「いっしょに考える『福島、その先の環境へ。』シンポジウム」開催 小泉環境大臣ぶら下がり取材に、ethica編集部も初参加
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「いっしょに考える『福島、その先の環境へ。』シンポジウム」開催

小泉環境大臣

2011年3月11日に起こった未曽有の大災害・東日本大震災、そして地震に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故から今年で10年。多くの尊い命が犠牲になったあの忌まわしい記憶は、今もなお人々の脳裏に鮮明に焼きついていることでしょう。

環境省では地震と事故の発生から10年が経過したことを機に3月12日、13日の2日間、「いっしょに考える『福島、その先の環境へ。』シンポジウム」を実施、13日には福島会場(ナショナルトレーニングセンターJビレッジ)と東京会場(環境省)をオンラインで結んだ「『福島、その先の環境へ。』シンポジウムを開催して、その模様をYouTubeでライブ配信しました。

福島の未来に向けたメッセージを広く内外に発信しよう

震災から10年が経ち、今、福島県内ではJR常磐線の全線開通など道路や鉄道などのインフラの復旧が進み、避難指示も順次解除される中、環境省では除染や特定復興再生拠点の整備など原子力災害からの復興に向けて環境再生の取り組みを進めています。

また、2018年8月には地域のニーズに応え、脱炭素、資源循環、自然共生など環境の視点から福島県の強みを創造・再発見する「福島・未来志向プロジェクト」をスタート。さらに、昨年2020年8月には環境省と福島県で未来志向の環境政策をより一層推進するための連携協力協定を締結しています。

今回のシンポジウムは、こうしたこれまでの環境再生事業の10年を振り返り、福島の未来に向けたメッセージを広く内外に発信しようというもので、当日は第1部(午前10時~午前12時)、第2部(午後2時~午後3時)、第3部(午後3時~午後4時30分)の3部構成で行われました。

「ふくしま未来100人会議」

「いっしょに考える『福島、その先の環境へ。』チャレンジ・アワード」の表彰状授与式

CANDLE JUNEさん

なすびさん

「ふくしま未来100人会議」と題されたパネルディスカッション

第1部では環境省環境再生・資源循環局の川又孝太郎参事官の説明によって環境再生事業を振り返る動画が放映された後、「ふくしま未来100人会議」と題されたパネルディスカッションが行われ、パネリストとしてアーティストのCANDLE JUNEさん、タレントのなすびさん、「地球にやさしい『ふくしま』県民会議」代表の渡邊明福島大学名誉教授、楢葉町の青木洋教育委員会教育長、ラジオパーソナリティで「一般社団法人ヴォイス・オブ・フクシマ」理事の久保田彩乃さんが参加しました。

ラジオパーソナリティで「一般社団法人ヴォイス・オブ・フクシマ」理事の久保田彩乃さん

「ふくしま未来100人会議」

福島第一原子力発電所での勤務経験を持つ丸山桂里奈さん

第2部では会津電力会長・飯舘電力顧問の佐藤彌右衛門さんによる基調講演「福島の復興と再生可能エネルギーのちから」、東京会場から参加した小泉進次郎環境大臣によるプレゼンテーション「福島の復興と再生可能エネルギーの未来」の後、小泉環境大臣、なすびさん、CANDLE JUNEさんに加え、元サッカー女子日本代表で、東京電力女子サッカー部マリーゼに所属していた際には福島第一原子力発電所での勤務経験を持つ丸山桂里奈さんが東京会場から参加し、省エネ電気の切り替えデモンストレーションが行われました。

(左)小泉環境大臣 (右)丸山桂里奈さん

省エネ電気の切り替えデモンストレーション

未来を担う若者たちと一緒に福島の未来を考える

第3部では、中学生、高校生、大学生といった未来を担う若者たちと一緒に福島の未来を考える機会づくりと新しいアイデアを通じたつながりの拡大を目的に、未来や希望に関するアイデアや想いを募集した「いっしょに考える『福島、その先の環境へ。』チャレンジ・アワード」の表彰状授与式を挙行するとともに内堀雅雄福島県知事がメッセージ「『FUKUSHIMA』の未来」を披露、さらに、チャレンジ・アワード受賞者と小泉環境大臣、内堀知事、丸山さん、なすびさんがトークセッションを展開、大いに盛り上がりました。

未来を担う若者たちと一緒に福島の未来を考える

小泉環境大臣ぶら下がり取材に、ethica編集部も初参加

イベント終了後、報道陣とのぶら下がり取材に応じた小泉環境大臣は、

「今回は明るく楽しく、これからの福島について多くの人に前向きに知ってもらい、考えてもらうことができたとともに、今、積極的に推進している再生エネルギーや電気自動車についても理解を深めてもらうことができて、新たな10年のスタートが切れたのではないかと思いました。

ただ、今回のシンポジウムはYouTubeでの閲覧が可能になっていましたが、実際に見ていただいた方はまだまだ少なく、日頃から環境の問題に関心を持ってもらうことはものすごく難しいということを改めて実感しました。これに関しては、関心を持ってもらうのを待っているのではなく、自分たちのほうからどんどん知らせていくという努力を圧倒的に評価しなければいけないというふうに思います。

残念ながら、政治や霞が関の中では作ることに熱心ですが、伝えること、知ってもらうことには熱心ではありません。霞が関でその知ってもらうということの重要性を、どこまで本当に分かっているかというと、私はそこに大きな課題を感じています。

一方で、そういったところには人や予算を十分に当てないという構造的な、この世界の課題もあります。こういったことは今後、私の大臣としての限界があるかもしれませんが、政治家としてこの部分の問題意識を持ちながら、多くの方に理解をしていただかなければ政策も政治も進みませんから、その問題意識を持ちながらやっていきたいと思います。

そういった意味において、今日、丸山さんやなすびさんといった、日頃はあまり政治や行政と関わり合いがそこまでない方々にも再生可能なエネルギーのキャンペーンに参加していただけたというのは、日頃関心のない方にも想いを届けることができるので、参加いただいた方に感謝したいし、また連携ができればいいなと思っています」

と熱い口調で語りました。

小泉環境大臣ぶら下がり取材

記者:エシカちゃん

白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。

ーーBackstage from “ethica”ーー

エネルギーを自由に選べる時代となりました。毎月払い続ける電気代を再エネ電力に切り替えようと考えている皆さんに朗報です。

電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などのクリーンエネルギー自動車(CEV)を新車で購入する際の補助額が最大80万円になりました。更には、電動車両を電源として家電機器へ電力供給を行う装置(V2H、V2L機器)購入や工事費も補助されるそう。

詳しくは、環境省のホームページでご確認ください。

http://www.env.go.jp/air/post_56.html

 

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

エシカちゃん

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