そういえば、去年の今ごろもよくベランダでご飯を食べていました。
コロナウイルスによる、初めての緊急事態宣言の真っ只中。先行きのわからない不安と、狭いお家のなかで過ごさなければいけないストレスは、日を追うごとにじわじわと気持ちを蝕んでいたように思います。
そんな毎日を何とかしたい! と意気込んで取りかかったのが、ベランダ快適化計画。
後回しにしがちだったベランダを大掃除して、ウッドデッキ風のフロアパネルを新調したり、緑の鮮やかな植物を迎え入れたり。
スッキリと様変わりしたベランダは、家族の日常にも心地よい風を吹かせてくれました。
その日から我が家のダイニングはほとんどベランダとなり、食事以外の時間は夫の仕事場や娘の遊び場として大活躍。
ベランダで食べるごはんは、おむすびにお味噌汁、炒め物、そして時々、丼やパスタなどといつもと変わり映えのないメニューです。でも、ごちそうじゃなくても一歩ベランダに出るだけで自然とみんなが笑顔に。
一日中お家で過ごし、朝起きてからごはんを作って食べて片付けて……の繰り返しの毎日にちょっとうんざりしていた私にとっても、料理をしよう! と、気持ちを前向きにしてくれた出来事でした。
……だったのに、慌ただしい日常が戻るにつれ、そんな日々のことはすっかり忘れ去り……。
でもこの日、「ベランダでごはん食べへん?」という夫の一言で、ふっとあのころの楽しさを思い出すことができました。
気分転換にお出かけや外食もいいけれど、いつもとちょっと違う楽しみのなかにある、このあたたかな気持ちを覚えておこう。
後片付けをしながら、何気ない夫の一言に感謝したのでした。