(第45話)はじめてのテントサウナ【連載】かぞくの栞(しおり) 暮らしのなかで大切にしたい家族とwell-being
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(第45話)はじめてのテントサウナ【連載】かぞくの栞(しおり)

心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態であることを意味する「well-being」。

一人ひとりがwell-beingであることが、社会や環境をより良くしていくことにつながるのだと思います。

では、「私にとって良い状態」ってどういうものなんだろう?

そのヒントは、意外と何気ない日常の中に散りばめられているのかもしれません。

新しく何かを始めるのも大切だけど、まずは身近な人や自分が「ごきげん」でいることから。

家族と過ごすなかで感じる、そんな一瞬一瞬を切り取って、綴っていけたらと思います。

テントサウナ、最高!

半年ほど前から、夫がハマっているサウナ。

噂に聞く「ととのう」効果なのか、これがとても良いそうで、週に2回ほど平日の夜に「ちょっとサウナ行ってくるわ」といそいそと出かけています。

 

私にとって、サウナとはカラッカラの熱い空間で、ひたすら耐えるイメージ。どちらかと言えば、岩盤浴や低温のスチームサウナの方が好きで、水風呂に浸かるなんてとんでもない、と思っている私にとっては苦行にしか思えません。

「サウナ、めっちゃいいで」という夫の言葉も「ふ〜ん、そうなんや」くらいの気持ちで聞き流していました。

 

でも、夫の姿を見ていると明らかに肌はツヤツヤしてきているし、以前は毎晩のようにノンアルコールビール(自主的に禁酒中)を片手に柿ピーをぽりぽりつまんでいた姿を、そういえば、このところめっきり見なくなっています。

なにより、すこぶる機嫌がいい!

 

巷で話題になっているだけにやっぱり良いのか、と思い始めた矢先、旅行先でテントサウナを体験する機会がありました。

テントサウナとは、簡易テントの中にサウナヒーターを設置して屋外でもサウナを楽しめる、というものです。

 

今回の旅行先は和歌山に住む友人のところ。

その地域は清流が有名な場所でもあり、テントサウナと川遊びが同時に楽しめる! というなんとも贅沢な機会でした。

 

河原に設置されたテントサウナの中に入ると、2台の薪ストーブが焚かれていて、パチパチと薪がはぜる音が聞こえると同時に、ブワッと熱気に包まれます。温度計を見ると、90度を超える熱さ。

ベンチに腰掛け、友人らとおしゃべりしているうちにじわじわ汗ばんできます。

 

薪ストーブの上で熱した石に水をかけて水蒸気を発生させる、ロウリュというサウナの入浴方法があるのですが、今回、それも初体験。

ゆずのアロマオイル入りの水を石にかけると、ジュワーと蒸気が立ち上り、体感温度が一気に上昇します。もう少し香りを楽しみたいけどもう限界……! と葛藤しつつテントを出たら、数メートル先の川へダイブ!

 

思い切って肩まで浸かってみると、意外と心地よいひんやり感。

入水のポイントは、一気に入ってじっと動かず浸かっていることなのだとか。一度入ってしまえば怖いものではなくなり、川の流れに身を委ねてプカーと浮いていると、身も心も浄化されていくような気分でした。

 

その後は外気浴。青空の下、河原に並んだリクライニングの椅子に寝転がっているとふわふわ心地よい感覚に包まれます。

はー、癒されるなぁ……といい気分に浸っている間もなく、水鉄砲を持った娘たちがやってきて水攻めに合うというおまけ付きでしたが……。

初めてのテントサウナは、一言でいうならば最高! でした。

豊かな自然環境の中という効果ももちろんあったのでしょうが、身体の中に溜まったいろいろなものが汗とともに流れ出てリセットされるような気分を覚え、ああ、これはクセになるの、わかるなぁ……と、ついにサウナの良さを実感してしまったのでした。

 

あらためて調べてみると、サウナには血流改善、リラックス効果、疲労回復、自律神経を整える、美肌効果などなどたくさんのメリットがあるそうで、継続して行うことで体調にどんな変化があるのか気になるところです。

 

食わず嫌いしていたサウナですが、一度良さがわかってしまうと、行きたい気持ちがムクムク湧いてくるのが性なもので……。

夫がサウナに行く合間を縫って、夜に一人、サウナに出かけるチャンスをうかがっているこのごろなのでした。

今回の連載は如何でしたでしょうか。バックナンバーはこちらからご覧頂けます。

【連載】かぞくの栞(しおり)

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

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