大切な場所 CZB 【スミレのドイツ留学 回想録】
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『ethica(エシカ)』6月号のテーマは、「エシカル世代」です。

「エシカル世代」とは、1995~1999年に生まれた、「エシカル」「フェアトレード」などに関心が高い世代のことが特徴だそうです。ちなみに1997年生まれの私は、まさにエシカル世代。とは言いながら、特に「エシカル」を意識することもなく、日本で、子供たちにかかわるワークショップなどで活動していましたが、思うところあり、2019年からの1年間、文部科学省が実施している「トビタテ!留学JAPAN」の9期生として、ドイツに滞在しました。すると、そのドイツで触れた地球や動物に優しい暮らしや考え方は、まさに「エシカル」そのもの。衝撃的でした。「エシカル世代」の自分たちのあり方を思いながら、そこで学んだこと、感じたことを綴っていきたいと思います。

サプライズでお別れパーティーを開いてくれたみんな

今回は私の一番大切な居場所である、教会CZB (Christliches Zentrum Bielefeld) での思い出について書きたいと思います。長いですが最後まで読んでもらえたら嬉しいです。

とあるきっかけで隣町の教会に行ってみることになった私。誘ってくれたのは地域の合唱クアイヤーで声をかけてくれた2人の女の子でした。優しくて面倒見のいい24歳のお姉ちゃんと元気いっぱいのおてんばな17歳!3人でいると本当の姉妹のようでした。

キリスト教への信仰がとっても強い2人は、私が友達作りに苦戦していることを知り、教会のYouth Groupにくれば友達が作れるはず!そして私にキリスト教の素晴らしさを伝えたい!という想いから、出会ったばかりの私をCZBに連れて行ってくれました。CZBでは毎週金曜日に10代20代の若者が集まり、歌ったりゲームをしたり、キリスト教について学び考えるコミュニティがあります。30人ほどが毎週集まるこのコミュニティーには、本当に親切で私を歓迎してくれる人がたくさんいました。

地域のクアイヤーではあまり歓迎してもらえなかったこともあり、CZBの人の温かさには本当に驚きました。ドイツ語がほとんどできなかった私のためにすべて英語に通訳し、みんなに私を紹介してくれた2人。「毎週一緒に行きたい」と伝えると2人はとっても喜んでくれました。

このCZBはとても信仰の強い人が集まる教会。

知識のない私にキリスト教の教えやジーザスの素晴らしさをたくさん教えてくれました。正直、too muchだと思うことも時々ありましたが、こうしてみんなが私に話しかけてくれ、一員として迎え入れてくれたことが嬉しかったです。

何よりもお気に入りだったのは”worship”の時間。神様への感謝や祈りを込めて、心の底から歌う時間。私のイメージとは全然違って、近代的でまるでコンサートのよう!毎週この時間を楽しみに頑張っていたと言っても過言ではないくらい大好きな時間でした。

近代的でワクワクする、教会とは思えない空間

そして 子どもからお年寄りまで約500人が集う日曜日のミサにも行くようになりました。これも、伝統的なミサとは違い、とっても近代的!おばあちゃんおじいちゃんも楽しそうにポップなworship songを歌います。ミサが終わると皆コーヒーを飲みながら楽しく団欒!

静かに神聖にすることが求められる伝統的な教会とは違って、毎週とっても賑わっています。

こんなCZBで過ごした約5か月。すべてのきっかけを作ってくれた2人の他にもたくさん友達ができました。カフェに行ってひたすらおしゃべりしたり、映画を見に行ったり、お泊まり会をしたり、ある時には電車の中でフラッシュモブのように歌ってみたり…どれもいい思い出。

こうして居場所を与えてくれただけで充分だったのに、最後には最高のサプライズが待っていました。それはYouth Groupからのサプライズパーティー。ミサの後に何も知らずある部屋に呼ばれ、ドアを開けるとそこにはYouth Groupのみんなが…。感謝を伝えたいのは私なのに…プレゼントやお花、そして聖書のフレーズを300個集めたboxをもらいました。あなたはキリスト教ではないけれど、それでもキリストの神様は常にあなたのためにいるよ、と。最後には、ドイツでの残りの生活が良いものになりますようにとみんなでお祈りをしてくれました。

私をこの教会に連れてきてくれた大切な友達

繰り返しになりますが、信仰心のとっても強い彼ら。Jesus(ジーザス)はきっと、新しい人に居場所をこうして与えることを望んでいるだろう。Jesusの愛の存在を知らない人に、彼からの愛を届けよう。こんな風にJesusは彼らの優しさの源になっているんだろうなと思います。

みんなで何かを食べる時もお祈りを欠かさない彼ら。毎日、どんなに小さなことでもJesusにお祈りし感謝することを欠かさない。困った時にはJesusの声に耳を傾ける。自分の全てをJesusに注ぎ、時間があればキリスト教について学んだり、Jesusと過ごす時間にする。こんな風に私とは全く違う世界を生きているように感じる皆と、こんなにも深い絆を築くことができました。

「あなたと会うまでは、キリスト教でない人/新しい人を温かく迎え入れることの大切さを知らなかった。けれどこの居場所がどれだけあなたに幸せを与えたのかを知って、これからはもっと誰に対してもオープンになろうと思えた。」と言ってくれた人もいました。

たくさんのものを私に与えてくれたCZB。そんな大好きな場所で少しでも、私もなにかを与えられていたら嬉しいな。

記者:スミレ

1997年生まれ。千葉県出身の大学生。トビタテ9期生として、2019年1月よりドイツに留学。2016年よりNPO法人じぶん未来クラブにて学生ボランティアとして活動。日本各地で行われる教育ワークショップにてこれまでに1000人以上の子どもたちと関わる。ボランティアリーダーとして各ワークショップを率いたり、新規ボランティアを対象とした研修等も行う。学業やアルバイトからは得ることのできない「ボランティアの魅力」を1人でも多くの学生に伝えたいとの想いのもと、「ボランティア先進国」と呼ばれるドイツにてボランティアを行いその仕組みを探る。

Pay it Forward ~優しさは連鎖する~

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

スミレ

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