アジアの力を世界に TBS 秋沢淳子
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アジアの力を世界に TBS 秋沢淳子

ethicaがメディアパートナーとして参加した「サステナブル・ブランド国際会議 2022 横浜」(SB 2022 YOKOHAMA)は、グローバルで活躍するサステナビリティのリーダーが集うコミュニティ・イベントです。

今年も、昨年に引き続き、歴史と未来が交差する人気都市・横浜で「ハイブリッド形式(現地参加 or オンライン参加)」開催となり、多くのセミナー、ディスカッション、ワークショップが繰り広げられ、さまざまな貴重な提言や発表が紹介されました。

今回は、2日目のオープニングを飾った「アジアの力を世界へ」と題されたセッションから、ファシリテーターを勤めた青木茂樹氏(SBアカデミックプロデューサー)と TBSの秋沢淳子氏のディスカッションをレポートします。

【あわせて読みたい】TBS秋沢淳子さん鼎談

(第1話)アジア最大級の短編映像フェスティバル「DigiCon6」

(第2話)Intercultural Programsで異文化体験留学

(第3話)NGO「スプートニクインターナショナル」を設立

(第4話)持続可能な途上国アーティスト支援「ホワイト・キャンバス」

(第5話)仕事とプライベートの両立

(第6話)グローバルとインターナショナルの違い

(第7話)留学経験が全ての起点

(第8話)やっぱり自分って食べ物でできている

国際交流・教育支援をテーマに活動するNGO団体「スプートニクインターナショナル」

青木: 私から冒頭にご紹介したい方がいらっしゃいます。私の友人でもあるTBSのニュースを読んでいた秋沢淳子アナウンサー、正確には元アナウンサーで今はCSR部長と出世したんですけど、この間ふと見たらNHKインターナショナルのウェブサイトに出ていました。転職したのかなと思っちゃいましたけど、彼女は昔からスプートニクインターナショナルという団体で、世界を動かす、アジアを動かす活動をされているということで、ご紹介したいと思います。秋沢淳子さんです。

左から、サステナブル・ブランド国際会議 青木茂樹、TBS 秋沢淳子 Photo=Eijiro Toyokura ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

秋沢: 1991年にTBSに入社しまして30年近くアナウンサーをやっておりまして、今はご紹介にあったようにCSR推進部というところで部長をやっております秋沢淳子と申します。

私は2000年からスプートニクインターナショナルというNGOを自分で立ち上げて、スリランカをメインにして日本語教育や、日本の文化の紹介、文化交流、あと児童養護施設、つまり昔で言うところの孤児院ですね、その運営をずっとやってきました。

そんな中でスリランカでは絵を描くことが大好きな人が多くいるということを発見して、同じようにアジアで活動している仲間にこの話をしたら、「そうなんだよ、素晴らしい技術があって才能を持ったアーティストがたくさんいるんだけど、世の中に出ていかないんだよね」という話になりました。そんな中で生まれてきた活動を、今日は皆さんに短くご紹介します。私、テレビ局ですので映像を作ってみました。まずは映像をご覧いただいて、その後で青木先生も交えてちょっとお話をしたいと思いますので、こちらのVTRをご覧ください。

【SDGs×アート】WhiteCanvasプロジェクトってなに?

青木: いやいやいや、皆さん、拍手してください。すごいことをやっていませんか。

秋沢: ありがとうございます。

「White Canvas ホワイトキャンバス」プロジェクト

青木: 昔からスリランカで学校を作ったり、私財を投げ打ってやっています。未来じゃない、私たちが始めているという第一人者ですが、なぜこのような広がりになったんですか?

秋沢: 日本の若者たちがいろいろなアジアの国でボランティア活動をしているんですが、そういう仲間たちをネットワークして、それぞれが活動するよりも仲間と力を合わせて何かを展開していったほうが発信力が高まるし、資金も集まっていいのではないかということで声をかけて、まず3カ国からスタートしたんです。

映像では900を超える作品がといっていますけど、去年2021年は2000作品になりました。なおかつ、それぞれ3つの国がお隣の国を巻き込んでいっていますので、今は6カ国が参加しているという形でどんどん広がっているんです。

アジアの画家ってなかなか有名になれないんですよ。

青木: たしかにそうですね。知らないですもの。すいません。

秋沢: ヨーロッパの画家さんの絵は、すごい高値で売買されているというイメージなんですけど、アジアは違いますね。

でも、アジアにも当然、素晴らしいクリエーターがたくさんいますので、そういう人たちをまずアジアの中でネットワークして、みんなの力で底上げしていって、世界のマーケットに繋げていく。今は絵で生活ができていないけど、素晴らしい才能を持った人たちをどんどんバックアップしていくと、その人たちがさらにその地域の子どもたちに絵を教えるとか、その先の活動がまた動いていくという、例えば1つ石を投げると波紋が広がるようにバァーッと大きくなるじゃないですか。

いくつもの波紋がどんどん重なっていって大きな活動につながっていくというのが「ホワイト・キャンバス(White Canvas)」じゃないかと思っています。

青木: アジアのアーティストには、アートの特徴のようなものはあるんですか?

秋沢: それぞれの国の文化とか宗教、価値観のようなものを反映している絵がとても多くて、例えばスリランカですと仏教をモチーフにしたものとか、あと、ゾウさんやハスの花等がたくさん描かれますね。

題材にされるものがトロピカルなものだったり。タイだったらタイっぽいモノとかいうイメージです。それ以外にもインターナショナルに通じるようなアートも当然生まれてきています。驚いたことに東南アジアのほうがオンラインを使ったデジタルアートがどんどん出ていっているんですよ。今でいうNFT(※)の技術を使ったアートを世界に広げていこうという活動は、後進国のほうが実は力が入っているような気がします。

※NFTとは、「Non-Fungible(代替不可能な)Token(証拠)」の略称で、非代替性トークンと訳される電子的な証明書のこと。暗号資産(仮想通貨)にも使われるブロックチェーン技術を活用したもので、デジタル作品の改ざんや複製が不可能になり、所有者を証明できる。

TBS 秋沢淳子 Photo=Eijiro Toyokura ©TRANSMEDIA Co.,Ltd

青木: 日本だと画商、画廊があってリアルな流通がありますから、若手のクリエーターがオンラインでというのはなかなかないけれども、アジアは違うということですね?

秋沢: そうなんですよ。アジアの田舎に行くと、携帯電話はみんな持っていますけど、「画廊」はないんですよ。何しろ見渡す限り田んぼという、そんな感じなんですから。

今の技術を使って、遅れた地域の中のいいものを拾って、まずアジアの仲間に提示して、そこからインターナショナルに持っていくというような取り組みが今、最先端で出来ていますね。

青木: これを私たちも見たい、買いたいという時にはどういうアクションをすればいいんですか?

秋沢: カンボジアのアーティストはGMOさんのAdam by GMOというNFTマーケットプレイスがあるんですけど、そこだと1万円くらいでデジタルの絵を買うことができますし、「ホワイト・キャンバス」はJRE MALLというJR東日本さんのモールでも発売しています。ちょっとお値段が高くなりますけど、その辺りをチェックしていただくと面白いと思います。

青木: いずれにしてもリアルな絵が買えるということですね?

秋沢: ええ、そうです。

青木: ということで、皆さん、ぜひ「ホワイト・キャンバス」で検索していただければと思います。秋沢さん、ありがとうございました。

秋沢: ありがとうございました。

今回の「サステナブル・ブランド 国際会議2022横浜(SB 2022 YOKOHAMA)」レポート記事は如何でしたでしょうか。

注目すべきセミナー、ディスカッション、ワークショップの様子を引き続きethicaで連載していきますので、お楽しみに!

バックナンバーはこちらからご覧頂けます。

[連載企画]サステナブル・ブランド国際会議2022横浜

記者:エシカちゃん

白金出身、青山勤務2年目のZ世代です。流行に敏感で、おいしいものに目がなく、フットワークの軽い今ドキの24歳。そんな彼女の視点から、今一度、さまざまな社会課題に目を向け、その解決に向けた取り組みを理解し、誰もが共感しやすい言葉で、個人と世界のサステナビリティーを提案していこうと思います。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

エシカちゃん

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