プロデューサー。近年の展示として、2020 年「おさなごころを、きみに」東京都現代美術館、2021 年「北九州未来創造芸術祭ART for SDGs」北九州、同年「Ars Electronica 」オーストリア、2023 年「晴れときどきライカ」ライカギャラリー東京・京都、同年「ヌルの共鳴:計算機自然における空性の相互接続」清春芸術村 安藤忠雄/光の美術館光の美術館など多数。
また「落合陽一×日本フィルプロジェクト」の演出など、さまざまな分野とのコラボレーションも手かげる。
Reflector∞:Resonance of Electrical Echoes
今回お披露目されたメインオブジェ「Reflector∞:Resonance of Electrical Echoes」は、「秋葉原の未来への可能性」テーマに作られました。
LED とガラスという、新しいものと古くからあるものが共に用いられた作品を眺めていると、秋葉原という街が持つ現代的な日本文化の特異性(新しさ)と古代からの伝統的な慣習(古くからあるもの)とが互いを見つめ合い、まるで交信しているかのようで、不思議な気持ちになってきます。
落合陽一《Reflector∞:Resonance of Electrical Echoes》内部
コンセプト
”本作品「Reflector∞:Resonance of Electrical Echoes」は、東京・秋葉原という現代的な日本文化の特異性と古代からの伝統的な慣習との対話を試みる作品です。落合陽一は秋葉原に25年ほど通い続け、また近隣住民として暮らし始めて6年が経ちました。それ故に秋葉原の変遷を眺めながら、電子部品が新しい民藝を形作る様を夢想してきました。秋葉原という特異な空間は、デジタルと物理的な存在、有形と無形、サブカルチャーと主流文化が交錯する場です。落合陽一の質量のない自然と質量ある自然の調停という考え方もこの街をバックグラウンドに持つことによって生まれています。「Reflector∞」は、電子部品を媒体として、メディアアートが新たな民藝の形を持つことを示します。古代からの日本の鏡に対する感覚、その神秘性·象徴性は、物質とデジタルが交わる領域に境界として深い関連性をもち、作品中に取り入れられています。鏡は、観察者の視覚体験を拡張するためにインフィニティミラーを巧みに配置しています。その無限の反射が示すものは、空間的な拡大だけでなく、広がる可能性を示唆しています。