上司が我が子のお迎え?ワーキングマザーへの理解を深める『育ボス ブートキャンプ』 【サステナブル・ブランド国際会議2018東京】レポート『リクルート編』
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上司が我が子のお迎え?ワーキングマザーへの理解を深める『育ボス ブートキャンプ』

参加した管理職の声/「子どもの顔を知ると、親を早く帰してあげたいと思うように。そして、その人を信じてサポートしたいという気持ちになります。さらに家庭やバックグラウンドを知ると、個々の能力をもっと活かせるようになります」

ethicaの記事でもたびたび取り上げている(株)リクルートホールディングス。様々な働き方を提唱し続けている企業として、つねに注目をあびている印象があります。今回は、【SB 2018 Tokyo】(前回記事)のセッションプログラムにて紹介されたユニークな取り組みについてレポートします。

「個の尊重」でダイバーシティを推進

女性の活躍が社会にとって重要なのは、もはや当たり前の事実。しかし、出産や育児によりやむなく退職するという流れはまだまだ多く、日本企業の課題でもあります。

(株)リクルートホールディングスでは、この問題を解決すべく様々な取り組みを行っていますが、その一つが『育ボス ブートキャンプ』なるもの。

これは、2016年からグループ会社の(株)リクルートマーケティングパートナーズでスタートした育児体験プログラムで、希望するリーダー・マネジャーが子育て中の家庭の日常を体験するというものです。

ワーキングマザーに対する意識を変えるのは、まず管理職から。そんな考え方や取り組み方もリクルートならでは。

上司が仕事と育児の両立がいかに大変か身を持って体験!

まだ仕事中のママに代わり、17時にはプログラム参加の社員が退社。保育園へのお迎え、食事の用意、遊び、入浴など、親が帰宅するまで子供たちと一緒に過ごします。

これにより、仕事と育児の両立がいかに大変か身を持って体験できます。さらに、一緒に働くメンバーの家庭でのリアルな姿が想像でき、個人としての理解も格段に深まります。

参加した社員からは「子育ての大変さがよく分かりました。さらに、家庭の中に入ることにより、このメンバーの得意なことなど新たな発見もありました。そして、自分がそれを活かせていなかったことに気づかされました」という声があがったそうです。

個々の家庭や事情に踏み込むからこそできるダイバーシティの推進。人材を最大限に活かし、幸せなライフワークバランスを実現させるには、こんな思い切った施策が有効かもしれません。

株式会社リクルートホールディングス サステナビリティ推進室 伊藤 綾 室長

女性管理職の増加、男性の育休取得率もUP

『育ボス ブートキャンプ』のほかにも、女性リーダー研修や、キッズスペース付きのサテライトオフィス設置など、女性がさらに活躍できる組織風土の形成を進めているリクルート。そして、男性の意識変革も進み、2016年度からグループ内2社で男性の育児休暇取得を必須化する制度を開始。育児休暇の取得率が4.3%(2016年4月)から12.4%(2017年4月)にUPしたそうです。

たった1年で驚くべき成果が。組織全体の風土が変わった証拠です。

今回のセッション会場でも流された動画。様々な企業で応用できそうなプログラムです。

ダイバーシティはリクルートのフィロソフィそのもの。従業員一人ひとりの意志と可能性に期待し、お互いを尊重し合い、その持てるエネルギーが最大限発揮されるよう支援する。これが今のリクルートの経営ビジョンです。

記者 小田 亮子

神奈川県出身。求人広告、結婚情報誌などの制作ディレクターを経てフリーランスに。現在おもにブライダル関連のレポートを「ゼクシィ」「ゼクシィPremier」にてディレクション。「ethica(エシカ)~私によくて、世界にイイ。~ 」ほか、エステティック、化粧品、ジュエリーなどの記事をライティング。三人姉妹の真ん中に育ち、女子高・女子大卒。趣味は愛猫(雌)との女子会。

ーーBackstage from “ethica”ーー

はじめて「育(いく)ボス」という言葉を聞いたとき、ボス(管理職)を育む研修?と思ったのですが、育児体験を通して介護・看護などメンバーの多様な働き方を理解し、個の尊重を行いながらマネジメントができるようになってほしいという深い想いに、とても驚きました。人材を育み活かすことが得意なリクルートらしいユニークな試みに、多くのワーキングマザーの共感の声が聞こえそうです。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

小田 亮子

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