「ethicalista(エシカリスタ)」は、webマガジン「ethica(エシカ)」読者による情報発信の場です。
今回は、「Climate Live Japan」実行委員会の学生による情報発信をお送りしていきます。
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今回は、「Climate Live Japan」実行委員会の学生による情報発信をお送りしていきます。
「永久凍土」と聞くと、私たちの生活や未来とは関係のない、遠い北の国の壮大で殺風景な光景を思い浮かべるかもしれない。しかし、この永久凍土が解けることで引き起こされる現象は、私たちの未来を脅かすものなんだ。
そもそも、「永久凍土」とは、地下の温度が二年以上連続して0°C以下になる地面のことで、メタンや二酸化炭素、様々な有機物が大量に含まれている。必ずしも「永久」に凍結しているわけではない。
大部分は北半球に存在し、その陸地の約4分の1を覆っている。通常は何千年も前から凍ったままで、米アラスカ、カナダ、欧州北部、ロシアをまたぐ北極圏と北方林地帯に広がっている。また、北海道の大雪山や富士山山頂にも永久凍土が存在している。
永久凍土には、凍った大昔の植物や動物の死骸という有機物の形で、推定1兆7000億トンもの炭素が閉じ込められているんだ。
永久凍土は大気のほぼ2倍の炭素を保持しており、その大部分をメタンとCO2が占めている。永久凍土が融けると、有機物が温められ、分解され、最終的に温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)とメタンとして放出される。
CO2は地球温暖化の最大要因とされているが、メタンの温室効果はCO2の25倍もある。永久凍土の温室効果ガスが大気中に放出されると、地球温暖化が悪化し、氷が解け、さらに永久凍土の溶解が進む、不可逆的な悪循環が始まってしまうかもしれない。
そうなったら、パリ協定の「産業革命以前より地球の平均気温上昇を1.5度に抑える」という目標はかなり難しくなる。
アラスカの永久凍土は2070年までに一部解け始める可能性があり、米マサチューセッツ州ウッズホール研究センターのスーザン・ナタリ研究員は、温室効果ガスの排出が現在のペースで続けば、永久凍土の最大70%が失われる恐れがあると指摘している。彼女は、「永久凍土からの(温室効果ガスの)排出により、地球温暖化がコントロールできない状況に陥ってしまう可能性がある」と警告している。
さらに放出されるのは、温室効果ガスだけではなく、長い間凍結されていた病原菌やウイルスもだ。
私たちが直面しているパンデミックが再び起こりうるのだ。
そんな世界、あなたは見たい?
もう元には戻せない変化が起こってしまう前に、今行動すればまだ間に合う。
参考文献
AFP通信『「地球の時限爆弾」永久凍土溶解が引き起こす危機 温暖化ガスや病原菌放出』
https://www.afpbb.com/articles/-/3207024?cx_amp=all&act=all
BBC News『アラスカの永久凍土 2070年までに一部解け始める可能性』
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-34600463
国立環境研究所『永久凍土と地球温暖化~北海道大雪山調査レポート~』
MINI
麗澤大学ドイツ語・ドイツ文化専攻4年
ドイツ留学で出会ったヴィーガンという生き方をきっかけに気候変動問題の深刻さを知りました。
コロナ禍で、自分にできることを少しずつ始めていましたが、だんだん一人でやれることには限界があることを感じ、一緒にこの問題に立ち向かえる仲間が欲しいと思ってClimate Live Japanの実行委員になりました。
Climate Live Japan 公式HP
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp
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