ガーデニングを文化とするイギリスで学ぶ、ガーデンデザイナーの佐藤麻貴子さん テーマは「エシカル、持ちかえる」 「エシカルファッションカレッジ」開催(後編)
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ガーデニングを文化とするイギリスで学ぶ、ガーデンデザイナーの佐藤麻貴子さん

ガーデンデザイナーの佐藤麻貴子さんによるエシカル ガーデニング実習の様子

5月9日(世界フェアトレード・デー)、10日(コットンの日)、2日間だけのイベント「エシカルファッションカレッジ」が世田谷区のIID世田谷ものづくり学校(旧池尻中学校跡地)で開催されました。

昨年に引き続き今回で2回目となる同カレッジは、デニムブランド「Lee」を手がけるリー・ジャパンと世界の子どもたちを児童労働から守る国際協力NGO、特定非営利活動法人ACEを中心とする実行委員会が「エシカル、持ちかえる」をテーマに、講義や講演、実習(ワークショップ)、ファッションショー、映画などのさまざまな授業を通じて、作る人も着る人も、みんながハッピーになるサステナブルなファッションを考えようというものです。

今回、エシカルな視点からガーデニングを考えようと行われたのが「エシカル ガーデニング」です。参加者はバジル、オレガノ、パセリの3種類のハーブの寄せ植え体験をしました。講師を務めたのはガーデンデザイナーの佐藤麻貴子さんでした。

ガーデンデザイナーの佐藤麻貴子

ガーデンデザイナーを目指して渡英

子どもの頃から自然の中で育った佐藤さんは、もともとガーデニングに興味を持っていました。しかし、就職活動の際、ガーデニングが仕事になるとは思わず、都内にある老舗ホテルに就職しました。

「入社10年目くらいでしたか、シーズンだけ営業しているホテルに、本社より半年間派遣されたのです、そこは国立公園で、大自然の中にありました。そこで生活をしているうちに緑を使った仕事をしたいなと思うようになったのです」(佐藤さん)

2003年、ホテルを辞めた佐藤さんは渡英、現地の大学の園芸学部に入って1から園芸の勉強を始めました。

イギリスでは、子どもたちに土に触れる機会を積極的に与える

「イギリスはガーデニングを自分たちの文化として大切に考えている国です。やるからにはそういう国で学びたいと思いました。イギリスでは、子どもたちに小さい頃から土に触れる機会を積極的に与えようとします。でも、日本にはそういう考え方はありません。そこは大きな違いかもしませんね」(佐藤さん)

イギリスではチェルシーやハンプトンコートなど各地で大きなフラワーショーが開かれます。佐藤さんはそうしたショーの手伝いをしながら7年間勉強を続け、2010年の夏に日本に戻ってきました。

ガーデニングはエシカルと通ずる

佐藤さんは、ガーデニングはエシカルという言葉を使っていませんが、もともと、その考え方自体、エシカルなものだといいます。

「ガーデニングという言葉にはingがついているでしょう? 緑の中に入っていって動作をすること、やることの全てがガーデニングであり、それ自体がとても楽しいんです。それともう一つ、私は自分で作ったものを自分で食べること、それがとても大事だと思っています。例えば、パセリを植えるとすると、育ったらどうやって食べようかなと考える。マヨネーズをつけたらいいのかとか、ドレッシングをつけたらどうかしらとか、そう考えると、ガーデニングがさらに楽しくなってきます。それって、エシカルと通じるものがあると私は思っています」

さらに佐藤さんは、オーバーオールやエプロンなど作業をする時のファッションや使う道具にもこだわりがあります。ガーデニングは重労働なので、せめてオシャレぐらいしましょうよというのが佐藤さんの考え方。そして、道具も例えば、いつかは土に返る、もみ殻で作られた鉢を使うなど環境にも配慮しているそうです。

そんな佐藤さんは現在、ガーデンデザイナーとして個人宅や公共施設の植栽デザインを中心に仕事をしています。

「日本、特に大都市圏にはお庭のある家が少ないので、個人のお宅の庭を作る機会がほとんどないのが残念ですね。将来は皆さんに発信できるお庭を作って、緑の楽しさを伝えていきたいと思っています」(佐藤さん)

ガーデンデザイナーの佐藤麻貴子さん、LEEでトータルコーディネート

ファッションはライフスタイルそのもの

最後に、今回の「エシカルファッションカレッジ」の学長を務めたリー・ジャパンの細川秀和さんにお話をお聞きしました。

ちなみに、リーは1889年にアメリカで創設された、高品質と普遍的なデザインが人気ジーンズメーカーです。日本では1987年にリー・ジャパンとしてライセンスを取得しました。環境と人にやさしい技術の開発・活動を積極的に行っている会社としてもよく知られています。

エシカルファッションカレッジ細川秀和学長(リー・ジャパン取締役)

「初日は朝方に天気が悪かったせいか、お客さんの出足が今一つで心配しました。でも、終わってみたら昨年以上の大盛況でホッとしましたね」と細川さん。

今年は会期を2日間にし、去年は扱わなかった食やエネルギーなどの分野を広げたことについては、

「ファッションは何も着るものだけではなく、ライフスタイルそのものがファッションだと思うんです。だから正直なところ、エシカルがどうしたとか、そんな難しいことはどうでもよくて、今回のイベントをきっかけにして軽い気持ちで入ってきてくれればそれでいいんです」

細川さんのその願いは来場者にも通じ、誰もが何かを「持ちかえる」ことのできた2日間になったのではないでしょうか?

「エシカルファッションカレッジ」Photo Gallery

絞り染め体験実習の様子

LeeのTシャツを好みの色で絞り染めに挑戦

インドを感じる糸紡ぎ実習、畑で収穫されたオーガニックコットン

コミュニティー・フェアトレード メイクアップ講座の様子

ーーBackstage from “ethica”ーー

イギリスでガーデニングを学んだ佐藤麻貴子さんは、2012年に”日本の復興”と題し、ハンプトンコートパレスフラワーショーにて初の出展。’シルバーギルド受賞’されました。詳しくはこちらから→http://gardencharityuk.jimdo.com/

記者 清水 一利(しみずかずとし)
1955年千葉県市川市生まれ。明治大学文学部(史学地理学科日本史専攻)を卒業後、1979年、株式会社電通PRセンター(現・株式会社電通パブリックリレーションズ)に入社。クライアント各社のパブリシティ業務、PRイベントの企画・運営などに携わる。1986年、同社退社後、1987年、編集プロダクション・フリークスを主宰。新聞、雑誌(週刊誌・月刊誌)およびPR誌・一般書籍の企画・取材・執筆活動に従事。2012年「フラガール3.11~つながる絆」(講談社)、2013年「SOS!500人を救え~3.11石巻市立病院の5日間」(三一書房)を刊行。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

 

清水 一利

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