体験は真実 エシカリスタVol.8 Ethical Fashion Japan代表 竹村伊央さん
Blog
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
2,016 view

体験は真実

こんにちは。

先日、フィリピン・ミンダナオ子供図書館館長・松居友さんの講演会チャリティイベントに参加致しました。図書館へのファンドレイジングが目的のこのイベントですが、お誘いがあるまでこのような活動があることも知りませんでした。

フィリピンという国がそこまで遠くない国であることから、「家の前にあるレストラン」というような、「近いから存在は知っているけど、いつでも行けるから行くのは今度でも……」という感覚になっていて、実際にその中を覗いてみたことがなかった、というのが正直なところです。

 

そこで上映されたのがショートフィルム「げんきなやさい」。館長のご子息、松居陽さんの作品です。そこには、陽さんが現地の人々と一緒に生活をし、体験したフィリピンでの日常が描かれていました。1日中頭に野菜の入った重い桶を乗せて売り歩き、その日の夕ご飯は1回分のケチャップソースをおいしそうに食べていたり。寝る場所はみんなで1つの部屋で布団もないですが、「しょうがないね、私達貧乏だから」って明るく冗談をいっていたりなど、彼らが送っている普段の日常が映されていました。これが恐らく、今の現実なんだろうなと。今もこのようにして暮らしているんだって思いました。

 

この講演を通じて、私は1つ気づかされたことがありました。

すごく当たり前になってしまった今の私の日本での生活ですが、私がイギリスから帰ってすぐの頃は、何か心臓がバクバクする感じがしていました。定時にはきっちり仕事を切り上げ、プライベートをマイペースに過ごすようなイギリスの生活に対し、「早く行かなきゃ」「こうしなきゃ、あーしなきゃ」「間に合わない」と、すごく仕事でもプライベートでも一気に焦らされている感覚になりました。

 

それは、ものがあってなんでも手に入れることができ、電車や飛行機ですぐどこにでも行けて、携帯電話やインターネットですぐ連絡ができるのが当たり前な社会だから。溢れているものや情報に追われて常に何かに急き立てられているような感覚がしていました。

 

そのスピードや量に頭がクラクラしていた記憶がありますが、今ではすっかり慣れ、もう頭はクラクラしませんし、寝る間もなく働いています。でも映画を見て、自分が「溢れている環境」にいるのだと久しぶりに実感して、今の「当たり前」を見直すことができました。

 

講演の中松居友さんが、「先進国の人がたまにフィリピンに来られてお手伝いされていかれますが、だいたいの人は、実際の子供たちの反応が思っていたものと違うという「空振り」で終わってしまいます。それは「かわいそうな子供たち」という、上から下の目線で見て接しているということなんです。まずは『友だち』になってみてください。そしたら、自然と彼らの気持ちが分かってくるでしょう。行動はその後でもよいのでは?」と、話されていました。

 

それを聞いて、これはエシカルにものすごく通ずることじゃないかと思ったんです。まずは相手の立場になって考えてみよう。相手目線で一緒に見てみよう。この方法ならすんなりエシカルな一歩が踏み出せるのではないかなと思いました。

 

●お知らせ  〜EFJショッピングイベント第2弾!クリスマス・マーケット2013開催〜

「アップサイクル」をテーマに、リメイク品やB品、古着など、クリエイティブで唯一無二の魅力を持つ商品を10ブランド販売します。

日時:2013年12月7日(土) 13時〜21時

場所:Le cave STUDIO (東京都渋谷区南平台町17-6 SVAXビルB1F

・詳細

http://www.ethicalfashionjapan.com/2013/11/christmas-market/

・チケット購入はこちらから

https://efj.stores.jp/#!/items/52858b138a561072a000001b

・FB イベントページ

https://www.facebook.com/events/691232770917257/?ref_newsfeed_story_type=regular

 

 

Ethical Fashion Japan代表  竹村伊央さん

1982年名古屋市生まれ。高校卒業と同時に渡英し、イギリスでエシカルファッションが興隆しつつある2005年より、エシカルファッションムーブメントを作り上げたブランドの1つ、JUNKY STYLINGに勤務。またスタイリストとしても活躍し、エシカルを中心としたスタイリングも手がける。2010年帰国後、2012年にEthical Fashion Japanを設立。同年に「ファッション×社会問題」をコンセプトにしたエシカルファッション誌「Emagazine」をローンチするほか、2013年3月の1周年イベントでは日本初のエシカルファッションのショッピングイベントをエシカルブランド14社と開催。ファッションとしてエシカルを根付かせるさまざまな取り組みを行う。

Ethical Fashion Japan

twitter :@ethicalJP

Facebook

このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
そろそろ知っておかなくちゃ! 水素のこと。森中絵美(川崎重工)×中村知弘(UCC)
sponsored 【 2024/3/26 】 Work & Study
2023年の記録的な猛暑に、地球温暖化を肌で感じた人も多いだろう。こうした気候変動を食い止めるために、今、社会は脱炭素への取り組みを強化している。その中で次世代エネルギーとして世界から注目を集めているのが「水素」だ。とはいえまだ「水素ってどんなもの?」という問いを持っている人も多い。2024年2月に開催された「サステナ...
【ethica Traveler】 連載企画Vol.5 宇賀なつみ (第4章)サンフランシスコ近代美術館
独自記事 【 2024/3/20 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 本特集では、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブ...
【ethica Traveler】連載企画Vol.4 宇賀なつみ (第3章)アリス・ウォータースの哲学
独自記事 【 2024/2/28 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。  今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブル...
【ethica Traveler】連載企画Vol.3 宇賀なつみ (第2章)W サンフランシスコ ホテル
独自記事 【 2024/2/14 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブルな...
【ethica Traveler】連載企画Vol.2 宇賀なつみ (第1章)サンフランシスコ国際空港
独自記事 【 2024/1/31 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブルな...
【ethica Traveler】連載企画Vol.1 宇賀なつみ サンフランシスコ編(序章)   
独自記事 【 2024/1/24 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。  今回は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブル...
【Earth Day】フランス商工会議所で開催するイベントにてethica編集部が基調講演
イベント 【 2023/4/3 】 Work & Study
来たる4月22日は「アースデイ(地球の日)」地球環境を守る意思を込めた国際的な記念日です。1970年にアメリカで誕生したこの記念日は、当時アメリカ上院議員だったD・ネルソンの「環境の日が必要だ」という発言に呼応し、ひとりの学生が『地球の日』を作ろうと呼びかけたことがきっかけでした。代表や規則のないアースデイでは、国籍や...
トランスメディア方式による新しい物語~『サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビューティーに整える』(序章)と(第1章)の見どころを紹介!~
独自記事 【 2023/8/17 】 Health & Beauty
エシカではメディアを横断(トランス)するトランスメディア方式を採用し、読者の方とより深くつながる体験を展開しています。今回は、「サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビューティーに整える」の序章と第1章についてのあらすじと見どころをお届け!(記者:エシカちゃん)
トランスメディア方式による新しい物語~『サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビューティーに整える』(第2章)と(第3章)の見どころを紹介!~
独自記事 【 2023/8/24 】 Health & Beauty
エシカではメディアを横断(トランス)するトランスメディア方式を採用し、読者の方とより深くつながる体験を展開中。さまざまなメディアから少しずつ情報を得、それをパズルのように組み合わせてひとつのストーリーを見出す、新しいメディア体験です。 今回は、前回に引き続き、「サステナブルな旅へようこそ!――心と身体、肌をクリーンビュ...
テーマは、ナチュラルモダン『自立した女性』に向けたインナーウェア デザイナー石山麻子さん
独自記事 【 2022/9/19 】 Fashion
株式会社ワコールが展開する、人にも自然にもやさしいを目指すインナーウェアライン「ナチュレクチュール」。オーガニックコットン100%のラインアップが注目を集め、肌あたりやシルエットの美しさが話題になっています。その期待に応える形で、今年9月に新作グループも加わりました。やさしさを突き詰めた製品は、どのような想いや経緯から...
幸せや喜びを感じながら生きること 国木田彩良
独自記事 【 2021/11/22 】 Fashion
ファッションの世界では「サステナブル」「エシカル」が重要なキーワードとして語られるようになった。とはいえ、その前提として、身にまとうものは優しい着心地にこだわりたい。ヨーロッパと日本にルーツを持ち、モデルとして活躍する国木田彩良さんに「やさしい世界を、身に着ける。」をテーマにお話を聞いた。
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【Prologue】
独自記事 【 2021/3/1 】 Health & Beauty
20年以上、トップモデルとして活躍。究極の美の世界で生きてきた冨永愛さん。ランウェイを歩くその一瞬のために、美を磨き続けてきた。それは、外見だけではない。生き方、生き様をも投影する内側からの輝きがなければ、人々を魅了することはできない。「美しい人」冨永愛さんが語る、「“私(美容・健康)に良くて、世界(環境・社会)にイイ...
水原希子×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/12/7 】 Fashion
ファッションモデル、女優、さらには自らが立ち上げたブランド「OK」のデザイナーとさまざまなシーンで大活躍している水原希子さん。インスタグラムで国内上位のフォロワー数を誇る、女性にとって憧れの存在であるとともに、その動向から目が離せない存在でもあります。今回はその水原さんに「ethica」編集長・大谷賢太郎がインタビュー...
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【chapter1-1】
独自記事 【 2021/3/29 】 Health & Beauty
ファッションデザイナーが描く世界を表現するモデルは、まさに時代を映し出す美の象徴だ。冨永愛さんは移り変わりの激しいファッション界で、20年以上にわたり唯一無二の存在感を放ち続ける。年齢とともに磨きがかかる美しさの理由、それは、日々のたゆまぬ努力。  美しいひとが語る「モデル」とは?
モデルのマリエが「好きなことを仕事にする」まで 【編集長対談・前編】
独自記事 【 2018/12/24 】 Fashion
昨年6月、自身のファッションブランドを起ち上げたモデル・タレントのマリエさん。新ブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ、以下PMD)」のプレゼンテーションでは、環境に配慮し無駄を省いた、長く愛用できるプロダクトを提案していくと語りました。そして今年9月、ファッションとデザインの合同...
国木田彩良−It can be changed. 未来は変えられる【Prologue】
独自記事 【 2020/4/6 】 Fashion
匂い立つような気品と、どこか物憂げな表情……。近年ファッション誌を中心に、さまざまなメディアで多くの人を魅了しているクールビューティー、モデルの国木田彩良(くにきだ・さいら)さん。グラビアの中では一種近寄りがたい雰囲気を醸し出す彼女ですが、実際にお会いしてお話すると、とても気さくで、胸の内に熱いパッションを秘めた方だと...
東京マラソンと東レがつくる、新しい未来
独自記事 【 2022/5/2 】 Fashion
2022年3月6日(日)に開催された東京マラソン2021では、サステナブルな取り組みが展開されました。なかでも注目を集めたのが、東レ株式会社(以下、東レ)によるアップサイクルのプロジェクトです。東レのブランド「&+®」の試みとして、大会で使用されたペットボトルを2年後のボランティアウェアにアップサイクルするとい...

次の記事

ethicaプレスレセプションをレポート! 国際文化会館(岩崎小彌太記念ホール) ミス・ユニバース・ジャパンが登場! エシカルファッションやオーガニックコスメの展示も――
優しい想いとともに。エシカル・クリスマス・ギフトを、大切なあの人へ! エシカリスタVol.9 rooms エシカル・エリア・ディレクター坂口真生さん

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます