【ethica編集長対談】セブン&アイ・ホールディングス・釣流まゆみ 執行役員 (後編)「パートナーシップで目標を達成しよう」
独自記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
【ethica編集長対談】セブン&アイ・ホールディングス・釣流まゆみ 執行役員 (後編)「パートナーシップで目標を達成しよう」

「ethica woman」シリーズは、働く女性がキャリアを積む過程で考えてきた事を特別な輝きを纏った女性にお聞きします。読者それぞれが理想とする女性像を学ぶ為に、自分をワンランク上に押し上げてくれる美学や志を提供する事を目的としております。

前編に続き、2月24日・25日の2日間、パシフィコ横浜で開催された「サステナブル・ブランド国際会議2021横浜」(SB 2021 YOKOHAMA)に基調講演の1人として参加されたセブン&アイ・ホールディングスの執行役員・釣流まゆみさんに、ご自身が歩まれた道のりについて、エシカ編集長・大谷賢太郎がお聞きしました。

ライフスタイルの変化と「GREEN CHALLENGE 2050」

大谷: 今回のコロナの騒ぎで人々のライフスタイルも変わりつつあります。その対応も考えていらっしゃいますか。

釣流: もちろんです。小売業にとって人々の生活が変わるということはすごく大切なことです。私たちの業務は、エッセンシャルワーカー(人々が日常生活を送るために欠かせない仕事を担っている人)として国に認めていただきました。社会の中で必要とされることはありがたいことです。一方で従業員の中にはご家族から「働かないで」と言われた方もいました。

その時期にあるSDGsに貢献している企業のイメージ調査の発表でイトーヨーカ堂がランクインしました。コロナのために短時間でお買い物をしたいというお客様が増える中、ワンストップでお客様の要望に応えることができるようになったというのは大きなことだと考えています。

大谷: 先日、イトーヨーカドーさんをオンラインで取材しました。

釣流: それはありがとうございました。

大谷: その時、コロナ禍にもかかわらず、肌着とかルームウェアとか売り上げが倍増したアイテムが結構あるというお話をお聞きしました。一番の御社の強みは日本で2万3000店舗、世界では7万店舗を持っているという圧倒的な影響力だと思うのですが。

釣流: 影響力がある反面、社会に果たす責任も重大だと受け止めております。

大谷: あと印象的だったのは、他の記事でも読んだことがあるのですが、トップマネジメントが大事なんだよということで、それを推進するために専任の4人の役員を作られたと伺いました。

釣流: それはちょっとニュアンスが違い、正しくはホールディングスからイノベーションチームのリーダーとして辞令を出したということです。彼らは、セブン-イレブンや、ホールディングスだったり、イトーヨーカ堂籍の役員です。でも、ホールディングス社長の井阪からの辞令で動いていますので、実務は持っていますが、持ちながら彼らの意識ってその4つのチームのリーダーであることの優先順位が高いのです。これは大きいです。

大谷: トップマネジメントが効いているというのは、とても大事ですよね。売り上げや利益にはすぐに反映されないようなことって、現場だとなかなか理解されにくいですし、人も動かしにくいですから。でも、トップマネジメントでやらせてもらえると動きやすいですもんね。

釣流: そうなんですよ。

もう1つ、サプライチェーンを持っている中でいいますと、大手メーカーの社長さんからお話をいただいたことがあります。「井阪さん、やっぱり環境はやらなあかん」、様々な方に背中を押していただきながら、私たちが4つのターゲットでやると決めた以上はサプライチェーンの皆さんにも一緒にやるという思いを持っていただかなくてはなりません。その結果、より環境に配慮した商品を出せるようになりました。

大谷: 直近でいいますと、御社の役員の方がサラヤさんと共同で記者会見をされていましたね。

釣流: ホールディングスの石橋ですね。

大谷: 釣流さんも参加されたのですか。

釣流: 別の部屋で見ていました。

左から、サラヤ株式会社 取締役 コミュニケーション本部 本部長 代島 裕世、サラヤ株式会社 代表取締役社長 更家 悠介、株式会社セブン&アイ・ホールディングス 常務執行役員 グループ商品戦略本部長 石橋 誠一郎

大谷: サラヤさんとはご縁が深くて2014年から「ethica」の提供スポンサーをしてくださっています。そのサラヤさんがセブン-イレブンと組んだことは驚きでした。サラヤさんは今までいろいろといい商品を出してきましたが、買いたい時になかなか手に届かないという問題がありました。でも、これからは、お客さんがセブン-イレブンやイトーヨーカドーで実際に手に取って買えるようになりました。

釣流: 私たちとしては、やるからにはお客様にご迷惑をお掛けするわけには行きません。サラヤさんはいろいろなところから需要があって、どこまで応えられるのかというのは大きな課題だったようですが、気持ちを一緒にしようということで実現しました。これこそがまさにトップマネジメントだと思いますね。

大谷: きれいなボトルで、お客さんに受けるのではないですかね。

釣流: ありがとうございます。石橋が聞いたら喜ぶと思います。彼はもともと食品ロスの責任者ですが「グループのためになるのなら頑張る」と言ってやっています。

大谷: 話はちょっと変わりますが、今、1日に2200万人のお客さんが来店するということでしたが、その影響力はたしかにすごいですね。

釣流: 19年度は約2500万人のお客様にご利用いただきました。

影響があるからこそ、環境をはじめとする社会の課題に対して責任があります。ですから、影響力があるといえばそうなんでしょうが、同時に責任はもっとあると考えています。社長の井阪は、「お店を営業させていただいているのは、お客様があってこそ。お客様が困っていることに応えることが私たちの責任。」と、いつも言っています。

大谷: 釣流さんのお話をうかがっていると、お客様目線を大事にしているということがひじょうによく伝わってきます。今日の講演の中でも、セブン&アイグループの環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」を考えた時、お客様目線で目標を立てていらっしゃるというのが感じられました。

「GREEN CHALLENGE 2050」にはCO2排出量削減、プラスチック対策、食品ロス・食品リサイクル対策、持続可能な調達の4つがあったと思いますが、この4つにそれぞれ役員がついているということですか。

釣流: そういうことです。

2019年5月に環境宣言を出す直前、これで本当にできるのかどうか心配でした。それにはチームが絶対に必要で、ちょうどラグビーワールドカップで盛り上がっていた時期でもありましたが、まさにワンチームでやらないとうまくいかないと思っていました。

トップマネジメントはもちろん大切ですが、トップだけでは成しえません。従業員をどうやって参加させていくかがカギを握っているわけですが、今回はその仕組みがうまく働いたのだと思います。

今後はお客様にその気になっていただけるようなことを、どうご提案できるかが大切だと考えています。

大谷: SDGsを達成するためにもパートナーシップがひじょうに大事だということですね。

釣流: はい、私もそう思います。

パートナーシップで目標を達成しよう

大谷: 釣流さんのお話をうかがっていると、お客様目線を大事にしているということがひじょうによく伝わってきます。今日の講演の中でも、セブン&アイグループの環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」を考えた時、お客様目線で目標を立てていらっしゃるというのが感じられました。

「GREEN CHALLENGE 2050」にはCO2排出量削減、プラスチック対策、食品ロス・食品リサイクル対策、持続可能な調達の4つがあったと思いますが、この4つにそれぞれ役員がついているということですか。

釣流: そういうことです。

2019年5月に環境宣言を出す直前、これで本当にできるのかどうか心配でした。それにはチームが絶対に必要で、ちょうどラグビーワールドカップで盛り上がっていた時期でもありましたが、まさにワンチームでやらないとうまくいかないと思っていました。

トップマネジメントはもちろん大切ですが、トップだけでは成しえません。従業員をどうやって参加させていくかがカギを握っているわけですが、今回はその仕組みがうまく働いたのだと思います。

今後はお客様にその気になっていただけるようなことを、どうご提案できるかが大切だと考えています。

大谷: SDGsを達成するためにもパートナーシップがひじょうに大事だということですね。

釣流: はい、私もそう思います。

大谷: それには、いろいろな企業とのつながりをこれからもますます広げていくということですか。

釣流: そうなりますね。メーカーさんとのつながりは、もう何十年も続いているわけですけど、新たにアールプラスジャパンというサントリーさんが立ち上げたケミカルリサイクル事業に出資を表明したり、小売業の枠を越えて様々な方々と一緒にチャレンジしていきたいと考えています。

大谷: お忙しいところ、今日はいろいろとありがとうございました。これからもご活躍を願っています。

釣流: こちらこそありがとうございました。

 

(前編)から読む>>>

 

釣流まゆみ

㈱セブン&アイ・ホールディングス 執行役員 経営推進本部 サステナビリティ推進部 シニアオフィサー

津田塾大学国際関係学科卒業。(株)西武百貨店入社(現(株)そごう・西武)。 池袋本店婦人雑貨部、販売促進部、等を経た後、営業部門へ。執行役員顧客サービス部長、執行役員池袋本店副店長、執行役員所沢店店長、執行役員東戸塚店店長、執行役員文化プロモーション部長。 2019年3月より(株)セブン&アイ・ホールディングスへ。

グループ環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」の達成を推進。

聞き手:ethica編集長 大谷賢太郎

あらゆる業種の大手企業に対するマーケティングやデジタルの相談業務を数多く経験後、2012年12月に『一見さんお断り』をモットーとする、クリエイティブ・エージェンシー「株式会社トランスメディア」を創業。2013年9月に投資育成事業として、webマガジン「ethica(エシカ)」をグランドオープン。2017年1月に業務拡大に伴いデジタル・エージェンシー「株式会社トランスメディア・デジタル」を創業。2018年6月に文化事業・映像事業を目的に3社目となる「株式会社トランスメディア・クリエイターズ」を創業。

創業9期目に入り「BRAND STUDIO」事業を牽引、webマガジン『ethica(エシカ)』の運営ノウハウとアセットを軸に、webマガジンの立ち上げや運営支援など、企業の課題解決を図る統合マーケティングサービスを展開中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

ethica編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
【あむんが行く!第1話】 TBSのSDGsプロジェクト!「ミツバチ教室」で蜜ろうキャンドルづくりを体験
独自記事 【 2022/3/7 】 Work & Study
ethica編集部員の娘(5歳)が、様々なエシカルな体験を繰り広げていく、新企画「あむんが行く!」 “あむん”という名前の由来は、紀元前1000年頃より、二千年の長きにわたって栄えたマヤ文明のマヤ語からきています。意味は“森の神”。自然と親和性のある名前を持つあむんが、今後様々なエシカルな体験を繰り広げていきます。娘の...
“自分にも環境にもやさしい”インナーウェア「WACOAL ナチュレクチュール」
INFORMATION 【 2022/2/21 】 Fashion
肌に直接身につけるインナーウェアは着心地が大事。加えて、環境に寄り添ったアイテムであれば、なおさら手に取りたくなります。「Wacoal ナチュレクチュール」は“自分にも環境にもやさしい”を目指したインナーウェアラインです。肌ざわりの良さに加えて、環境や社会に配慮した製品へのこだわりが光ります。今回はそんなアイテムの魅力...
幸せや喜びを感じながら生きること 国木田彩良
独自記事 【 2021/11/22 】 Fashion
ファッションの世界では「サステナブル」「エシカル」が重要なキーワードとして語られるようになった。とはいえ、その前提として、身にまとうものは優しい着心地にこだわりたい。ヨーロッパと日本にルーツを持ち、モデルとして活躍する国木田彩良さんに「やさしい世界を、身に着ける。」をテーマにお話を聞いた。
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【Prologue】
独自記事 【 2021/3/1 】 Health & Beauty
20年以上、トップモデルとして活躍。究極の美の世界で生きてきた冨永愛さん。ランウェイを歩くその一瞬のために、美を磨き続けてきた。それは、外見だけではない。生き方、生き様をも投影する内側からの輝きがなければ、人々を魅了することはできない。「美しい人」冨永愛さんが語る、「“私(美容・健康)に良くて、世界(環境・社会)にイイ...
水原希子×大谷賢太郎(エシカ編集長)対談
独自記事 【 2020/12/7 】 Fashion
ファッションモデル、女優、さらには自らが立ち上げたブランド「OK」のデザイナーとさまざまなシーンで大活躍している水原希子さん。インスタグラムで国内上位のフォロワー数を誇る、女性にとって憧れの存在であるとともに、その動向から目が離せない存在でもあります。今回はその水原さんに「ethica」編集長・大谷賢太郎がインタビュー...
SDGsは「自分の暮らしの中」で向き合う。
sponsored 【 2019/11/25 】 Home
気候変動やグローバル化で深刻化する問題に対応するため、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)。貧困や格差の解消、地球環境の保全などをめざし、全ての国連加盟国が2030年までに取り組む行動計画だ。企業は単なる社会貢献ではなく、本業を通じた活動が求められている。ボルネオ島の生物多様性保全やアフリカ・...
[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【chapter1-1】
独自記事 【 2021/3/29 】 Health & Beauty
ファッションデザイナーが描く世界を表現するモデルは、まさに時代を映し出す美の象徴だ。冨永愛さんは移り変わりの激しいファッション界で、20年以上にわたり唯一無二の存在感を放ち続ける。年齢とともに磨きがかかる美しさの理由、それは、日々のたゆまぬ努力。  美しいひとが語る「モデル」とは?
モデルのマリエが「好きなことを仕事にする」まで 【編集長対談・前編】
独自記事 【 2018/12/24 】 Fashion
昨年6月、自身のファッションブランドを起ち上げたモデル・タレントのマリエさん。新ブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ、以下PMD)」のプレゼンテーションでは、環境に配慮し無駄を省いた、長く愛用できるプロダクトを提案していくと語りました。そして今年9月、ファッションとデザインの合同...
美しき理系アーティスト、スプツニ子!さんに伺いました!(前編)「質の高い教育をみんなに」
独自記事 【 2019/9/28 】 Art & Culture
9月22日(日)〜29日(日)のSDGs週間(*)にフェイスブック ジャパンが開催している「Facebook Fundraisers for SDGs」で、「質の高い教育をみんなに(SDGsの目標4)」を達成するため、アメリカのNPO団体「Girls Who Code」への募金キャンペーンを立ち上げたスプツニ子!さんに...
国木田彩良−It can be changed. 未来は変えられる【Prologue】
独自記事 【 2020/4/6 】 Fashion
匂い立つような気品と、どこか物憂げな表情……。近年ファッション誌を中心に、さまざまなメディアで多くの人を魅了しているクールビューティー、モデルの国木田彩良(くにきだ・さいら)さん。グラビアの中では一種近寄りがたい雰囲気を醸し出す彼女ですが、実際にお会いしてお話すると、とても気さくで、胸の内に熱いパッションを秘めた方だと...
東京マラソンと東レがつくる、新しい未来
独自記事 【 2022/5/2 】 Fashion
2022年3月6日(日)に開催された東京マラソン2021では、サステナブルな取り組みが展開されました。なかでも注目を集めたのが、東レ株式会社(以下、東レ)によるアップサイクルのプロジェクトです。東レのブランド「&+®」の試みとして、大会で使用されたペットボトルを2年後のボランティアウェアにアップサイクルするとい...

次の記事

[連載企画]冨永愛 自分に、誰かに、世界にーー美しく生きる。 【chapter1-1】 ethica beauty project
(第55話)「”もしも”の時のために。自分に、家族に合った形で備えたい防災のこと(後編)」キコの「暮らしの塩梅」

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます