日本の外に出るということ 【スミレのドイツ留学 回顧録】
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文部科学省が展開する「トビタテ!留学JAPAN」の9期生としてドイツに留学し、そこで学んだこと、感じたことを綴ってきたこの連載ですが、9月で終了することとなりました。1年間お付き合いいただき、ありがとうございました! 残すところ、あと2回!最終回まで読んでいただけるとうれしいです!

生まれ育った日本を出て海外に留学に行くということ

言語習得のため、自分の専門分野をより深く学ぶため、新しい人と出会うため、新しい経験を通して成長するため……。留学の目的は人それぞれだと思います。

私の場合は、これまでとは違う経験をして自分の成長につなげること、そして、日本でのボランティア活動を通して抱いた疑問の答えを見つけたいという想いで、ドイツへの留学を決めました。

留学中、私にとって一番の学びや収穫は、「日本の姿や自分自身の置かれている環境」を客観的に見られたことでした。実は、外から日本を見たい!という目的は持たずにスタートした留学でしたが、日本について考える機会がこんなにもたくさんあるとは思っていませんでした。

外から見る日本の姿

私は日々、ドイツの若者の、社会問題全般に対する意識の高さに衝撃を受けていました。

「ボランティアとは何か」が一番の目的だったはずの私の留学は、気がつくと『日本人が社会問題の意識を上げるために、自分に何ができるか』というテーマに変わっていきました。

環境に優しい暮らしが進んでいるドイツを選んだことも要因の1つだと思いますが、日本の外で生活して初めてわかることは、どこの国に行ってもあると思います。

私の場合、留学の後半になると、ドイツのみんなに環境に優しい暮らしのヒントを聞いたり、その背景を教えてもらったりしていました。ドイツ以外の国の状況についてもディスカッションしたり、ドイツ在住の日本人の夫婦のおうちにお邪魔して、ドイツから見る日本の姿について5時間くらい話し合ったこともありました。いろいろな話をするなかで、日本のいいところも、これからの課題も自分なりにたくさん見えました。

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海外で実際にコミュニティーに属して生活するということは、本当に貴重で大切な経験でした。日本が好きだから海外には行かないという声を聞きますが、そんな人にこそ挑戦して欲しい。日本を好きな理由がもっと具体的になったり、大好きな日本をもっと良くするためのヒントを得られることもきっとあると思います。

渡独前と帰国後の私の暮らしや考え方の違いは明らかです。

日々、街を歩いていると、「あ! これは日本のいいところ!」とか「ここはこれから改善していかなきゃ!」と思います。これまで真剣に考えたことのなかった環境問題や食生活について、働き方について、今では敏感になりすぎたと言っても過言ではないくらい意識するようになりました。

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ドイツの夏!夏はみんなビールを片手に外で過ごすのがドイツ流。23時ごろまでほんのり明るい

留学で得られるもの

留学をするかどうか迷っている人や、留学の目的がわからないという人にも、ぜひ一度日本の外に出ることに挑戦してほしい。

明確な目的はなくてもいい、とさえ思います。新しい環境で、それまで自分が知らなかった文化のもとで暮らしている人々と一緒に生活を送ることによって、必ず得られるものがあるはずです。

留学を終えてみて、大変なこともあったけれど、ドイツに行ったことは、私のこれまでの人生で一番大きく、誇りに思う決断であり挑戦であったなと思います。

1年間、様々な学びを共有し 共に成長してきたボランティア仲間たちと!

日本を出た時の私と、日本に帰ってきた時の私。

あんまり変わっていないように思えるかもしれないし、もしかしたら実際変わっていないのかもしれないけれど、自分自身では確実にパワーアップしていると感じることができて嬉しいです。

「日本の外に出るということ」……。それは価値観を広げ、自分の生まれ育った国や環境を見つめ直すきっかけになる、とても貴重な経験でした。

記者:スミレ

1997年生まれ。千葉県出身の大学生。トビタテ9期生として、2019年1月よりドイツに留学。2016年よりNPO法人じぶん未来クラブにて学生ボランティアとして活動。日本各地で行われる教育ワークショップにてこれまでに1000人以上の子どもたちと関わる。ボランティアリーダーとして各ワークショップを率いたり、新規ボランティアを対象とした研修等も行う。学業やアルバイトからは得ることのできない「ボランティアの魅力」を1人でも多くの学生に伝えたいとの想いのもと、「ボランティア先進国」と呼ばれるドイツにてボランティアを行いその仕組みを探る。

Pay it Forward ~優しさは連鎖する~

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

スミレ

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