(第3話)「いつもとちょっと違う」が嬉しいベランダごはん 【連載】かぞくの栞(しおり) 暮らしのなかで大切にしたい家族とwell-being
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(第3話)「いつもとちょっと違う」が嬉しいベランダごはん 【連載】かぞくの栞(しおり)

心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態であることを意味する「well-being」。

一人ひとりがwell-beingであることが、社会や環境をより良くしていくことにつながるのだと思います。

では、「私にとって良い状態」ってどういうものなんだろう?

そのヒントは、意外と何気ない日常の中に散りばめられているのかもしれません。

新しく何かを始めるのも大切だけど、まずは身近な人や自分が「ごきげん」でいることから。

家族と過ごすなかで感じる、そんな一瞬一瞬を切り取って、綴っていけたらと思います。

「いつもとちょっと違う」が嬉しいベランダごはん

「ベランダでごはん食べへん?」

金曜日の夜。夫の一言で、ベランダで夕食をとることになりました。

一人遊びに退屈して、台所で「まーまー、だっこー」と足元にまとわりついていた娘も、「えーっ! おそとでたべるん? やったぁ!」と目を輝かしてせっせとお手伝い。

折りたたみ机をベランダに出して、木の踏み台とビーズクッションを椅子がわりに。

ランタンの赤みのある光が小さな空間を彩ってくれます。

机に並んでいるのは、お味噌汁にごはん、さわらの西京焼きに厚揚げのサラダ。ちょうど仕上げに取り掛かろうとしていたところだったので、何とも外ごはんらしからぬ献立でしたが……。

うっすらとまだ明るい空に、肌寒くも蒸し暑くもない、さわやかな風が心地よく、思わず伸びをして深呼吸。

いつもならテーブルにおかずを並べて、「ほら、座って食べるよ」と席を立とうとする娘に注意をしたり、頭の片隅で(ごはん食べたらお風呂に入れて……、あ、洗濯物回してない)と、この後どう動くかを考えたり、気持ちがせわしない平日の夜。

そんな数分前までの慌ただしさが嘘のように、穏やかな気持ちです。

はしゃぐ娘を見守りつつ、夫と「気持ちいいねぇ」としみじみ。

そういえば、去年の今ごろもよくベランダでご飯を食べていました。

コロナウイルスによる、初めての緊急事態宣言の真っ只中。先行きのわからない不安と、狭いお家のなかで過ごさなければいけないストレスは、日を追うごとにじわじわと気持ちを蝕んでいたように思います。

そんな毎日を何とかしたい! と意気込んで取りかかったのが、ベランダ快適化計画。

後回しにしがちだったベランダを大掃除して、ウッドデッキ風のフロアパネルを新調したり、緑の鮮やかな植物を迎え入れたり。

スッキリと様変わりしたベランダは、家族の日常にも心地よい風を吹かせてくれました。

その日から我が家のダイニングはほとんどベランダとなり、食事以外の時間は夫の仕事場や娘の遊び場として大活躍。

ベランダで食べるごはんは、おむすびにお味噌汁、炒め物、そして時々、丼やパスタなどといつもと変わり映えのないメニューです。でも、ごちそうじゃなくても一歩ベランダに出るだけで自然とみんなが笑顔に。

一日中お家で過ごし、朝起きてからごはんを作って食べて片付けて……の繰り返しの毎日にちょっとうんざりしていた私にとっても、料理をしよう! と、気持ちを前向きにしてくれた出来事でした。

……だったのに、慌ただしい日常が戻るにつれ、そんな日々のことはすっかり忘れ去り……。

でもこの日、「ベランダでごはん食べへん?」という夫の一言で、ふっとあのころの楽しさを思い出すことができました。

気分転換にお出かけや外食もいいけれど、いつもとちょっと違う楽しみのなかにある、このあたたかな気持ちを覚えておこう。

後片付けをしながら、何気ない夫の一言に感謝したのでした。

【連載】キコの「かぞくの栞」を読む>>>

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

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