「私によくて、世界にイイ。」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。
でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?
当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。
「私によくて、世界にイイ。」が実現できる、エシカルな暮らしのカタチってなんだろう。仕事に家事に育児に……。日々生活を回すだけでも大変な私たちにとって、新しく行動を起こすのはエネルギーも時間も使うし、ハードルが高く感じてしまうもの。
でも日々の暮らしのなかで、少しでも”良い”につながることができたら?
当たり前の毎日のなかで、大切な家族も、世界も、そして私自身もほんのちょっぴり幸せになるような選択をしていけたらいいなと思うのです。
第50話では、家族会議についてお伝えしました。今回の記事では、子育てで大切にしている絵本を読む時間についてお話したいと思います。
もうすぐ3歳になる娘ですが、赤ちゃんの頃から寝る前には、ほぼ必ず絵本を読んでいます。
保育園から帰ってきて、ごはんにお風呂にとバタバタ急かすこともあるなかで、1日の終わりにお互いゆったりした気持ちで過ごせる大切な時間になっています。
最近は、電気を消してキャンプのランタンの明かりで読むのが娘のお気に入り。
湯たんぽを入れておいたお布団にもぐり込んで、ぴたっとくっついて絵本を読む時間は私にとっても癒しのひとときです。
私が子どものころも、毎晩母が読み聞かせをしてくれていました。
でも仕事が忙しかった母は横になって読んでくれているうちにうとうと……。
「もう!まま、起きて!」と妹と弟と、数ページごとに母の肩を揺すっていた記憶があります(笑)
次第に字が読めるようになると、物語の続きが気になって自分で読むように。
日本昔話やグリム童話などの物語が大好きでした。
そんな懐かしくもある絵本の時間は、いつか子どもが生まれたら大切にしたいなぁと思っていたことの一つです。
絵本を選ぶ時、こどもの発達や年齢に合っていることはもちろんですが、私自身も読んでいて心地よいことを大切にしています。
意識しているポイントをいくつかお伝えしますね。
・美しい言葉で紡がれているもの
読み聞かせをしていると、声に出した時にしっくりくるものと、そうでないものがあることを感じます。オノマトペをはじめ、日本語ならではの豊かな言い回しや韻(いん)を踏んでいると、お話にぐっと引き込まれます。
言葉の繰り返しやリズムがあることも、特に子どもにとって楽しめるポイントだなぁと感じます。
・絵の描写が物語と調和しているもの、想像力が膨らむもの
絵が素敵な絵本は、ただ眺めているだけでもワクワクするのではないでしょうか。文字が読めない子どもでも、そこに描かれている世界観を1ページ1ページじっくりと楽しんでいるかのようです。
一方で、登場人物がキャラクター化されていたり、絵が漫画的な表現がされていたりするものは、積極的には読んでいません。
よりイメージが膨らむような表現や、写実的なものを手に取っています。
・作者の意図が強すぎないもの
個人的な感覚でうまく言えないのですが、「こう感じて欲しい」という直接的なメッセージ性が強く出ている絵本は、あまり好きになれないことが多いです。
・昔話や童話は古くから伝わる「語り」そのものを
最近はわかりやすいように、怖くないようにと、ストーリーや登場人物がアレンジされてしまっているものがあります。ですが、現代の価値観では残酷だと感じられるお話であっても、そこに長年語り継がれてきただけある、大切な思いや学びがあるのではないかと思います。
そんな古の「語り」そのものの世界観を大切にしたいと考えています。
読み聞かせしてきた絵本のなかでも、特に娘が気に入っていたものを年齢別にいくつかご紹介します。
<0〜1歳>
・林明子『おつきさまこんばんは』福音館書店
・谷川俊太郎/作・元永定正/絵『もこもこもこ』文研出版
・三浦太郎『くっついた』こぐま社
『おつきさまこんばんは』は、娘も内容を丸暗記するくらい大好きで繰り返し読みました。雲に隠れたお月さまが、また出てくるところにホッとするみたいです。
擬音だけで展開していく『もこもこもこ』は、はじめは「なんだこれは?」とよくわからない感覚でしたが、次第に娘も私もその世界に引き込まれていった不思議な魅力があふれる絵本です。
『くっついた』は、繰り返し読むうちに「くっついた!」のセリフのところで娘がほっぺたを”ピタッ”とくっつけるようになり、それが可愛くてついつい何度も読んでしまっていました(笑)。スキンシップにも繋がる絵本は、一緒に読んでいて楽しいです。
<1〜2歳>
・ルース・ボーンスタイン『ちびゴリラのちびちび』ほるぷ出版
・エリック・カール『パパ、お月さまとって!』偕成社
・筒井頼子/作・林明子/絵『おでかけのまえに』福音館書店
お誕生日が大好きな娘。「ちびちび」のお誕生日のシーンでは、必ずお誕生日の歌を歌ってお祝いに参加していました。”みんなあなたのことが大好きなんだよ”というメッセージが、子どもにとっても嬉しいようです。
『パパ、お月さまとって!』は、『はらぺこあおむし』で有名なエリック・カールさんの作品ですが、同じくらいこの絵本も大好きでした。絵本にちょっとした仕掛けもあり、パパがながーいハシゴを持って、お月さまを取りにいく姿は大人もワクワクします。
『おでかけのまえに』は私も子どもの頃大好きだった絵本の一つです。お話に出てくるあやこちゃんの姿が普段の娘の姿と重なり、なんとも微笑ましいです。「だめだめ、ピクニックにいってから」が(小さい頃の私も)娘もお気に入りのセリフです。
<2〜3歳>
・フィービとジョーン・ウォージントン『ゆうびんやのくまさん』福音館書店
・いわむらかずお『14ひき』シリーズ 童心社
・筒井頼子/作・林明子/絵『こんとあき』福音館書店
保育園の自分のマークが”くま”だからか、くまさんが出てくる絵本は全部お気に入りの娘。なかでも『ゆうびんやのくまさん』シリーズが大好きです。お話のなかに出てくるちょっとした食べものや会話、くまさんの暮らしなど、どれもシンプルで素朴で心がじんわりあたたかくなります。
『14ひき』シリーズは、豊かな自然のなかで暮らすねずみの家族のお話。とにかく絵が細部まで精密で色彩にあふれ、ページを開くごとにその世界にふわっと引き込まれるような感覚を覚えるほど魅力的な絵本です。読むたびに小さな発見がたくさんあって、娘も毎回間違い探しのように楽しんでいます。
娘が生まれて十数年ぶりに読んだ『こんとあき』。あきがこんを探して見つかったシーンに思いがけずほろり。。そのページを読むときは娘の表情も真剣そのもの。微笑ましかったり切なかったり、何度読んでも胸が熱くなります。
林明子さんの作品が大好きで、かなり偏った紹介になってしまいましたが……。
おまけに。今にも触れられそうなくらいリアルで優しい林明子さんの絵本のもう一つの魅力は、絵の中にいろんな秘密が散りばめられていること。ストーリーを追うだけでなく、絵そのものをじっくり見て楽しんでみるのもおすすめです♪
今回は絵本を選ぶ時に大切にしているポイントと、お気に入りのものを少しご紹介させていただきました。
絵本には、たくさんの魅力が詰まっています。
美しい日本語や言い回し、豊かな表現の絵に触れる機会をはじめ、いろいろなストーリーの物語に出会うことによって、子どもの想像力や価値観、感性を豊かに育むことにもつながると言われています。
子どもためにと頑張りすぎず、読む大人も心地いい状態でいられることを大切に、読み聞かせの時間を一緒に楽しむことができたらいいですね。
(この時間が、娘にとって豊かな人生を送るひとつの手立てになればと願っています)
季子(キコ)
一児の母親。高校生のころ「食べたもので体はできている」という言葉と出会い食生活を見直したことで、長い付き合いだったアトピーが大きく改善。その体験をきっかけに食を取り巻く問題へと関心が広がり、大学では環境社会学を専攻する。
産後一年間の育休を経て職場復帰。あわただしい日々のなかでも気軽に取り入れられる、私にとっても家族にとっても、地球にとっても無理のない「いい塩梅」な生き方を模索中。
私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp
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