今年は過去最大の4212名が参加、横浜みなとみらいチャリティー・ウォーキング 寄付金を通じて、途上国の子供たちに給食を届けよう! 第10回「WFPウォーク・ザ・ワールド」開催
独自記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
6,921 view
今年は過去最大の4212名が参加、横浜みなとみらいチャリティー・ウォーキング

萩原次晴さん(左)、荻原健司さん(右)Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA) 

5月24日、国連WFPは第10回「WFPウォーク・ザ・ワールド」を横浜みなとみらいで開催、小さな子供からお年寄りまで多くの方々が参加しました。その模様をレポートします。

これまでに55万人の子供に給食を

世界中には1日に1回の食事すら満足に食べることができず、空腹のまま学校に通う子供が約6600万人いるといわれています。

国連の食糧支援機関である国連WFPでは、貧困に苦しむそうした子供たちの健やかな成長と就学を支援するため、学校で栄養たっぷりの給食を提供する「学校給食プログラム」を実施しています。

今回の「WFPウォーク・ザ・ワールド」は同プログラムを応援するために2006年から毎年1回横浜で行われているチャリティーウォークです。

2010年にユネスコ文化遺産保全のためのアジア太平洋遺産賞を日本初受賞した歴史的建造物「横浜赤レンガ倉庫」

参加者は一般1500円、小学生500円の参加費を支払いますが、そのうちの一般は1000円、小学生は200円が募金とされ、飢餓や貧困に苦しむ世界中の子供たちに役立てられることになっています。

ちなみに、過去9回での寄付金の総額は1660万2200円、給食を受け取った子供は約55万人にも達しているそうです。

国連WFP協会 安藤宏基会長(日清食品ホールディング代表取締役社長・CEO) Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA) 

「日本は経済大国であるわりにはチャリティーという意識があまり根づいていなくて、このイベントを始めた当初は400人程度が参加をする小さなものでした。それが今回は4000人以上も集まったというのは、飢餓で苦しんでいる子供たちのために何とかしたいという皆さんの意識が高まってきたのではないかと思いますね。

それでも、世界中では戦争や内紛、さらには自然災害が起きて援助を必要としている人が8億500万人もいます。私たちWFPが支援できているのは、まだその1割程度なのです。そのためにもまだまだ活動を続けていかなくてはいけません。10年でここまで大きくできましたから、今後は横浜だけではなく、できれば全国にこの活動を広げていきたいですね」(安藤宏基国連WFP協会会長(日清食品ホールディング代表取締役社長・CEO))

過去最多の4212人が参加

10回目となる今回、イベントには家族連れや会社の同僚、友だち同士など小さな子供から高齢者まで過去最多となる4210人が参加しました。

当日は朝のうちこそ雨がぱらつき天候がぐずつきましたが、スタート直後は青空ものぞく絶好のウォーキング日和となった中、臨港パークを出発。赤レンガ倉庫や港の見える丘公園など横浜の名所を巡る5㎞と10㎞のコースを思い思いに楽しみました。

また、今回は荻原健司さん(スキー・ノルディック複合オリンピック金メダリスト)、荻原次晴さん(同日本代表)、三浦豪太さん(プロスキーヤー・国連WFP協会顧問)らがゲストとして参加、さらに渡辺巧教横浜市副市長、各国大使なども加わって一般の人たちとともにウォーキングに汗を流していました。

国連WFP協会顧問 三浦豪太さん(プロスキーヤー) Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA) 

右から、横浜市 渡辺巧教副市長、萩原兄弟、国連WFP協会顧問 三浦豪太さん、参加国大使、国連WFP協会 安藤宏基会長

歩き終わったゲストの皆さんは、

「10㎞を楽しく歩くことができました。みんなの力を結集して世界を救わなければならないですね」(荻原健司さん)

「子供たちにおいしい給食が届けられると思い、一歩一歩踏みしめて歩きました。楽しく歩いて元気になって世界の問題に立ち向かえる。とても気持ちがよかったです」(荻原次晴さん)

「赤レンガや港など横浜ならではの景色を満喫しました。コースの途中にはクイズラリーもあり、楽しみながら世界の飢餓について理解を深める良いきっかけにもなりました」(三浦さん)

と、感想を語っていました。

CSR活動として企業が参加しやすいイベント

「WFPウォーク・ザ・ワールド」の大きな特徴は、毎回、活動の趣旨に賛同した多くの企業が特別協賛もしくは協賛しているとともに、実際のイベントにも各企業単位でたくさん参加しているということです。

今回は66社を数え、その一つ、みずほフィナンシャルグループは約170人が参加しました。

みずほフィナンシャルグループ コーポレート・コミュニケーション部CSR推進室・東條憲二室長

「<みずほ>ではグループ一体となって毎年参加しています。社会貢献活動の一環として始めましたが、 グループ社員の一体感を高める機会にもなっています。『WFPウォーク・ザ・ワールド』は、家族も一緒に楽しみながら参加できるチャリティイベントなので社員も参加しやすいようです。

また、参加募集の際、社員にイベントの趣旨を説明する中で、世界中には給食が食べられない子供 がたくさんいるということも知らせていますので、当日参加できなくても、そういう世界の実情を知ってもらういい機会になっているのではないかと思います。」(コーポレート・コミュニケーション部CSR推進室・東條憲二室長)

およそ800人の子供が救える

今回の参加者4212人から集められた寄付金は401万1,200円に上りました。

5,000円で子供1人に1年間、給食を届けられることから、これによっておよそ800人の子供を救うことができるというわけです。

「WFPウォーク・ザ・ワールド」はウォーキングを楽しみながら、食育やチャリティーについて考えることのできる絶好の機会ともいえるでしょう。次回は、あなたもぜひ参加してみてはどうでしょう?

ゴール到着後は参加者をお出迎え 荻原健司さん

ゴールインタビュー 特設ステージにて

ゴール地点でゴミの回収にダスキンが協力

天候にも恵まれ、愛犬もしばしの休息

数多くの企業・団体が協力、今年は66社の企業が参加

開催地となった臨港パークの広大で美しい芝生、海に面した開放感が心地よい。

記者 清水 一利(しみずかずとし)
1955年千葉県市川市生まれ。明治大学文学部(史学地理学科日本史専攻)を卒業後、1979年、株式会社電通PRセンター(現・株式会社電通パブリックリレーションズ)に入社。クライアント各社のパブリシティ業務、PRイベントの企画・運営などに携わる。1986年、同社退社後、1987年、編集プロダクション・フリークスを主宰。新聞、雑誌(週刊誌・月刊誌)およびPR誌・一般書籍の企画・取材・執筆活動に従事。2012年「フラガール3.11~つながる絆」(講談社)、2013年「SOS!500人を救え~3.11石巻市立病院の5日間」(三一書房)を刊行。

ーーBackstage from “ethica”ーー

子ども1人につき、1日およそ30円で、栄養たっぷりの給食を届けられることをご存知でしたでしょうか。本大会に参加された4,212人から集められた寄付金401万1,200円で約13万人分の給食を届ける事が出来ることになりました。貧しい家庭において、学校給食は子どもを毎日学校へ通わせる重要なきっかけとなります。そして、子どもが学校に通う事により地域社会との繋がりが生まれ村や地域の治安向上や平和にも繋がります。「私によくて(=横浜観光ウォーキング)、世界にイイ。(=世界の子供に給食をお届け)」取り組みと言えるのではないでしょうか。

■国連WFP公式ページはこちら
http://ja.wfp.org

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

清水 一利

このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
【ethica Traveler】 連載企画Vol.5 宇賀なつみ (第4章)サンフランシスコ近代美術館
独自記事 【 2024/3/20 】 Work & Study
「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集しています。 本特集では、カリフォルニア州サンフランシスコ市のエシカルな取り組みを取材!エシカ編集部と共にサステナブ...
【ethica Traveler】  静岡県 袋井市の旅 おいしいもの発見!
独自記事 【 2025/3/20 】 Work & Study
日本列島のほぼ真ん中で、駿河湾を囲むように位置する静岡県。その中でも、太平洋に面する西の沿岸部に近いところに袋井(ふくろい)市があります。東西の交流地点として、古くから人や物や情報の往来を支えてきた袋井市は、高級メロンやリゾート、由緒正しき寺院など、未知の魅力がたくさんあるユニークな場所です。今回は、そんな袋井市の中で...
冨永愛 ジョイセフと歩むアフリカ支援 〜ethica Woman Project〜
独自記事 【 2024/6/12 】 Love&Human
ethicaでは女性のエンパワーメントを目的とした「ethica Woman Project」を発足。 いまや「ラストフロンティア」と呼ばれ、世界中から熱い眼差しが向けられると共に経済成長を続けている「アフリカ」を第1期のテーマにおき、読者にアフリカの理解を深めると同時に、力強く生きるアフリカの女性から気づきや力を得る...
持続可能なチョコレートの実現を支える「メイジ・カカオ・サポート」の歴史
sponsored 【 2025/3/19 】 Food
私たちの生活にも身近で愛好家もたくさんいる甘くて美味しいチョコレート。バレンタインシーズンには何万円も注ぎ込んで自分のためのご褒美チョコを大人買いする、なんてこともここ数年では珍しくない話です。しかし、私たちが日々享受しているそんな甘いチョコレートの裏では、その原材料となるカカオの生産地で今なお、貧困、児童労働、森林伐...

次の記事

現代を軽やかに生き抜く女性たちに向けたメッセージCM <ethica womanシリーズ> 〜北川景子さん出演 シチズン クロスシーのCMコンセプトについてお話を伺いました〜
エコ・スタディツアーが持続可能な社会を創る、H.I.S.の鮫島卓さん テーマは「エシカル、持ちかえる」 「エシカルファッションカレッジ」開催(前編)

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます