片付けレッスンの予約が1年待ち、カリスマ片付けアドバイザー石阪京子さん「家族の大切さを伝える片付け」
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片付けレッスンの予約が1年待ち、カリスマ片付けアドバイザー石阪京子さん「家族の大切さを伝える片付け」

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA) 

口コミで評判が評判を呼び、いまや片付けレッスンの予約待ちが1年というカリスマ片付けアドバイザー石阪京子さん。最近では「一生リバウンドしない! 奇跡の3日片づけ」(講談社)を出版され、こちらも話題になっています。

ごく普通の主婦だった石阪さんが現在のような片付けアドバイザーになったのは、ご主人の転職とご主人、そして家族への愛があったから。今回はそんな石阪さんにお話を聞きしました。

27歳で専業主婦に

小学校の同級生だった主人とは26歳の時に結婚しました。その頃、私は短大を出て、ある大手の電機メーカーに勤めていたのですが、会社が楽しかったので、辞めるつもりは全くありませんでした。

主人は家のことを全くやらない人でした。男は外で働き、女は家を守るという昔ながらの考えを持っていたのです。

27歳で妊娠した時、会社で飲み会があって夜遅く帰ってきました。すると、台所が朝のままになっていて、それでケンカになって専業主婦になることにしました。

でも、結婚するまで1人暮らしをしたこともありませんでしたし、家事が特に好きというわけではなく、家の中の片付けだってそんなにこだわるほうではありませんでした。それが大きく変わったのが、夫の転職でした。

きっかけは夫の転職

当時、夫は大手の旅行会社に勤めていました。前々から旅行業は自分には向いていないといってはいましたが、転職を具体的に考えていたわけではありませんでした。そんな夫が、仕事で知り合った不動産会社の社長さんから声をかけられて、その会社に転職することになったのです。それが35歳の時でしたね。

ところが、転職して1年くらいでその会社が潰れてしまい、さらに別の不動産会社に移ったのですが、何とそこもダメになってしまいました。

私としては、これでサラリーマンに戻ってくれるのかなと思っていましたが、夫は「サラリーマンは向いていない」といって、38歳の時、自分で不動産屋をやることになりました。社員はいません。それで、私は電話番をしたりホームページを立ち上げたりして、夫の仕事の手助けをしていましたが、その時、始めたブログが今の私につながっているのです。

夫への信頼と前向きな気持ち

安定していたサラリーマンを捨てて転職をしたのに、いきなり2回も続けて会社が潰れて、それで今度は自分で起業したわけです。もちろん、うまくいくかどうかは全く分かりませんでしたし、その頃、2人の子供はまだ小さかった。友達には「普通なら離婚のパターンだ」といわれました(笑)。

でも、夫婦の間がギクシャクすることなく、それまでと変わらずにやっていけたのは、夫のことを信頼していたし、いざとなったら何とかなると、つねに前向きに考えていたからでしょうね。

そもそも、夫と結婚する時も夫のお父さんは早くに亡くなっていて、お母さんは病気で、経済的にも大変な時期でした。私が「石阪君と結婚をする」といったら、周りの友達は心配していました。けれど、夫は家庭を常に守ってくれましたから、何があっても大丈夫と信頼していたんです。

家族の大切さを伝えるお片付け

今、片づけアドバイザーとして皆さんから声をかけていただくようになったのも、本当にちょっとしたきっかけからでした。

夫と一緒に不動産の仕事に関わっていると、新しく買っていただいた家が、だんだんと汚くなっていくことをしばしば目にするようになったのです。収納のことを考えてたくさん作ったのに、どうして、この家はこんなに片付いていないのだろう? それが不思議に思えて、自分なりに家を片付けることについて勉強を始めたのです。

そんな時、当時中学1年生だった長男が交通事故に遭いました。一生歩けなくなるかもしれないといわれたほどの重症で、長期間の入院生活を送る時になりました。その時、家族ってすごく大事だと痛感したのです。

そして、長男が家に戻ってくる時家の中でケガをさせない様に、片づけをきちんとしないと思って、ただ単に素敵なインテリアにするのではなく、家族の大切さを伝えるような片付けレッスンができないかなと考えたのです。

奇跡の私

3年ほど前に、もともとやっていたブログで片付けのことを載せ始めました。すると、多くの人が関心を持ってくれてあっという間に口コミで広まり、いろいろなところから依頼が来て、気がついたら半年先まで予約で埋まっていました。

これを商売にしようと思ったことは一度もありませんでしたから、もちろん広告を出すなどということもなかった。家を買ってくれた人へのアフターサービスくらいの軽い気持ちだったんです。

そのうちに、知り合いの人が「これは面白い。本になる」といって講談社に企画を持っていってくれたら、それが「一生リバウンドしない! 奇跡の3日片づけ」という本になったんです。本当に思いがけないことで自分では「奇跡の3日片づけ」ではなくて、「奇跡の私」だと思っています(笑)。

おかげさまでたくさんの方に読んでいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。家の片付けに関する本はたくさん出ていますが、私は「マインドを整理して家を片付けること」を第一に考えています。その点が皆さんに共鳴していただいているではないかと思いますね。

夫婦が長続きする秘訣

今、片付けのレッスンや講演会などで毎日忙しくなりました。最近では、夫もいろいろと家のことを協力してくれるようになりました。夫が転職しなかったら、もちろん今の私はないわけで、その意味で夫には感謝しています。

夫と結婚して以来いろいろなことがありましたが、私は妻である自分から見て夫婦が長続きする秘訣は3つあると思っています。

一つ目は、夫を信頼すること。妻が信頼してくれれば、夫は安心して働くことができますから。

二つ目は、口に出して「ありがとう」とか、「イヤだ」と思うことも伝えること。男の人には、言葉で伝えないと伝わらないと思います。

そして三つ目は、何事でも夫を優先しているように見せること。特に食事は大事ですね。無理して贅沢をする必要はないのですが、夫の食事だけちょっとよくするとか、1品多くするだけでいいんです。「男の胃袋をつかめ!」なんですよ(笑)。

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA) 

結婚は絶対に好きな人と

これから結婚をしようという若い女性に1つだけ言いたいことがあります。

それは「結婚するなら、絶対に好きな人と。胸がキュンとする人と結婚してください」ということです。いくら経済的には豊かな人だったり、いい会社に勤めている人であっても、好きな人じゃないと一緒に苦労を楽しめないので。

大げさに思われるかもしれませんが、大好きな人と幸せに暮らすために家の片づけをストレスなく出来ると、人生の楽しみは何倍にもなると思っています。家は魂を休める場所。そんな空間は、夫婦円満の秘訣にもなりますよね。

一生リバウンドしない!奇跡の3日片づけ 石阪 京子(著)

モノには適量(目安は家全体の収納の7割)があります。そのためにモノを減らさなくてはならず、理想と現実のギャップに悩み、時間ばかりが過ぎていきます。結果、家が一軒片付けることができず、中途半端に終わりまたリバウンドしてしまうのです。しかし、いきなり捨てるからはじめては失敗に終わります。もっとも大事なのは、「理想の暮らしを思い描くこと」と「家一軒片づけ切ること」。そうすれば、絶対に元に戻ることはありません。この本では、家全体の片づけが3日で終わる方法を具体的に、隣に石阪さんがいるかのようにお教えいたします!すべては、押入れ・クローゼットからスタートです!

「3日片づけ」直前、スイッチが入る10の心得

一.片づけ前に収納グッズを買わない
二.一気に片づけ切らなくてもいい
三.家事が嫌いな人、忙しい人ほどモノを減らすつもりで
四.収納スペースには3割以上のゆとりを確保
五.生活必需品は「定数管理」と覚えておいて
六.ストックは1個ずつで大丈夫
七.捨てる罪悪感と向き合ってみて
八.“てっとり早く”手放せばストレスフリー
九.「ひと部屋にいくつもの役割」は片づかない家の特徴
十.でも、家族のモノは勝手に捨ててはならない

 

■紀伊國屋書店 KINOKUNIYA WEB STORE

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784062188265

インタビュアー 清水 一利(しみずかずとし)
55年千葉県市川市生まれ。明治大学文学部(史学地理学科日本史専攻)を卒業後、79年、株式会社電通PRセンター(現・株式会社電通パブリックリレーションズ)に入社。クライアント各社のパブリシティ業務、PRイベントの企画・運営などに携わる。86年、同社退社後、87年、編集プロダクション・フリークスを主宰。新聞、雑誌(週刊誌・月刊誌)およびPR誌・一般書籍の企画・取材・執筆活動に従事。12年「フラガール3.11~つながる絆」(講談社)、13年「SOS!500人を救え~3.11石巻市立病院の5日間」(三一書房)を刊行。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

清水 一利

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