(第19話)「思わぬきっかけで手に入れた、理想の朝時間」【連載】かぞくの栞(しおり) 暮らしのなかで大切にしたい家族とwell-being
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(第19話)「思わぬきっかけで手に入れた、理想の朝時間」【連載】かぞくの栞(しおり)

心身ともに健康で、社会的にも満たされた状態であることを意味する「well-being」。

一人ひとりがwell-beingであることが、社会や環境をより良くしていくことにつながるのだと思います。

では、「私にとって良い状態」ってどういうものなんだろう?

そのヒントは、意外と何気ない日常の中に散りばめられているのかもしれません。

新しく何かを始めるのも大切だけど、まずは身近な人や自分が「ごきげん」でいることから。

家族と過ごすなかで感じる、そんな一瞬一瞬を切り取って、綴っていけたらと思います。

理想の朝時間と心の余裕

朝型になりたい。朝、ゆとりのある人って素敵だなぁ。

起きたら軽く運動して、本を読んだり勉強したり。丁寧に作った朝ごはんをきちんと食べて、余裕を持って家を出る。

 

そんな理想を描きながら、現実はつい夜にやることを朝に回しがちで、結局いつ通りの時間に目覚め、ドタバタ慌ただしさと共に家を出る毎日。

 

タイムスケジュールを逆算して書いてみたり、娘と一緒に寝てしまう、夜は仕事をしない、など習慣を変えてみようとしたりするものの、なかなか実行・継続ならず……。

 

諦め半分だったそんな日々が、あることをきっかけに大きく変わりました。

 

そのきっかけとは、娘のおむつ事情。

この夏、暑いから嫌だと紙おむつを脱ぎ捨て、夜もパンツがいい! と主張するようになった娘。

3歳前頃から、日中はほぼ失敗することはなくなったのですが、夜はまだ手放すにはかなりの緊張感があります。

 

「出そうになったら絶対教えてな」と伝え「うん! だいじょうぶやで!」とその時は勇ましく返事をするものの、ちゃんと起き出してトイレに行けるのは3〜4回に一度、多くは明け方頃に「まま、おしっこでた」と起こされるか、腰のあたりに冷たいものを感じ「あ、やったな……」と私が目覚めるか、のどちらかなこの頃です……。

 

シーツを変えシャワーを済ませて着替えると、再びスヤスヤ眠りにつく娘とは反対に、一度しっかり目覚めるとなかなか寝付けない私。

眠ろうと思うほど、最近悩んでいたことやその日の予定などが、あたまの中をぐるぐる駆け回り、体は眠りたいのに脳は覚醒していくという悪循環に陥りがちなのです。

その日も、「まま、おしっこ」の一言で目覚め、トイレに連れて行き再び布団に横になったものの、なかなか寝付けません。

 

時計に手をのばすと、4時36分。

まだ5時間しか寝てない……。でも眠れそうにないし起きるか、と娘が寝入ったのを確認してから、そっと立ち上がりリビングへ行くと、東の方はほんのり白み始めていて、鳥のさえずりも遠くに響き、なんだかいい天気になりそうな予感。

 

(そうだ、ちょっと歩いてみよう)。

 

ラフなTシャツとストレッチの効くパンツに着替え、ウォーキング用の靴は持っていないので、とりあえずそこにあったビーチサンダルをひっかけ、玄関を開けて一歩外に出ると、残暑の時期とは思えないひんやりとした空気を感じます。

 

家の前の、いつも仕事に向かうときに通る道。

足を進めるたびに、(あ、こんなところにお花が植えてある)(この木は実がなるのか)(山ってこんなに近かったっけ)と、自然といろいろなものが目に入ります。

いつもと同じ道なのに、ただ歩くことに気持ちを向けているときには、こんなにも見える景色が違うのかと驚いたのでした。

ほんの数十分、近所をぐるりと一歩きしただけでしたが、気持ちも体もなんだかスッキリとして、不思議とその後の家事も気分よく取り組めます。

 

いつもなら、早く早くー!と焦っている時間には、もう準備万端。

朝ごはんもしっかり食べて、気分よく娘を保育園に送り出せたのでした。

 

娘が「おしっこ」と起き出す時間は、前日飲んだ水分の量にもよりますが、だいたい4時前後。

早起きして運動した分、押し寄せる眠気に抗えない……というのもありますが、睡眠時間を確保するためにも、平日は娘と寝ることに。

 

日の出と共に起き出して20分ほど近所を歩き、ちょっとばかりの読書をして、朝の家事を済ませたら、家族そろって朝ごはんを食べて、10分早くお家を出る。

 

毎朝、とまでは行きませんが、継続して早や1ヶ月。

きっかけは何であれ、理想の朝時間と心の余裕を手に入れ、ごきげんな私なのでした。

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

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