(第20話)「良いものを長く使いたい。毎日のお料理時間を支えてくれる台所道具のこと」キコの「暮らしの塩梅」
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(第20話)「良いものを長く使いたい。毎日のお料理時間を支えてくれる台所道具のこと」キコの「暮らしの塩梅」

「私によくて、世界にイイ」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に…日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。

でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?

当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。

第19話では、環境や人体への負担の少ないナチュラルクリーニングの方法についてお伝えしました。今回はお料理の時間がより快適になる、おすすめの台所道具をご紹介します。

長く付き合いたい台所道具

暮らしのなかで何度も手にする台所道具。

毎日使うものだからこそ、忙しい日々のお料理の時間を支えてくれて、なおかつ使っていて嬉しくなるようなものを選びたいですよね。

愛着を持てるものを選ぶことで、「やらなきゃいけない」ことになりがちなごはん作りも、

いつもより少し丁寧に向き合おうと思ったり、お料理そのものの時間が心地よいものになったり、より楽しいものとなります。

選びたいポイントは見た目の美しさはもちろん、機能面や長く使えるところ。

使うほどに手に馴染むもの、経年変化して味わい深くなっていく姿を楽しめるような、そんな道具を揃えてみませんか?

今回は日々使っている道具の中から、比較的取り入れやすものを5つご紹介します。

ステンレスボウル

洗った野菜を水切りしたり、茹でた野菜を冷ましたり、和え物やサラダを作るときにも欠かせないボウルやザル。

使いやすいことはもちろん、収納する際にかさばらないことも重要だと思います。

愛用しているのは、柳宗理のステンレスボウルとストレーナー。

使いやすさと美しさを両立した洗練されたデザインで、毎日のお料理を快適にしてくれます。

ボウルはつや消しの上質な18-8ステンレス製で、目に入るところに置いてあってもすっきりした佇まい。フチの部分はわずかに折り返してあり、スッと手に馴染みます。

パンチングストレーナーは底の面まで一枚のもので作られているので、目詰まりしにくくお手入れも簡単。

ボウルと入れ子にするとぴったりコンパクトに重なって収納場所に困りません。

鬼おろしと竹のスライサー

歯の部分がギザギザで鬼の歯ような形をしていることから、そう呼ばれる鬼おろし。

大根を普通の目の細かいおろし金でおろすと、きめ細かくなめらかな口当たりになりますが、辛みと水分が出て水っぽくなってしまいます。

一方鬼おろしの目の荒い歯は素材の水分が出にくく栄養や食物繊維を損なわないまま、あっという間にふんわりと空気を含んだシャキシャキの大根おろしを作れます。

この時期おすすめのレシピは、大根おろし入り夏野菜の揚げ浸し。ナスやかぼちゃ、ししとうなどお好みの野菜をスライスして素揚げしたものを、めんつゆとたっぷりの大根おろしを合わせたものに浸すだけ。大根おろしのおかげでさっぱりとお箸が止まらない美味しさです。

一晩浸して、ごはんや麺のトッピングにしても◎

夏の常備菜に欠かせない一品です。

ちなみに、大根以外にもリンゴやチーズなどおろすのにも使えます。

スライサーはプラスチック製品が多いなか、竹製のものを見つけて迷うことなく購入したこちらの製品。竹は水に強く、さらに抗菌力の高いすす竹が使われているため、きちんと手入れすれば長年使えます。

わが家ではきんぴらや人参しりしりを作るのに大活躍。

軽い力でスライスできるので、たくさんの野菜を使う時も負担なくおろせます。

鬼おろしも同様ですが、自然素材の製品は湿気が傷みやカビの原因に。使った後はすぐに水で流し、布巾で拭いてから直射日光の当たらない風通しの良いところで乾かすことで長持ちします。

無水調理ができるお鍋

無水鍋とは、お鍋の密閉性を高め素材から出る水分を生かして調理できるお鍋のこと。

素材そのものの旨みや栄養を損なわず、少しの味付けで美味しく仕上がります。

材質はホーローやステンレス、アルミニウムなど、さまざまなメーカーからさまざまな形・サイズのものが販売されているので好みのデザインや用途に合わせて選ぶのがおすすめ。

わが家では、バーミキュラのオーブンポットラウンド型直径22cmのものを結婚のお祝いにいただき、それを愛用しています。

日本の職人さんが一つ一つ丁寧に作っており気密性の高さにも優れているこちらの製品は、リペアにも対応しているため一生愛用できるものとなっています。

カレーや煮物、炊き込みごはんはもちろん、だしを使わずに美味しいスープやお味噌汁が出来上がります。野菜の水分のみでしっとりと旨みを凝縮して蒸し上げることもできるので、離乳食作りにも重宝しました。

野田琺瑯の保存容器

ホーローといえば外せない、こちらの製品も。

真っ白で統一された容器は清潔感があり、そのまま食卓に出してもすっきりと美しい佇まいです。

素地が鉄なので保冷効果が高く食材の日持ちが良くなること、

また表面はガラス質のため雑菌が繁殖しにくく塩分や酸にも強いので、ぬか漬けやマリネなどの保存にも向いています。

プラスチック製品だと避けられない色移りやにおい移りの心配がないことも魅力ですよね。

そして何より、直火にかけられること。

保存容器からお鍋に移す手間も省け、洗い物も減るので忙しい日には大助かりです。

オーブンにも対応しており、グラタンやグリルをはじめお菓子作りにも活用しています。

種類がたくさんあるゆえに悩ましいサイズ選びですが、使い勝手が良いのはレクタングル浅型・深型のシリーズ。

浅型のものは下ごしらえやバット、オーブン皿として。

深型のものは温め直したいおかずやお味噌の保存、お弁当箱として使っています。

汁物の保存には、スクエア型もおすすめです。

どれを組み合わせてもコンパクトに重ねられて、収納がかさばりません。

お気に入りの台所道具で、お料理の時間をもっと楽しいものに

いかがでしょうか。

いつも使っている調理器具も素材や機能が変わるだけで、見た目にも美しく使い勝手が良くなるかもしれません。長く使えるものを選ぶことで無駄も減り、エコにもつながりますよね。

少しずつ自分のお気に入りを揃えていくことが、暮らしのなかの小さな楽しみになっています。

毎日の暮らしを豊かにしてくれる、用の美を兼ね備えたシンプルで機能的な台所道具を取り入れてみませんか?

【連載】キコの「暮らしの塩梅」を読む>>>

季子(キコ)

一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。

産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

季子(キコ)

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