《第72回カンヌ国際映画祭・Day3》注目の音楽映画『ロケットマン』を上映、エルトン・ジョン本人もレッドカーペットに登場
独自記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
Instagram
《第72回カンヌ国際映画祭・Day3》注目の音楽映画『ロケットマン』を上映、エルトン・ジョン本人もレッドカーペットに登場

レッドカーペットに登場した、エルトン・ジョン(写真提供:Chopard)

カンヌ国際映画祭の3日目を迎えた2019年5月16日、英国が生んだ世界的シンガー&ソングライターであるエルトン・ジョンの半生を描いた『ロケットマン』のワールドプレミア上映がありました。ご本人みずから、トレードマークのド派手なサングラス姿で、カンヌのレッドカーペットに颯爽と登場しました。この音楽史に輝くアーティストに、映画への期待を込めてスポットを当ててみます。

『ボヘミアン・ラプソディ』に続く注目の音楽映画

『ロケットマン』は、日本でも旋風を巻き起こした映画『ボヘミアン・ラプソディ』の製作総指揮を務めたデクスター・フレッチャーがメガホンを取った作品です。実は、『ボヘミアン・ラプソディ』の撮影終了間際に前監督が降板し、最終的に彼が監督を引き継いだため、クレジットこそ製作総指揮ですが、同作の実質的監督とも言われています。

このため、あの空前のヒット作と同じ大きな感動を呼ぶのではないかという期待が高まっている映画でもあります。日本では8月23日よりロードショー公開予定です。

デクスター・フレッチャー監督『ロケットマン』予告編

ピアノバラードの神様、エルトン・ジョン

エルトン・ジョンは今も現役で活動していますが、そのキャリアは長く、最初に大ヒットを飛ばした時期は、ちょうどクイーンの全盛期と重なる1970年代でした。

彼が作曲した数々のピアノバラードは、まさに神の領域とも言える美しさ。曲名を知らなくても、その透明感のあるピアノサウンドと歌声は、誰の耳にも残っているのではないでしょうか。

代表曲と言えば、まずは『ユア・ソング(邦題:僕の歌は君の歌)』です。

この曲のリリースは1970年ですが、実はつい2018年に、英国のデパートのクリスマスCMにエルトン・ジョン本人が出演して、この名曲をバックに自身の半生をフラッシュバックしていく映像が使われて大反響を呼びました。

John Lewis & Partners Christmas Ad 2018

まさにこれは、映画『ロケットマン』の伏線と言ってもいい映像ですが、この2分ちょっとの動画でも、曲をバックに観ていると最後のシーンでちょっと泣けてきます。

もしかしたら映画も、『ボヘミアン・ラプソディ』以上の涙を呼ぶかも知れません。

ダイアナ妃に贈った歌と、盟友だった作詞家の存在

エルトン・ジョンは、英国で最もリスペストされている音楽アーティストのひとりです。

1997年にダイアナ妃が不慮の事故で亡くなったとき、葬儀の場で追悼歌を歌ったのが、まさに彼でした。

『キャンドル・イン・ザ・ウインド』という曲で、もともとエルトンがティーンエイジャーのころに世を去った米国のスター、マリリン・モンローを偲ぶ歌だったものを、ダイアナ妃のために歌詞を書き換えて歌ったものです。

妃の死を悲しむ人々の気持ちを代弁した詞を急遽書いたのが、エルトンが曲作りのパートナーを長年組んでいる盟友、バーニー・トーピンという人物です。映画『ロケットマン』の中でも重要な役柄で、エルトン・ジョンは、多くの楽曲を、彼とタッグを組んで世に出しています。

キャンドル・イン・ザ・ウインド=風の中のロウソクとは、まさに命のはかなさのメタファーです。このとき書き起こされた1997年版は、急造の歌詞とは思えないほど、ダイアナに対する深い敬意が丁寧に込められた、王妃の死を悼む人々の心をひとつにするような作品に仕上がっています。

映画タイトル曲『ロケットマン』をサプライズ披露

今回『ロケットマン』は、アウト・オブ・コンペティションと言う、バロン・ドールを競うコンペティション部門とは別枠の、いわゆる特別招待作品としてカンヌの地で初めて上映されました。

この映画のタイトルにもなった『ロケットマン』も、エルトンの代表曲のひとつです。宇宙飛行士と言えば、頭脳明晰で健康な肉体を持つエリート中のエリートというイメージがあります。ただ、この楽曲は、家族と離れ離れになって遠い宇宙を旅する職業である宇宙飛行士の悲哀を歌った、なかなか面白い着眼点のメッセージを持ったピアノバラードです。

5月16日の上映のあとのパーティでは、エルトンが自らピアノを弾き、映画の中でエルトンを演じたタロン・エガートンが歌う、というサプライズがありました。

Elton John & Taron Egerton – ‘Rocket Man’ (Cannes Film Festival 2019)

以上、この夏の日本での公開が楽しみな『ロケットマン』のモデルであり、制作メンバーにも名を連ねているエルトン・ジョンのアーティスト像や代表曲を、カンヌからの映像とともにご紹介しました。

最後に、今回のワールドプレミアでレッドカーペットを飾ったセレブたちのショットをご覧ください。エシカでは、カンヌの動向を引き続き配信していきますので、どうぞよろしくお願いします。

ブライス・ダラス・ハワード/ Bryce Dallas Howard

『スパイダーマン3』『ターミネーター4』『ジュラシック・ワールド』など数々のハリウッド映画に出演している米国女優は、『ロケットマン』でエルトンの母を演じています。

ブライス・ダラス・ハワード(写真提供:Chopard)

アラヤー・ハーゲート/ Araya Hargate

タイの女優、アラヤー・ハーゲートは、髪をアップにし、ワンショルダーのドレスで2日目とは違った装いを披露。イヤリングは、カンヌ国際映画祭のオフィシャルパートナーであるショパールが環境・社会的認証を課した素材だけを使った「グリーン カーペット コレクション」からセレクトされたもの。

アラヤー・ハーゲート(写真提供:Chopard)

ディタ・フォン・ティース/ Dita Von Teese

米国のバーレスクの代表的スター、ディタ・フォン・ティース。ハート型のサファイアをフィーチャーしたネックレスが、首元をゴージャスに飾っています。

ディタ・フォン・ティース(写真提供:Chopard)

マリア・ボルゴ/ Maria Borges

アンゴラのモデル、マリア・ボルゴの耳元を飾るイヤリングは、ショパールの「レッド カーペット コレクション2019」より。

マリア・ボルゴ(写真提供:Chopard)

公式サイト
https://www.festival-cannes.com/

《第72回カンヌ国際映画祭》連載企画

《第72回カンヌ国際映画祭・Day1》煌びやかなレッドカーペットから、ゴージャスなショットをお届け

《第72回カンヌ国際映画祭・Day2》ショパールのレッドカーペットコレクションから

《第72回カンヌ国際映画祭・Day3》注目の音楽映画『ロケットマン』を上映、エルトン・ジョン本人もレッドカーペットに登場

《第72回カンヌ国際映画祭》チャン・ツィイーをゴッドマザーに指名

《第72回カンヌ国際映画祭・Day4》ペドロ・アルモドバル監督の『Pain and Glory』プレミアを飾ったセレブリティたち

《第72回カンヌ国際映画祭》マライア・キャリーの圧巻パフォーマンスに酔いしれる 〜ショパールLOVEナイトより

《第72回カンヌ国際映画祭》若手俳優に贈られる「ショパール・トロフィー」授賞式から

《第72回カンヌ国際映画祭》クエンティン・タランティーノ監督『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』プレミアから

記者:山田勲

上智大学理工学部卒。1985年ソニー株式会社入社。ソニー・ミュージックエンタテインメントEPICソニーレコードのディレクターを経て、インタービジョン・レーザーフィッシュ取締役などを歴任、ethica編集部では音楽制作の現場経験を活かし、音楽を中心にエンタメ分野のライティングを担当。これまで担当した著書に「デジタルエレクトロニクスの秘法」(岩波書店ジュニア新書)、「0と1の世界」(教育出版・中学国語3)の寄稿がある。

ーーBackstage from “ethica”ーー

1970年代の洋楽シングル曲は、『イエスタデイ・ワンスモア』『サタデイ・イン・ザ・パーク』のように原題のまま日本でリリースされる場合もありました。いっぽう『シェリーに口づけ』『胸いっぱいの愛を』など、邦題がついているものも多かったのですが、たいてい日本のレコード会社のディレクターが命名していました。

エルトン・ジョンの楽曲のうち、『僕の歌は君の歌』は、まあ『ユア・ソング』のままでもよかったような気がします。ただ、秀逸だと思ったのが『黄昏のレンガ道』(原題:Goodbye Yellow Brick Road)です。本編では紹介しませんでしたが、この曲も彼の代表作です。

リリース当時、私は中学生で、ラジオでこの曲を耳にしたときは、英語の歌詞はわかりませんでしたが、夕陽に染まったレンガ道を歩く情景が、メロディを通じて浮かび上がってきたのを憶えています。

私は勝手な想像から、レンガの塀が延々と続く道のある観光地を訪れた旅人が、その景色を眼に焼き付けながら想い出とともに都会に戻ろうとしている歌かと思っていました。しかし、今になって歌詞を見直してみると、都会に出てきた若者が田舎に帰りたい、と言っている真逆の内容でした。

もしかしたら、スターとなったエルトン・ジョンを傍で見ていたバーニー・トーピンが、ときには生きづらい芸能界への皮肉も込めて書いた歌詞かも知れません。映画では彼の存在が、どんな風に描かれているかも楽しみです。

私によくて、世界にイイ。~ ethica(エシカ)~
http://www.ethica.jp

山田 勲

門脇麦さん、エシカ独占インタビュー「シャンティ デイズ」を観てくれた人に、いい気が湧いてくると嬉しいですね。
独自記事 【 2014/10/20 】 Art & Culture
 心身ともに健康で調和のとれた毎日を送るため、生活にヨガを取り入れる人が増えています。そのヨガの持つポジティブな力をモチーフに、2人の女性の友情と成長を描く日本初の体感型ヨガ・ムービー「シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸」が10月25日から全国公開され、女性たちの間で大きな話題を呼んでいます。 物語の主人公は、青...
「これはフェアトレード?」神木隆之介さんが意識の高い高校生を演じるauの新CM「意識高すぎ!高杉くん」
独自記事 【 2018/3/29 】 Art & Culture
2018年1月30日から、神木隆之介さんが出演するauの新CMシリーズ「意識高すぎ!高杉くん」がスタートしました。何事にも意識の高い高校生「高杉くん」が、同級生の「松本さん」にauの様々なサービスやプランを紹介していく同シリーズ。最新CM「購買部」篇の最後のセリフが気になった『ethica(エシカ)』読者も多いのではな...
【絶滅体験レストラン】昆虫食?カラス肉?100年後はどうなるの?
sponsored 【 2019/6/1 】 Food
「絶滅体験レストラン」って? 未来の地球環境を救うためのフードエンターテイメントショー『絶滅体験レストラン』第一回目が、2019年4月に原宿<カワイイ モンスター カフェ>で開催されました。「種の保存」や「生態系の崩壊」をテーマに、このままだとやってくるかもしれない(?)未来を体験して、環境に対する意識を高めよう!とい...
最高の笑顔を鍛えるスマイル体操「スキパニスマイル」に凝縮された、演出振付家MIKIKOさんに学ぶ、観察眼の大切さ
独自記事 【 2019/4/5 】 Art & Culture
綾瀬はるかさんが歌に合わせて、「ス」「キ」「パ」「ニ」という4文字の言葉を繰り返して手を動かす「スキパニスマイル」というTVCMをご覧になった方も多いかもしれません。 これは、グリコが「あなたが笑うと、世界は変わる。smile.Glico」をメッセージとしたコミュニケーション活動の一環として、いつでもどこでも簡単に、笑...
森星さんが世界中の女の子を応援 オリジナルデザインのTシャツでスピーチ
独自記事 【 2017/11/28 】 Love&Human
皆さんは10月11日が「国際ガールズ・デー」であることをご存じでしょうか? 女の子の権利についての認識を深める「国際ガールズ・デー」は、2011年に国連で制定されました。(ちなみに「国際女性デー」は3月8日。) 制定から6年、日本でも徐々に認知され、今年10月には六本木の街の各所で国際ガールズ・デーにちなんだイベントが...
デビュー20周年を迎え、ますます輝く相川七瀬さんに注目
独自記事 【 2014/12/29 】 Art & Culture
ガールズポップ全盛の時代に、ちょっと不良っぽいイメージで圧倒的な存在感を示した女性ロックシンガー相川七瀬さん。1995年に「夢見る少女じゃいられない」でデビューして以来、2015年で20年を迎える相川さんは、東日本大震災や紀伊半島大水害の復興支援チャリティライブに参加するなど社会的な活動にも積極的に取り組んでいます。今...
新しい環境に跳び込んでいくことが楽しい【三原勇希・前編】
sponsored 【 2018/7/21 】 Art & Culture
ラジオ番組「INTRO-JUICE 802」(FM802)のレギュラーDJを務めるタレントの三原勇希さん。今春、同局のスポンサーを務めるサラヤ株式会社の環境保全プロジェクトを取材するため、ボルネオを訪問されました。ローティーン雑誌のモデルを経て人気DJとして活躍中の三原さんに、ethica編集長・大谷がロングインタビュ...
「外」からの視点がとらえた、日本の美しさ 【国木田彩良・前編】
独自記事 【 2018/10/4 】 Art & Culture
明治時代の小説家・ジャーナリストの国木田独歩の玄孫であり、現在、モデルとして活躍中の国木田彩良さん。このたび谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を原案とする短編映画『IN-EI RAISAN(陰翳礼讃)』(高木マレイ監督)の茶人役で、女優に初挑戦しました。10月5日の映画公開を控え、2018年6月に建仁寺塔頭 両足院にて行われた映...
ボヘミアン・ラプソディ〜デジタル時代に一石を投じた70年代の伝説のチャンピオン
独自記事 【 2018/12/14 】 Art & Culture
1970年代に一世を風靡したロックバンド「クイーン」のリードヴォーカル、フレディ・マーキュリーの半生を描いた音楽映画「ボヘミアン・ラプソディ」が大きな反響を呼んでいます。 このバンドの全盛時代に中高生だったファンのみならず、クイーンをリアルタイム体験していない世代の人たちからも「泣けた」「また観たい」という賞賛の声が上...
モデルのマリエが「好きなことを仕事にする」まで 【編集長対談・前編】
独自記事 【 2018/12/24 】 Fashion
昨年6月、自身のファッションブランドを起ち上げたモデル・タレントのマリエさん。新ブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ、以下PMD)」のプレゼンテーションでは、環境に配慮し無駄を省いた、長く愛用できるプロダクトを提案していくと語りました。そして今年9月、ファッションとデザインの合同...
エシカ・インタビュー SHY FLOWER PROJECT 代表 古橋あや香(愛称:スイスイ)
独自記事 【 2017/5/8 】 Art & Culture
古橋あや香さんは、廃棄花に、新たな次元・価値をアートワークによって吹き込むアップサイクルな活動に取り組む「SHY FLOWER PROJECT」の代表です。 現在二児の母でもある彼女は、サスティナブル(持続可能)な活動にさらなるエネルギーを注いでいるといいます。 その集大成とも言えるのが、初の単独ショップのオープン。 ...
表参道ヒルズにフォトジェニックスポット登場! おいしいコーヒーが飲みたくなるアートは必見 【imperfect 表参道】あなたの「おいしい」を、だれかの「うれしい」に。
独自記事 【 2019/5/10 】 Food
2019年初夏、表参道ヒルズ同潤館1階にウェルフード マーケット&カフェ【imperfect 表参道】がオープンします。ここで味わえるのは、世界中の農家の方々が生産したナッツ、スパイス、カカオ、コーヒーといった原材料にひと手間を加え、おいしさを追求したこだわりフードの数々。味付きナッツがゴロゴロ入ったチョコレート、アー...

次の記事

《第72回カンヌ国際映画祭・Day2》ショパールのレッドカーペットコレクションから
《第72回カンヌ国際映画祭》チャン・ツィイーをゴッドマザーに指名

前の記事

スマホのホーム画面に追加すれば
いつでもethicaに簡単アクセスできます