【ethica Traveler】特集企画『リアルに感動体験!』沖縄県恩納村 レポート(後編)
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【ethica Traveler】特集企画『リアルに感動体験!』沖縄県恩納村 レポート(後編)

「私によくて、世界にイイ。」をコンセプトに2013年に創刊した『ethica(エシカ)』では、10周年を迎える節目にあたり、エシカルでサステナブルな世界観、ライフスタイルをリアルに『感動体験』する場を特集していきます。

今回は、「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」に宿泊して恩納村のさまざまなエシカルな取り組みを体験してきました。

沖縄県の中部に位置する恩納村(おんなそん)は、東シナ海の美しい海岸線に沿った日本屈指のリゾート地です。そんな恩納村が、実はとってもSDGsに貢献しているサステナブルな村ということをご存知でしょうか。2018年に「サンゴの村(世界一サンゴと人にやさしい村)」を宣言し、2019年には「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に選定され、様々なサステナブルな体験を味わえる「私によくて、世界にイイ。」観光地なのです。

【あわせて読みたい】ethicaバックナンバー

【ethica Traveler】特集企画『リアルに感動体験!』沖縄県恩納村 レポート(前編)

【ethica Traveler】特集企画『リアルに感動体験!』沖縄県恩納村 レポート(中編)

【Day2-1】恩納村の取り組みが体験できるプログラム「ミツバチがサンゴを守る 養蜂農家見学」

ハイアット 瀬良垣では202212月から電動自転車に乗って「サンゴ」をキーワードに恩納村内の農園や施設を巡り、村内の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを楽しみながら学べる体験プログラム「世界一サンゴに優しい村・恩納村を自転車で巡り、学ぼう!」を提供しています。今回はその中から2つのプログラムを体験。

ミツバチがサンゴを守る 養蜂農家見学」では、ホテルからインストラクターと一緒に電動自転車に乗って、恩納村が行っている、赤土等流出防止対策の取り組み「HoneyCoralプロジェクト」に賛同している農家を訪問します。

普段は公開していない地元の畑で、蜂を育てることがなぜサンゴの保護に繋がるのか。実際に畑や養蜂箱を見学しながら養蜂家の池宮さんから、話を聞くことができます。

電動自転車

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA) 

Honey&Coral Project(ハニー&コーラルプロジェクト)」とは、恩納村が取り組むサンゴの保護活動のひとつで、蜂蜜(ハニー)とサンゴ(コーラル)の名前を冠したプロジェクト。恩納村役場と、先ほどのクマノミでも紹介したOIST(沖縄科学技術大学院大学)がミツバチを使って農地から流出する赤土等からサンゴ礁を守る新たな共同プロジェクトです。

沖縄には粒が細かいのが特徴の赤土と呼ばれる土壌があり、沖縄で良く見る赤い瓦屋根もこの赤土でできているものになります。赤土はドラゴンフルーツなど、独特な作物が土地として恩恵をくれる一方で、雨が降った時に海に流れ出るとそれが海の中へ降り注ぐ日光を遮って光合成ができなくなってしまったり、サンゴに粘土状に覆いかぶさることで害を与えるなど負の面もあるのが実際のところです。

そうした事実から、沖縄には「沖縄県赤土等流出防止条例」があり、開発事業からの赤土が流れ出てしまわないような対策が推し進められているのですが農地への適用がなく、農業では農家自身で対策を行っています。その対策手法として、ベチバーというインド原産のイネ科の植物をグリーンベルトとして植付をしたり、ひまわり等の花を咲かせる植物を緑肥として畑周辺に植え付けを行います。赤土が露出してしまっている大地をグリーンベルトベチバーや花々が防波堤の役割を果たすことで赤土の流出を防ぐことができるのです。

そして、ここにミツバチも関わってきます。この対策がされた畑の周辺で養蜂を行い、これらの花を蜜源としたハチミツを採取することで、農家は副収入を得て持続的な対策費を捻出できます。養蜂を副業としてベチバーや花を植えその管理をすることで赤土の流出を防ぐことができ、さらにベチバーは刈り取ってから、麦わら帽子やリース、しめ縄やアクセサリーなど、さまざまなプロダクトを制作することで、それがまた収入源にも。

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA) 

Photo=Kentaro Ohtani (TRANSMEDIA) 

蜂は生物多様性保全の観点からも貴重な存在とされ、養蜂それ自体がサステナブルな取り組みであることはもちろんなのですが、赤土流出の防止やサンゴの保護にも繋がるという大きな流れを生み出す一部でもあり、自然の広大さと尊さを思い知ります。自然と人間を共存させていこうという恩納村の力強い意志のようなものを感じます。

池宮さんは沖縄の中でも蜂を育てるのに10年ほど前から良い環境を探し求めていましたが、最終的に恩納村で育てる蜂が強くて健康な個体であり、ベストな環境だと判断して拠点をここに定めたそう。ミツバチの生育環境が良いということは、その地の畑や水場の環境がとても良いということの証なのだと言います。

ここからは、筆者によるスナップ撮影を交えて体験レポートをしていきます。

ドラゴンフルーツの畑

養蜂家の池宮さん

恩納村の小学生たちがデザインしたという、蜂の巣箱

蜂たちを驚かせないように、燻煙をかけながら丁寧に扱います。

一つの巣箱には一万匹近くの蜂がいるのだそう

棒で掬って取れたてのハチミツを味見します トロリと甘い!

後編はここまで、続きは完結編へ

(完結編)では【Day2-2】「サンゴの苗づくり」体験をレポートしていきます!

 

(完結編)を読む>>>

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
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ethica編集部

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