(第45話)「知っておきたい塩のはなし(前編)〜体に大切なミネラルのこと」キコの「暮らしの塩梅」
独自記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
(第45話)「知っておきたい塩のはなし(前編)〜体に大切なミネラルのこと」キコの「暮らしの塩梅」

「私によくて、世界にイイ。」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。

でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?

当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。

 

第44話では、自分にあった方法で無理なく暮らしのなかに学びを取り入れていくヒントをお伝えしました。今回からは一番身近な調味料である塩について、2回に渡ってお話ししたいと思います。

古来から大切にされてきた塩

日本で塩が使われるようになったのは、弥生時代初期のころからと言われています。

狩りをして動物の肉や内臓を食べていたころは、それらに多くの塩分がふくまれていたため、あえて塩を摂る必要はありませんでしたが、弥生時代になって農耕・定住型の生活を営み穀物や野菜が中心の食生活に変化してからは、塩を摂取するようになりました。

 

塩は保存性が高く、また漬物や味噌、梅干しなどの発酵食品や保存食には必ず塩が使われていることから、食文化の視点から見ても欠かせないものです。

 

さらに、塩に含まれるミネラルは人の生命維持に必須のものであるため、塩は古くから政治的、経済的にも重要で貴重な存在でした。

古代ローマでは給料が塩で支払われたり、また米や布などと同様、塩が貨幣の代わりとして物々交換に使われていた時代もあります。

塩に含まれるミネラルの大切な役割

塩に含まれるミネラルは、人の生命維持に欠かせない五大栄養素の一つで、唯一体内でつくることができないため、食べ物などから摂取する必要があります。

 

地球上には数多くのミネラルが存在しますが、現時点ではカルシウム、マグネシウム、ナトリウムなど、16種類のミネラルが機能維持のために必須だということがわかっています。

 

そして、そのミネラルは、次のような役割を担っています。

・血液や骨を作ったり、体の機能の維持や調整をする

・細胞内の塩分濃度を一定に保つ

・血液を弱アルカリ性に保つ

・疲労回復、代謝を助ける

・脳の活性化や抗酸化作用による老化の予防

・貧血の予防

などなど、必要な量はわずかですが、それぞれが非常に大切な役割を持ち、日々の食事からバランスよく摂取することが大切と言われています。

 

ミネラルが不足すると、虚脱感、疲労感、頭痛、脱水症状、精神疾患、冷え、貧血、生理不順など、いわゆる”不調”と呼ばれるさまざまな症状が起こります。

 

ミネラルは土壌にも多く存在し、野菜にも含まれています。しかし、近年の野菜のミネラル含有量は、50年ほど前と比べて、2分の1〜3分の1であると言われています。そしてそのひとつの原因とあげられるのが、より早く、多くの収穫ができるように多量の化学肥料を使用する現代の農法です。

 

有機農法や自然農で育てられた野菜を手に入れることができれば、より自然な形で質のよいミネラルを摂取することができますが、現実にはなかなか簡単なことではないと思います。

だからこそ、日々口にする塩からバランスよくミネラルを摂取することを意識することが大切です。

どんな塩を選ぶ?見分け方とポイント

塩を選ぶ際、一番注目したいポイントは「製造方法」です。

 

日本では、古くから海水を釜で炊いて塩を作る方法が主流でした。

しかし、1970年代に塩の安定供給のため「イオン交換膜法」という、電気により海水から「塩化ナトリウム」のみを取り出す工業的な製法が推し進められます。

 

海水には本来80種類以上のミネラルが含まれていますが、この「イオン交換膜法」は塩化ナトリウム以外のミネラルをすべて排除してしまいます。

これが現在、広く普及していて、安く手に入る「精製塩」です。

 

見た目や原材料ではほとんど違いがわかりませんが、大きくは次のような違いがあります。

 

精製塩:「食卓塩」「食塩」として販売されている塩。海水を電気分解して「塩化ナトリウム」のみを取り出す方法で作られており、大量生産が可能で安価なため広く普及している。

 

天然塩:精製塩ではない塩のこと。「自然塩」「天然塩」などと呼ばれるが決まった定義はない。海水を天日で乾燥させたり釜で煮詰めたりして作られたもの。岩塩、湖塩などがあり、ミネラルが豊富に含まれている。

 

再生加工塩:上の二つの中間的なもの。精製塩や海外の塩ににがり(海水)を添加することで天然塩に近いミネラルが含まれる。天然塩より安価で手に入りやすい。

 

これらの情報はパッケージの裏に必ず記されています。

購入するときにパッケージの裏の「原材料」と「製造方法」の欄を見ると、どこでどのように作られた塩なのかわかります。

質のよい塩を毎日のお料理に

今回は塩に含まれるミネラルの大切さ、選ぶ際に気をつけたいポイントについてお伝えしました。

 

塩は、日常の料理に利用するだけでなく、日本の伝統保存食でもある味噌や醤油、梅干しなどにも欠かせないものです。

伝統的な製法で作られているものを選ぶことは、その技術を守り文化を受け継いでいくことにもつながります。口にする機会が多いものだからこそ、どこでどのように作られたものなのか、より意識して選んでいきたいものですね。

 

次回は、実際に我が家で使っている塩の紹介と、選ぶときのポイントをより詳しくお伝えできればと思います。

【連載】キコの「暮らしの塩梅」を読む>>>

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
テーマは、ナチュラルモダン『自立した女性』に向けたインナーウェア デザイナー石山麻子さん
独自記事 【 2022/9/19 】 Fashion
株式会社ワコールが展開する、人にも自然にもやさしいを目指すインナーウェアライン「ナチュレクチュール」。オーガニックコットン100%のラインアップが注目を集め、肌あたりやシルエットの美しさが話題になっています。その期待に応える形で、今年9月に新作グループも加わりました。やさしさを突き詰めた製品は、どのような想いや経緯から...
【あむんが行く!第1話】 TBSのSDGsプロジェクト!「ミツバチ教室」で蜜ろうキャンドルづくりを体験
独自記事 【 2022/3/7 】 Work & Study
ethica編集部員の娘(5歳)が、様々なエシカルな体験を繰り広げていく、新企画「あむんが行く!」 “あむん”という名前の由来は、紀元前1000年頃より、二千年の長きにわたって栄えたマヤ文明のマヤ語からきています。意味は“森の神”。自然と親和性のある名前を持つあむんが、今後様々なエシカルな体験を繰り広げていきます。娘の...
“自分にも環境にもやさしい”インナーウェア「WACOAL ナチュレクチュール」
INFORMATION 【 2022/2/21 】 Fashion
肌に直接身につけるインナーウェアは着心地が大事。加えて、環境に寄り添ったアイテムであれば、なおさら手に取りたくなります。「Wacoal ナチュレクチュール」は“自分にも環境にもやさしい”を目指したインナーウェアラインです。肌ざわりの良さに加えて、環境や社会に配慮した製品へのこだわりが光ります。今回はそんなアイテムの魅力...
幸せや喜びを感じながら生きること 国木田彩良
独自記事 【 2021/11/22 】 Fashion
ファッションの世界では「サステナブル」「エシカル」が重要なキーワードとして語られるようになった。とはいえ、その前提として、身にまとうものは優しい着心地にこだわりたい。ヨーロッパと日本にルーツを持ち、モデルとして活躍する国木田彩良さんに「やさしい世界を、身に着ける。」をテーマにお話を聞いた。
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【Prologue】
独自記事 【 2021/3/1 】 Health & Beauty
20年以上、トップモデルとして活躍。究極の美の世界で生きてきた冨永愛さん。ランウェイを歩くその一瞬のために、美を磨き続けてきた。それは、外見だけではない。生き方、生き様をも投影する内側からの輝きがなければ、人々を魅了することはできない。「美しい人」冨永愛さんが語る、「“私(美容・健康)に良くて、世界(環境・社会)にイイ...
水原希子×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/12/7 】 Fashion
ファッションモデル、女優、さらには自らが立ち上げたブランド「OK」のデザイナーとさまざまなシーンで大活躍している水原希子さん。インスタグラムで国内上位のフォロワー数を誇る、女性にとって憧れの存在であるとともに、その動向から目が離せない存在でもあります。今回はその水原さんに「ethica」編集長・大谷賢太郎がインタビュー...
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【chapter1-1】
独自記事 【 2021/3/29 】 Health & Beauty
ファッションデザイナーが描く世界を表現するモデルは、まさに時代を映し出す美の象徴だ。冨永愛さんは移り変わりの激しいファッション界で、20年以上にわたり唯一無二の存在感を放ち続ける。年齢とともに磨きがかかる美しさの理由、それは、日々のたゆまぬ努力。  美しいひとが語る「モデル」とは?
モデルのマリエが「好きなことを仕事にする」まで 【編集長対談・前編】
独自記事 【 2018/12/24 】 Fashion
昨年6月、自身のファッションブランドを起ち上げたモデル・タレントのマリエさん。新ブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ、以下PMD)」のプレゼンテーションでは、環境に配慮し無駄を省いた、長く愛用できるプロダクトを提案していくと語りました。そして今年9月、ファッションとデザインの合同...
国木田彩良−It can be changed. 未来は変えられる【Prologue】
独自記事 【 2020/4/6 】 Fashion
匂い立つような気品と、どこか物憂げな表情……。近年ファッション誌を中心に、さまざまなメディアで多くの人を魅了しているクールビューティー、モデルの国木田彩良(くにきだ・さいら)さん。グラビアの中では一種近寄りがたい雰囲気を醸し出す彼女ですが、実際にお会いしてお話すると、とても気さくで、胸の内に熱いパッションを秘めた方だと...
東京マラソンと東レがつくる、新しい未来
独自記事 【 2022/5/2 】 Fashion
2022年3月6日(日)に開催された東京マラソン2021では、サステナブルな取り組みが展開されました。なかでも注目を集めたのが、東レ株式会社(以下、東レ)によるアップサイクルのプロジェクトです。東レのブランド「&+®」の試みとして、大会で使用されたペットボトルを2年後のボランティアウェアにアップサイクルするとい...

次の記事

(第8話)オーガニックな森のお薦め3選【連載】八ヶ岳の「幸せ自然暮らし」
無印良品がESG経営の中核を担う新たな商品やサービスを発表

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます