さんに「ethica」編集長・大谷賢太郎がインタビュー...
【ethica Traveler】連載企画Vol.1 宇賀なつみ サンフランシスコ編(序章)   
独自記事 【 2024/1/24 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。  今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブル...
【連載】評伝小説「ボルネオ・サラリーマン」 (第2話)新天地
独自記事 【 2025/9/25 】 Work & Study
この物語は、大阪を拠点とする一企業・サラヤが20年にわたり、ボルネオという地で環境保全活動に取り組んできた軌跡を一人のサラリーマン・廣岡竜也の目線から辿った記録である。 人と地球にやさしい「ヤシノミ洗剤」を生み出したサラヤが、環境を破壊しているという誤解を受けたことが発端となり、次々と困難が立ちはだかるも、諦めない者た...

次の記事

ベッキー&妹ジェシカ「アフリカゾウの密漁防止と象牙の浪費をなくす」 「WILDAID」が「#REDonNOSE運動」を開始「私は象牙を選ばない」
【新連載】キコの「暮らしの塩梅」

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます